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異世界で道化師は笑う  作者: √3
第一章 狂気
6/20

転生

遅くなってすいません。書きだめって難しいですね・・・

 

「***************」


 目を開けた颯太が最初に見たのは、自分を抱きかかえて笑顔でこちらを覗き込んでくる銀髪美人とその銀髪美人を後ろから抱きしめながら同じく笑顔で覗き込んでくる赤髪のイケメンだった。

 突然の出来事に颯太は自分が転生したことなど忘れてじっと二人を凝視してしまった。

 そんな彼を見て二人は不思議そうな顔をしていた。


 それもそうだろう、たった今取り上げられたばかりの自分達の子供が産声もあげずにこちらを凝視しているのだ。

「***************」


「*************」


「あうっ、ああ」


 颯太は声を出そうとするがうまく声が出ない、しかし無理矢理にでも出そうとする。


「おぎゃぁぁぁあああああああああああああああ」


 奇しくもその声にならない叫びが産声となり、その瞬間、颯太の二度目の人生が始まった。


 颯太はなぜか安心したような顔になった二人を見ながら、急に襲ってきた睡魔に身をゆだねるのであった。




 ~~~~~~~~~~~~~~~~



「アリサ様、生まれました。元気な男の子ですよ」


 アリサはたった今、我が子が無事生まれてきたことに安堵した。

 メイド長のメリッサから子供を受け取り、その子の顔をじっと見ていた。

 生まれてきた子は透き通るような銀髪を持っており、目には、まるで海を幻想させるような深い青が宿っていた。

 すると後ろから夫のヨハンが抱き着いてきた。


「ヨハン見て。ふふふ、とてもかわいらしい」


 アリサはとても優しげな笑顔でその子の顔をのぞき込みながらヨハンに言った。


「ああ、とてもかわいいな。髪はアリサに似てとてもきれいな銀髪だ」


「そうね、でも目はあなたに似てとてもきれいな碧眼だわ」


 二人は喜びを噛みしめ合っていると、ふいに違和感を感じた。


「ヨハン、この子泣かないわね。大丈夫かしら?」


 そう、違和感の正体は生まれてきた我が子がいまだに産声を上げないことだ。

 一般的に子供というのは生まれてきてすぐに産声を上げるものなのだが、この子はいまだに泣く気配も見せずにこちらを凝視している。

 さすがに心配になったのか、アリサは不安げな顔でヨハンのほうを見る。

 しかし、そんなヨハンもまた不安げな顔をしていた。


「あうっ、ああ」


 声が聞こえたとアリサが振り向く。


「おぎゃぁぁぁあああああああああああああああ」


 すると、ちょうど我が子が産声を上げるところだった。

 まるで、たった今生まれたかのように産声を上げている我が子を見て二人はひどく安心した。

 やがて泣き疲れたのか、すうすうと寝息を立てて寝てしまった。


「何事もなくてよかった……ふふふ、寝顔もかわいらしい」


「ああ、産声を上げなかったときはどうしたものかと心配したぞ」


 そう言って二人は安心したように笑い合った。


「ヨハン様、アリサ様、その子にお名前を」


 そこで、今まで後ろで控えていたメリッサが言ってきた。


「ええ、名前はもう決まってるのよ。あなたの名前は―」


 アリサは再び我が子に微笑みかけた。


「―クラウス。あなたの名前はクラウス=エルファスよ。」


 その瞬間、アリサにはクラウスの頬が緩んだように見えた。


 窓から差し込む光がアリサとクラウスを照らしている。

 それはまるで、天がクラウスの誕生を祝福しているかのようだった。





 ~~~~~~~~~~~~~~~~



 颯太がクラウスとして転生して一週間がたった。

 その間、クラウスは何かしていたのかと聞かれると何もしていないと答えるだろう。

 いや、実際には何もできなかったというのが正しい。

 この一週間、クラウスは、起きては母親らしき人のおっぱいを吸い、お腹いっぱいになるとすぐに寝るのくりかえしだった。

 クラウスも起きていようと努力したが猛烈な睡魔が襲い掛かり、起きていることを許さない。

 四六時中睡魔に襲われていたため、意識はずっと曖昧なままだった。

 だが幸か不幸か、そのおかげでおっぱいを吸うことに対して特別羞恥心を抱くことはなかった。



(少しずつだけど起きていられるようになったな……)


 クラウスは周りを見ようとするが生まれて約一週間の赤ん坊が寝返りを打つことができるはずもなく、首も座ってないので自由に首を動かすこともできない。

 それでも必死に動かそうとしていたが、諦めて今できることをすることにした。


(うーん、動かないな。しょうがないか……とりあえずステータスの確認からやるりますか)


(よし、ステータス)




 名前 クラウス=エルファス


 レベル 1


 種族 人族


 職業 【月夜の道化師(ルナティック・クラウン)


 魔力 100


 称号 〖伯爵家〗〖転生者〗〖読書家〗〖狂気願望〗〖物語を求めるもの〗〖笑いを渇望するもの〗〖リインの話し相手〗 


 加護 輪廻の神 カルナシオンの祝福(異世界)

     輪廻の神 リインの祝福


 固有スキル


狂気(ルナティック)】【神眼】【神託(オラクル)


 職業スキル


仮面(ペルソナ)


 発展スキル


【隠蔽】【千里眼】【地獄耳】【気配同化】


 基本スキル


【並列思考】【高速思考】【観察】【算術】【魔力操作】

【身体強化】【危険察知】【速読】【念話】【契約】




(ふむふむ、大体転生前に確認したとおりだな)


 なるほど、といった感じでステータスを見ているといくつか項目が変化していることに気付いた。


(ん?なんか増えてるな。とりあえずまだ確認してない項目と一緒に調べてみるか)


 上から順に調べようと称号から見ていくことにしたが反応がない。

 ん?と思いながらも、もう一度やっても反応がない。


(もしかして、称号には説明がないのか。文字どおりの意味ってことでいいのかな?)


 クラウスはそういうものだと断定して次に行くことにした。




 輪廻の神 リインの祝福


 成長速度が上がる。

 固有スキル【神託】を習得


(最後のキスのやつか……)


 そう、この加護は転生直前にリインがクラウスに渡したものである、さらにキスのサプライズ付きだ。


(いきなりあんな美人にキスされたら誰だって唖然とするよな……)


 その時のことを思い出しながら心の中で苦笑いをする。


(さてさて、次はいかにも強そうな固有スキルの確認だ)


 そもそも固有スキルというものは努力すれば手に入るほかのスキルとはわけが違う。

 固有スキルの習得方法はいくつかあるがどれも並大抵のものではない。

 例えば、クラウスの場合のように特定の神の加護による効果がある。

 ほかには、魂の格が高いものが生まれながらにして持っている場合、魂の格を歪めるほどのとてつもなく強い感情によって習得する場合もある。

 まだ方法はあるが、どれも手に入れたいからといって簡単にできるものはない、それが固有スキルというものだ。


 なので、そんな固有スキルを三つも持っているクラウスは完全に異常なのである。

 そんなものだとは露も知らずに意気揚々と固有スキルを調べ始めた。


(最初は元々あった【狂気】からだな。名前からして狂ってるよなこれ……)


【狂気】はクラウスが颯太であったころから持っていたスキルである。

 つまり、颯太の秘められし願望を表しているものであるといえる。


【狂気】


 非覚醒状態。

 一定以上の感情の高ぶりで解放される。



(ありゃ、なるほどなるほど。感情の高ぶりって……やっぱり狂わなきゃいけないのかな……)


 日常生活で狂うようなことなどそうそうない、ということでいつか解放されるだろうと次に行く。



【神眼】


 神の眼。

 スキルのON、OFF可能。



(なにこれ……固有スキルの説明完全に役立たずじゃん。抽象的すぎてわからねえよ!!)


 一つ目に続き二つ目の固有スキルもよくわからなかったため不機嫌になるクラウス。


(よし、次行こう、次。)


【神託】


 特定の神からのお告げが下されるようになる。



(はい知ってました。これも結局発動するまでわからないやつだ)


 結局三つともまともに理解することができなかったため、若干不機嫌になりながらもため息をついた。


(さてさて、気を取り直して次行ってみよう)


 そう思い次に行こうとしたクラウスだが、時間切れのようでいつもの眠気がやってきた。

 赤ん坊である彼が眠気に耐えられるわけもなく、そのまま彼の意識は暗闇に吸い込まれるように途切れていった。








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