説明のお時間です 3
この話で説明会は終わりです。
次回から異世界編に入りますが少し書きだめをしたいと思います。
来週中に始められればいいと思っています。
膨大な量のスキルを前に颯太はどうしたものか、と悩んでいた。
リインに自由に選んでいいといわれているスキルは十個。
最初は少し多いんじゃないかと思っていたが、実際に選ぼうとすると十個では圧倒的に足りない。
欲張りなのでは、と思われるがそういうわけでもない、なぜならスキルが多すぎていろいろなものに目移りしてしまうからである。
それから二時間くらいたっただろうか、颯太がいきなりその場に座り込んだ。
「やっと決まったぁーー。いやぁーほんと大変だった」
「お疲れ様です。それではどのスキルにしたのですか?」
颯太が選んだスキルはこれだ。
【隠蔽】
偽装の発展スキル
ステータスの偽装を行うことができる
看破より上の鑑定スキルを防ぐことはできない
【千里眼】
鷹の目の発展スキル
どんなに遠くでも見通すことができる
ただし遮蔽物がある場合は不可能
スキルのON、OFF可能
【地獄耳】
聞き耳の発展スキル
どんなに遠くの音でも聞き分けることができる
ただし近くの音ほど大きく聞こえる
スキルのON、OFF可能
【気配同化】
隠密の発展スキル
自らの気配を回りに同化させることができる
スキルのON、OFF可能
【身体強化】
基本スキル
自らの身体能力を上げる
【魔力操作】
基本スキル
自らの魔力を操作することができる
【危険察知】
基本スキル
自らに襲い掛かる危険をあらかじめ察知することができる
スキルのON、OFF可能
【速読】
基本スキル
本を読み理解する速度が速くなる
【念話】
基本スキル
念じるだけで対象と会話することができる
【契約】
基本スキル
魔物と主従契約を結ぶことが出来るようになる
「この十個のスキルにするよ。それじゃあよろしく。」
ちなみに【魔力操作】や【身体強化】、【危険察知】には発展スキルもあったが、最初から習得してしまうと面白くなので、自分で習得することにしたためだ。
「ふむふむ、【魔力操作】や【身体強化】とかはわかりますよ、確かに必要なものですから。しかし、なぜ【千里眼】と【地獄耳】なんかをとってるんですか?」
「それはもちろん、趣味の人間観察のためだよ。この二つさえあれば完璧だからね」
ニヤリと笑う颯太、それを見てリインは苦笑いをするが話を続けることにした。
「それでは、情報の反映のために魂を更新したいと思います。それではまず体を消しますね」
リインがそういうと颯太の体がなくなり、真っ白い空間に来たばっかりのころの不思議状態に戻った。
「ちなみにその状態が魂だけの状態になります。では、魂の情報を更新したいと思います。かなり痛いと思いますがすぐ終わるので我慢してください」
えいっ、とリインが言うと、颯太にものすごい激痛と不快感が走った。
まるで、体中を虫がはいずりまわってるかのような不快感と脳をぐちゃぐちゃにかきまぜられているような激痛が同時にはしったのだ。
我慢できるはずもなく、颯太は声にならない叫びをあげた。
時間的に言えば、ほんの数秒のことであったが、まるで何時間もたったのではないかと思われるほど長い時間に感じられた。
「はあ、はあ……」
どうやら終わったみたいだが、あまりの痛みと不快感に思考が停止してしまっている。
「お疲れ様です。大丈夫ですか?」
大丈夫なわけあるか!!と叫びたい気持ちをぐっとこらえ颯太は笑顔を見せた。
「ああ、大丈夫だ。それじゃあこの後どうするんだ?」
「はい、それでは更新がしっかり行われているか確認するために、もう一度ステータスを開いて見せてください」
颯太は、まだほとんど働かない頭でステータスを可視化した。
名前
レベル 1
種族 人族
職業 【月夜の道化師】
魔力 100
称号 〖転生者〗〖読書家〗〖狂気願望〗〖物語を求めるもの〗
〖笑いを渇望するもの〗
加護 輪廻の神 カルナシオンの祝福(異世界)
固有スキル
【狂気】【神眼】
職業スキル
【仮面】
発展スキル
【隠蔽】【千里眼】【地獄耳】【気配同化】
基本スキル
【並列思考】【高速思考】【観察】【算術】【魔力操作】
【身体強化】【危険察知】【速読】【念話】【契約】
「おお!!なんかたくさん増えてるな。ん?なんで名前がないんだ?」
名前の欄が空白になっていることに疑問に思った颯太。
「魂の情報を更新したため、あなたの前世での情報は記憶とステータス以外消去されたんですよ。なので、今のあなたは名もなき魂ってところですね」
「なるほどな……少し寂しいな」
今まで使っていた名前がもう存在しない、霧崎颯太という人物の情報が消去された。
その事実に少し寂しさを感じていた。
「しょうがないことなんですよ。更新を行わないと転生を行えないので。
「ああ、わかった。それじゃあ気を取り直してと。このレベルっていうのは何なんだ?それに魔力が増えているんだが……」
「それでは、最後の説明をさせていただきます。レベルというのはよくあるRPGなどののそれですね。経験を積むことによって上がり、上がれば上がるほど強くなります。ちなみに上限はありません」
「なるほど、大体想像はつく。それで魔力に関してはどうして増えたんだ?」
もともと颯太の魔力は0だったのに、なぜか更新したあと100に増えているのだ。
「魔力100というのは人族に共通する初期値みたいなものです。この初期値は種族によって増えたり減ったりします」
「じゃあ100というのは少ないということか?」
「そうですね、初期値なので底辺に近いでしょう。心配しないでください、魔力は上がりますから」
「どうやったら上がるんだ?」
「まあいいでしょう。今回はサービスで教えてあげましょう」
リインのドヤ顔再来である。
颯太はイラつくのを我慢して答えを催促した。
「魔力を上げるには、大きく分けて三つの方法があります」
曰く、一つ目は、レベルを上がることによって魔力が上がるというもの。
二つ目は、幼少期に魔力を枯渇するまで使い寝る、それによって起こる超回復によってあげるというもの。
最後に、自然に成長する中で上がるというものであるらしい。
「まさかよくある超回復の設定があながち間違っていなかったとは……」
「これで説明は以上になります。お疲れ様でした。今転生のためのゲートを開きますので」
そういうと、颯太の背後に白い渦巻のようなものが現れた。
「その中に入れば転生することができます」
「わかった。いろいろありがとう。若干むかついたりもしたけど楽しかったよ」
別れを告げると颯太は渦巻のほうに向かっていった。
渦巻に入る前にもう一度リインに別れを告げようと振り返ると、リインの顔が目の前にあった。
ちゅっ
何か柔らかい感触を感じた、それがキスだとわかるまで少し時間がかかった。
「最後に私からの加護をプレゼントしました」
薄れゆく意識の中、颯太は目の前で最高の笑顔を浮かべているリインに見惚れながらも、
(ははは、いきなりキスは卑怯だぞ……)
なんてことを考えながら苦笑いをしていた。
「それでは、第二の人生を自らの赴くままに楽しんできてください」
その言葉を最後に颯太の意識は消え去った。
感想、評価等もらえるとうれしいです。




