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【特別番外編5】アンジェロ地球強制送還の危機!?菌糸迷宮のポルチーニと兎竜サルシッチャの『黄金サフランリゾット』、そしてナポリ式モカとマスカルポーネの『ティラミス』で+2000%の大逆転!

【祝・10万文字突破!特別番外編 第5弾(真のグランドフィナーレ)!】


いつもたくさんのアクセス・ブックマーク・温かい評価を本当にありがとうございます!皆様の応援のおかげでついに全編10万文字を突破いたしました!


特別番外編5では、アンジェロの無敵のピッツェリアの「唯一の盲点」を突き、アンジェロを強制的に地球(税金と家賃の地獄)へ送り返そうとする最凶の陰謀が動き出します!


約束の最高級米で作る『菌糸迷宮の皇帝ポルチーニと兎竜サルシッチャの黄金サフランリゾット』、そしてナポリ式モカエキスプレスで淹れたエスプレッソとマスカルポーネで作るイタリア菓子の王様『ティラミス(私を上に引っ張り上げて!)』が巻き起こす、全能力+2000%の奇跡をお楽しみください!


 『新ナポリ』から北へ百キロ離れた荒涼たる次元遺跡の地下深くで、七本の黒い蝋燭が不気味な炎を揺らしていた。


 その暗い祭壇を取り囲んでいたのは、かつてアンジェロによって権威と暴利を奪われた錬金術師ギルドの残党、灰岩帝国の敗残魔導士たち、そしてこの計画の首謀者である『虚無教団の大司教・クロノス』だった。




 祭壇の中央には、黒曜石と黄金で造られた禍々しい球体が浮かんでいた。


 その球体の内部で青白く渦巻いているのは、数ヶ月前、大魔導士ヴィクトルがアンジェロのピッツェリアでビリビリに破り捨てたはずの『異界帰還のスクロール』の破片だった。クロノスは時間逆行の禁術を使って王都の下水やゴミ捨て場からその紙片を一つ残らず回収し、次元の核へと再結合させていたのだ。




「……ついに完成したぞ」


 大司教クロノスが、しゃがれた声で低く笑った。


「これまで貴様らが何度もあの忌々しいナポリのピッツァ職人に敗れ去ったのは、奴を『武力』や『攻撃魔法』や『毒』で殺そうとしたからだ。奴があのピッツェリアの中にいる限り、【不可侵の聖域】の結界があらゆる敵意と攻撃を100%無効化する。さらに奴の料理を食った『白銀の暁』の四人は、今や神話の怪物並みの強さになっているからな」




「で、ではクロノス様、どうやってあのアンジェロを消し去るのですか!?」


 元錬金術師ギルドの幹部が震える声で尋ねた。「奴が新ナポリで毎日ピッツァやパスタを焼き続ける限り、我々のポーションは一本も売れず、大陸中の富と人間がすべてあの店に吸い寄せられてしまいます!」




 クロノスの黄色い瞳が、狂気の光を放った。


「いかなる絶対無敵のスキルにも、世界の法則上の『盲点』がある!」


 クロノスは次元球体を杖で軽く叩いた。


「奴のピッツェリアの結界が弾き返すのは、世界のシステムが『敵対的な攻撃』と判定したものだけだ。だが、この『異界帰還のスクロール』を改造した【故郷世界・強制送還ゲート】はどうだ? 世界の法則において、異世界から迷い込んだ迷子を元の故郷――『地球』へと送り返す魔法は、攻撃ではなく『救済と帰還の祝福』として処理される! ゆえに、奴の店の無敵結界は一切作動しない!!」




 地下遺跡に、男たちの歓喜の笑い声が響き渡った。


「今夜、新ナポリの上空からこの次元球体を起動する!」


 クロノスが両腕を広げて宣言した。「アンジェロの足元に直接『地球への強制送還ホール』をこじ開け、奴がカウンターにしがみつく間もなく元の地球へと吸い込んで、次元の扉を永久に溶接して閉ざしてくれるわ! あの料理人さえ消えれば、新ナポリなど三日で崩壊するぞ!!」




        ◇ ◇ ◇




 もちろん、そんな陰湿な連中が俺を「税金と家賃と電気代の地球」へ無理やり送り返そうと企んでいるなど、俺はこれっぽっちも知らなかった。


 なぜならその金曜日の夜、俺のピッツェリアはクリスマスイブのナポリのトリブナーリ通りみたいに、ひっくり返るほどの大騒ぎだったからだ。




 理由はシンプルだった。


 先日、2種類の『パスタ・エ・ファジョーリ』で内戦を終わらせてやった地下王国フォルナクスの若き国王から、約束通り「地下の温泉水で育てた最高級の硬質米」が何十袋も届いたのだ! 粒が大きくて透き通り、中心に豊かなデンプンが詰まったその米は、俺が地球で愛用していたイタリア最高峰のリゾット米『カルナローリ種』と瓜二つだった。




 しかも今夜は、俺が以前「本物のサフランとサルシッチャとポルチーニのリゾットを作ってやる」と宣言したのを聞きつけて、店の中央テーブルにとんでもない顔ぶれが集まっていた。


 俺の親友である剣聖レオ、タンクのゴラン、聖女エレナ、大魔導士ヴィクトルの四人。


 すっかり元気になったソフィア王女とアルデバラン国王陛下。


 さらには、黒いマントを羽織った『創世の魔王』と、ドアを通るために身長を二メートル半まで縮めた『海神ネプトゥーノ』までが同じテーブルに座り、薪窯の真ん前の特等席を巡って肘で押し合いをしていたのだ!




「おい、もう少し右へ寄れ、塩水トカゲめ!」


 創世の魔王が黄金の瞳を細めて海神を小突いた。「485℃の薪窯の正面は、最初にサルヴァトーレ爺ちゃんのオイルを味わった余の指定席だぞ!」




「何を抜かすか、地下のコウモリ野郎!」


 海神ネプトゥーノが三叉槍で床をトントンと叩いて言い返した。「わしは毎週金曜日に新鮮な魚介を届けているVIP客だぞ! お前が十センチ退かねば、お前のワイングラスの中に津波を降らせてやる!」




 厨房の中で、今や俺の頼もしい二番手シェフ(スー・シェフ)となったカイルが、真っ白なエプロン姿で顔面蒼白になりながら俺の袖を引っ張った。


「ア、アンジェロ師匠! 創世の魔王と海の神様が店内で喧嘩を始めたら、新ナポリどころか大陸が真っ二つに割れてしまいます!」




 俺は鋼鉄のパーラ(窯ベラ)で白大理石のカウンターを「パーンッ!」と一発叩き、店内の全員を黙らせた。




「おい、そこの神様と魔王! 俺の店は幼稚園じゃねぇぞコラ!」


 俺は木べらを二人の鼻先に突きつけて怒鳴った。「行儀よく首にナプキンを巻いて待ってられねぇなら、今夜はお前ら二人だけ『ぬるま湯に浸した乾パン』にするからな! 分かったら握手して座ってろ!」




「「す、すまんアンジェロ、仲良くするから乾パンだけはやめてくれ!」」


 創世の魔王と海神が、校長先生に怒られた小学生みたいに背筋を伸ばしてピシッと座り直した。




「よし、それでいい!」


 俺は満足げに頷くと、レオとゴランが今日の午後、王都の西にあるSランク危険地帯『霧森の菌糸迷宮』から狩ってきてくれたばかりの二つの極上食材へと向き直った。




 ステンレスの作業台の上に並んでいたのは、料理人なら失神するほど見事な山の宝物だった。


 一つ目は、大きな籠から溢れんばかりの『菌糸迷宮の皇帝ポルチーニ茸』。傘の直径がピッツァ皿ほどもあり、ゴランの腕くらい太くて真っ白な軸(茎)がギュッと詰まった巨大なポルチーニ茸で、森の苔とヘーゼルナッツを合わせたような芳醇な香りが厨房中に立ち込めている。


 そして二つ目は、血抜きと熟成を済ませた『森の鎧兎竜(アーマード・レプレサウロ)』の肉だった。巨大な野兎と地竜の特徴を併せ持つSランク魔物で、野性味あふれる濃厚な赤身と、黒豚のように甘くて香り高い真っ白な脂身を兼ね備えている。




「アンジェロ師匠」と大魔導士ヴィクトルが眼鏡を押し上げて言った。「王都の文献によれば、その『鎧兎竜』は背中のヒレ肉以外は筋と脂が多すぎて硬く、また『皇帝ポルチーニ』も、貴族の料理人たちは一番上の傘の綺麗な部分だけを切り取って、下の太い軸(茎)や傘の裏のスポンジ部分は『食感が悪いゴミ』としてすべて捨ててしまうそうですぞ」




 俺のこめかみに、いつもの青筋がビキッと浮き出た。


「ポルチーニの太い軸と、兎竜の肩肉やバラ肉をゴミ箱に捨てるだと!?」


 俺は分厚い肉切り包丁(マンナイア)を握りしめて吠えた。「だからこの世界の料理人どもは、いつまで経っても本物の『リゾット』が作れねぇんだよ! カイル、包丁を持て! 今夜はこいつら全員に、俺が約束していたイタリア料理の黄金――『菌糸迷宮の皇帝ポルチーニと兎竜サルシッチャの黄金サフランリゾット』を見せてやるぞ!」




「はいっ、アンジェロ師匠!」とカイルが目を輝かせて頷いた。




 ■【工程1:ゼロ・ウェイストの極意――骨とポルチーニの軸の黄金出汁(ブロード)&手切りサルシッチャ】


 俺の厨房では、1グラムたりとも食材を無駄にはしない。


 俺はまず、誰もが捨てる『鎧兎竜の太い骨』を肉切り包丁の峰で叩き割り、485℃の薪窯の入り口で十分間香ばしくローストしてメイラード反応を引き起こした。


 それを沸騰した湧き水の大寸胴に投入し、そこへ貴族の料理人たちが捨てていた『皇帝ポルチーニの極太の軸(茎)の切れ端と傘の裏の管孔(スポンジ部分)』、玉ねぎの茶色い外皮、セロリの葉、パセリの茎、そして『24ヶ月熟成パルミジャーノ・レッジャーノの硬い皮』を丸ごと放り込んで煮出した!




 三十分後、【ゼロ・ウェイストの錬金術】が発動した寸胴の中で、ポルチーニの軸のグアニル酸と、兎竜の骨髄およびチーズの皮のグルタミン酸が融合し、琥珀色に輝く『山の黄金ブロード(出汁)』が完成した。その香りだけで、テーブルのゴランと魔王がよだれを垂らして悶絶している。




 その間に、俺とカイルは「筋や脂が多いから」と捨てられるはずだった『鎧兎竜の肩肉・首肉・腹バラ肉』をまな板の上に広げた。


 ミンチ機で潰して肉の繊維を壊したりはしない。赤身7割・白い脂身3割の黄金比で、二本の包丁を使ってトントンと『包丁の切っ先による手切り(プンタ・ディ・コルテッロ)』で粗い粒状に叩き上げていく!


 そこに天然海塩、粗挽きの黒胡椒、少量の白ワイン、そして山の香りを爆発させる『野生のフェンネルシード(ウイキョウの種)』をたっぷりと練り込んだ――これぞナポリ伝統の自家製生ソーセージ『サルシッチャ』だ!




 ■【工程2:リゾットの鉄則(米は絶対に洗うな!)とサフランの魔法】


 俺は熱伝導率の高い大きな銅製の浅鍋(カッセローラ)を用意し、その横にフォルナクス産の最高級米を山盛りに置いた。


 すると、弟子のカイルが真面目な顔でザルを手に取り、「師匠、まずお米を水で綺麗に洗ってきます!」と言った。




「待てコラァッ!! その米に水を一滴でもかけたら破門にするぞ!!」


 俺が雷のような声で怒鳴ると、カイルだけでなくレオや海神までビクッと飛び上がった。




「全員よく聞いておけ! 本物のイタリアのリゾットを作る時の絶対の掟・第1条――『リゾットの米は、絶対に水で洗ってはならない』!!」


 俺は米粒を指先でつまんで見せた。「お前ら、もしこの生米を水で洗ったら、米の表面にくっついている一番大事な『天然のデンプンの粉』が全部水に流れて消えちまうだろ! あのデンプンこそが、後でブロードとチーズと出会って極上のクリームに変わる命なんだよ!」




 俺はまず別のフライパンで、厚切りにした『皇帝ポルチーニの傘』をオリーブオイルと潰したニンニクで2分間だけ強火でソテーし、香ばしい焼き色をつけて取り出しておいた。


 そしてメインの銅鍋に少量のオイルを引き、極限まで細かく刻んだ玉ねぎと、先ほどの『兎竜の手切りサルシッチャ』をほぐしながら炒める。サルシッチャからフェンネルの香りが移った極上の脂が溶け出したところで、一度サルシッチャの身だけを網杓子で取り出し――その熱々の脂が残る鍋の中へ、洗っていない『生の米』を直接ザーッと投入した!




 ――ジュワァァァァァッ!!




「これが第2の掟、『トスタトゥーラ(米の乾煎り)』だ!」


 俺は木べらで米を絶えず動かしながら、強めの中火で2分間じっくりと米を炒めた。


「こうやって最初に熱い脂で米の表面をコーティングして焼き締めることで、16分間煮込んでも米粒が絶対にベチャベチャに煮崩れず、中心に完璧な芯(アル・デンテ)を残したまま、外側のデンプンだけを溶かし出すことができるんだ!」




 米の縁が透き通り、手で触れないほど熱くなった瞬間、俺は辛口の白ワインをグラス一杯注ぎ入れた。


 ジュワッと白ワインのアルコールが蒸発し、爽やかな酸味だけを米に残す。


 そこから、俺の16分間の真剣勝負が始まった。




 隣でグラグラと沸騰させ続けている『ポルチーニの軸と兎竜の骨の黄金ブロード』を、一度に全部入れたりはしない。『お玉一杯分ずつ』米の上から注ぎ入れ、米がブロードを吸い込んだらまた次のお玉一杯を足し、木べらで優しく米と米をこすり合わせるようにマッサージしてデンプンを引き出していくのだ!




 そして開始から8分目。


 俺は温かいブロードに浸しておいた『最高級サフランの赤い雌しべ(ピスティッリ)』を、抽出液ごと鍋の真ん中へと注ぎ入れた!


 その瞬間、銅鍋の中の白い米が、まるでナポリの太陽をそのまま溶かし込んだかのような、まばゆいばかりの『黄金色』へと一気に染まった!


 仕上げの3分前に、取り出しておいた『兎竜のサルシッチャ』と『皇帝ポルチーニのソテー』を鍋へと戻し入れ、山と森と太陽の全ての旨味を米の一粒一粒へと吸い込ませていく!




 ■【工程3:火を止めてからの『マンテカトゥーラ・アッロンダ(波打つ乳化)』!】


 きっちり16分目。米の中心に髪の毛一本分の心地よい歯ごたえが残った瞬間、俺は『コンロの火を完全に止めて』、銅鍋を冷たい大理石の上へと移した。




「さあ、ここからがリゾットの魂――『火を止めてからのマンテカトゥーラ』だ!」


 俺は【無限業務用冷蔵庫】のマイナス18℃の冷凍室から取り出したばかりの『カチカチに凍った水牛の発酵バターの塊』を3つ、そして削りたての『24ヶ月熟成パルミジャーノ・レッジャーノ』を両手いっぱいに鍋の中へと放り込んだ!




「熱々のリゾットの中に『氷のように冷たいバター』を入れることで、激しい温度差(サーマルショック)が起き、油分と水分と米のデンプンが分離せずに、生クリーム以上のシルクのクリームへと一気に乳化するんだ!」




 俺は銅鍋の両取っ手をガッと掴むと、木べらを使わず、手首と腰のスナップを効かせて鍋全体を前後に激しく揺すり始めた!




 ――チャッ、チャッ、チャッ、チャッ!!




 銅鍋の中で、黄金色のリゾットがまるで『海の波(アッロンダ)』のように美しく宙を舞って折り返し、空気をたっぷりと含みながら、鏡のように艶やかでとろりとした黄金のクリームへと変わっていく!


 そして盛り付ける直前、俺は485℃の薪窯から真っ赤に燃える『樫の熾火(おきび)』をトングで一つ掴み、鍋の上の『新鮮なローズマリーの枝』に押し当てて白い香りの煙を立たせ、鍋の蓋を閉めて30秒間だけスモーク香を閉じ込めた!




「お待たせ! 約束の一皿――『菌糸迷宮の皇帝ポルチーニと兎竜サルシッチャの黄金サフランリゾット』だ! 熱いうちに食え!」




 俺が平皿の上にリゾットを盛り付けると、リゾットは山にならず、理想的な『アッロンダ(波打つ状態)』で皿一面にサラリと黄金の絨毯のように広がった。


 蓋を開けた瞬間、サフランの気高い香りと、皇帝ポルチーニの濃厚な森の芳香、フェンネルが香る兎竜サルシッチャの肉汁、24ヶ月熟成パルミジャーノのコク、そしてローズマリーのスモーク香が店内で大爆発を起こした!




 レオ、ゴラン、エレナ、ヴィクトル、アルデバラン国王、ソフィア王女、そして創世の魔王と海神ネプトゥーノが、一斉にスプーンで黄金のリゾットをすくい上げ、口へと運んだ。




 ――パァァァァァンッ!!




 言葉を失った八人の背後で、快感のあまり魔力と神気が黄金の花火のように弾けた!


「な、なんだこの食べ物はァァッ!?」


 創世の魔王が両手で頭を抱えて絶叫した。「米を一粒も洗わずに乾煎りしたおかげで、一粒一粒が口の中でプリッと弾けるのに、その周りをサフランとチーズと冷たいバターが作った『黄金のビロード』が包み込んでおる! しかも、捨てられるはずだったポルチーニの軸と骨で取った出汁が米の芯まで染み込み、手切りの兎竜サルシッチャの脂とポルチーニの傘を噛み締めた瞬間、森と太陽の生命力が脳髄を直接殴りつけてくるぞ!!」




「美味い……美味すぎるぞアンジェロォォッ!!」


 海神ネプトゥーノも涙を流しながら夢中でスプーンを動かし、最後は魔王と競い合うように『パーネ・カフォーネ』をちぎって、皿の上の黄色いサフランクリームを鏡のようにピカピカになるまでスカルペッタ(拭い取り)して食べ尽くした!




        ◇ ◇ ◇




「はぁぁ……もう今すぐ死んでも悔いがないくらい幸せだぜ……」


 タンクのゴランが幸せそうにお腹をさする隣で、幼いソフィア王女がキラキラした青い瞳で俺を見上げた。




「ねえ、アンジェロおじ様! リゾット、一生忘れられないくらい美味しかったわ! でもね……おじ様の故郷のパーティーでは、こんなにご馳走を食べた一番最後に、甘い『ドルチェ(デザート)』が出るって聞いたんだけど……本当?」




 その言葉に、創世の魔王と海神ネプトゥーノ、そしてエレナの耳がピクリと動いた。


「な、なんだと!? アンジェロが作る『甘い菓子(ドルチェ)』が存在するのか!?」




 俺は隣のカイルと顔を見合わせ、ニヤリと大きく笑った。


「当たり前だろ! 新ナポリの平和記念パーティーを、コーヒーとドルチェなしで終わらせるわけがねぇだろ! いいか、今夜お前らに食わせてやるのは、イタリア中の全てのドルチェの頂点に君臨する絶対王者――ナポリ式モカで淹れたエスプレッソとマスカルポーネで作る本物の『ティラミス(Tiramisù)』だ!!」




 俺は進化した【白き芸術の無限食材庫・極】の奥から、八角形をした銀色の金属製ポット――『ナポリ式モカエキスプレス(マキネッタ)』を4台と、極上の食材を取り出した。




 ■【工程1:黒い黄金――ナポリ式モカで淹れる極上カフェ】


 俺はモカの下のタンクに純粋な湧き水を安全弁の下まで注ぎ、漏斗状のフィルターをセットすると、そこに深煎りで挽きたての『ナポリ伝統ブレンドのコーヒー粉』を、押し固めずに山盛りに詰めて上のポットをねじ込んだ。


 それを弱火にかけること3分。




 ――コポコポ……シュゴォォォォッ!




 蒸気圧によって下から押し上げられた熱湯がコーヒーの層を突き抜け、上のノズルから、ヘーゼルナッツ色の細かい泡(クレマ)を纏った「夜のように黒く濃厚な液体」が噴き出してきた!


 その瞬間、この異世界の誰一人として嗅いだことのなかった『本物の焙煎エスプレッソコーヒーの香ばしく芳醇でほろ苦い香り』が店内に広がり、ヴィクトルも魔王も「な、なんだこの脳が覚醒するような神聖な香りは!?」と背筋を震わせた。




 ■【工程2:マスカルポーネ、卵、砂糖、生クリーム(パンナ)の天国のクリーム&サヴォイアルディ】


 モカで淹れた濃いコーヒーを広いバットに移して冷ましている間に、俺とカイルは世界一魅惑的なクリームを作り上げた。


 ボウルに新鮮な『卵黄』と『砂糖』を入れ、白っぽくもったりとしたリボン状になるまで泡立て器で徹底的に空気を含ませながら撹拌する。


 そこに、雪のように真っ白で濃厚な『フレッシュ・マスカルポーネチーズ』を少しずつ加えて滑らかに合わせ、さらに――口に入れた瞬間に雲のようにふわっと溶ける極上の軽さを生み出すため、別のボウルで七分立てに柔らかく泡立てた『新鮮な生クリーム(パンナ)』を加え、ゴムベラで底からすくい上げるように優しくさっくりと混ぜ合わせた!




 そして大きな四角いガラスの深皿を二つ用意する。


 俺は軽く焼き上げられた伝統のフィンガービスケット『サヴォイアルディ』を手に取り、ナポリ式モカのコーヒー液に「表裏合わせてわずか2秒」だけサッとくぐらせた!(浸しすぎたらビスケットが水っぽく崩れる。外側はエスプレッソを吸い込み、中心にわずかにビスケットの食感を残すのがプロの技だ!)




 コーヒーを吸ったサヴォイアルディを器の底に隙間なく敷き詰め、その上から『マスカルポーネと卵と砂糖と生クリームの黄金色の特製クリーム』をたっぷりと流し込む。


 その上に二段目のサヴォイアルディを並べ、再び残りのクリームで表面を美しく平らに覆い尽くすと、最後に細かい茶こしを使って、最高級の『無糖カカオパウダー』をビロードの絨毯のようにたっぷりと振りかけた!




「さあ、これが本物の『ティラミス』だ!」


 俺は完成したばかりの二つの大きなティラミスの器をテーブルの真ん中に置き、レオ、ゴラン、エレナ、ヴィクトル、カイル、アルデバラン国王、ソフィア王女、創世の魔王、そして海神ネプトゥーノの全員にスプーンを配った。




「スプーンを入れる前に、一つだけ教えておいてやる」


 俺はエプロンに手を当てて、誇らしげに言った。


「なんで俺の故郷の言葉で、このドルチェが『ティラミス(Tiramisù)』って呼ばれてるか知ってるか? イタリア語の3つの言葉――『Tira(引っ張れ)』『mi(私を)』『sù(上へ)』が合体した名前なんだ! つまり直訳すると『私を上に引っ張り上げて!』『私を元気づけて!』っていう意味だ! 人間が疲れ果てて地の底に沈みそうな時でも、ナポリ式モカの強烈なカフェインの力と、マスカルポーネと卵と砂糖と生クリームの優しい甘みが一つになれば、魂ごと天国までグイッと引っ張り上げてくれる……だから『ティラミス』って呼ぶんだよ!」




「『私を上に引っ張り上げて』……なんて素敵で力強い名前なの!」とソフィア王女が目を輝かせ、全員がゴクリと唾を飲んでティラミスにスプーンを伸ばそうとした。




 ――まさに、そのコンマ一秒後だった。




 ――ズガァァァァァァァンッ!!!




 ピッツェリアの屋根の上の夜空が、前触れもなく真っ二つに裂けた!


 次の瞬間、店の天井を突き抜けて「白と黒の極太の光の柱」が降り注ぎ、俺の【伝統のナポリピッツェリア(不可侵の聖域)】の無敵結界に一切阻まれることなく、カウンターの後ろに立っていた俺の全身を直撃したのだ!




 見上げた天井の向こう、夜空に浮かぶ魔導浮遊艇の上で、次元球体を掲げた『虚無教団の大司教クロノス』と七人の帝国魔導士たちが狂ったような高笑いを上げていた。




『フハハハハハ!! 終わりだ、新ナポリのピッツァ職人アンジェロよ!! 貴様の店の無敵結界は敵の攻撃しか防げまい! これは世界の法則そのものを利用した救済の禁術――【故郷世界・強制送還ゲート】だ!! 今この瞬間、貴様を元の故郷『地球』へと強制送還し、次元の扉を永久に閉ざしてくれるわ! 永遠にさらばだァァッ!!』




 ――ゴォォォォォォォンッ!!




 俺の足元のタイルの床が消滅し、底知れぬ重力を放つ『黒銀色の次元の渦(ブラックホール)』が口を開けた!


「う、うわあああああっ!?」


 一歩も動く暇すらなかった。凄まじい吸引力が俺の両足を掴み、俺の体は一瞬にして腰まで次元の穴の中へと引きずり込まれた!


 俺は間一髪で、目の前にあった重さ五百キロの『カラーラ産白大理石のカウンター』の縁に両手で必死にしがみついたが、下半身はすでに異次元のトンネルの中へと宙吊りになっていた!




 俺はバタバタと暴れる自分の両足の向こう――次元の穴の底に映し出された『地球の光景』を見て、全身の血が凍りついた。




 穴の向こう側には、冷たい雨が降る地球の灰色のアスファルトが見えた。


 そして、そこにあった郵便受けには『税務署からの赤い督促状』『毎月三十万円の業務用電気代とガス代の請求書』『値上げされた店舗の家賃契約書』『インボイスと確定申告の書類の山』がギッシリと詰まっていたのだ!!




「いやあああああああああああっ!!!」


 俺はこれまでドラゴンを見ても魔王を見ても出したことがないほどの、心の底からの絶叫を上げた。


「ぜ、税務署だァァッ!! 電気代とガス代と家賃と消費税が俺を呼んでるゥゥッ!! 嫌だァァッ、俺は絶対に地球になんか帰らねぇぞォォォッ!! 誰か俺を引っ張り上げろォォォッ!!」




「アンジェロ師匠ォォッ!!」


 レオ、ゴラン、カイル、さらには創世の魔王と海神ネプトゥーノが、俺の腕を掴もうとカウンターへ飛びかかった。


 だが――ドゴォンッ!!


 強制送還ゲートの周囲に発生している「宇宙法則の重力斥力壁」が、五人の体を強烈に弾き飛ばし、テーブルの後ろまで吹き飛ばしたのだ!




「く、くそっ、近づけん!」


 創世の魔王が床に片膝をついて呻いた。「これは攻撃魔法ではなく、宇宙の座標修正の法則そのものだ! 我らの通常の力では、あの重力壁を突破してアンジェロの手を掴むことができんぞ!!」




 その間にも、次元の穴の吸引力は3倍、5倍へと跳ね上がった。


 俺の胸までが穴に吸い込まれ、白大理石のカウンターを掴んでいた俺の小麦粉まみれの両手から、指が一本、また一本と滑り落ちていく!


 残り五本……四本……右手の中指と人差し指の二本だけになった! あと三秒で俺の指が外れ、税金と家賃の地球へ真っ逆さまに落ちてゲートが永久に閉じてしまう!




 俺は重力風に阻まれて前に進めないレオ、ゴラン、カイル、魔王、海神たちの顔を見渡し、そして――彼らのすぐ横のテーブルの上で、まだ一口も食べられずに置かれている『ティラミス』の大皿を見て、肺が破れるほどの大声で吼えた。




「――おいお前ら、手ぶらで何やってんだこの大馬鹿野郎どもがァァッ!! 目の前の『ティラミス』を今すぐ食えェェェッ!! あの空の上のクソ坊主に、なんでそのドルチェが『ティラミス(私を上に引っ張り上げて!)』って名前なのか教えてやれ! それを食って、俺をこの税金の穴から引っ張り上げろォォォォォッ!!」




 その瞬間、全員の目に電撃が走った。


 レオ、ゴラン、エレナ、ヴィクトル、弟子のカイル、アルデバラン国王、ソフィア王女、創世の魔王、そして海神ネプトゥーノの九人が、同時にテーブルの『ティラミス』にスプーンを突き立て、山盛りの一口を口の中へと放り込んだ!!




 ナポリ式モカエキスプレスで淹れた『熱くほろ苦いエスプレッソ』をたっぷり吸い込んだサヴォイアルディと、『マスカルポーネ、卵黄、砂糖、そしてふんわり泡立てた生クリーム(パンナ)』の天国のクリーム、そしてビターなカカオパウダーが九人の舌の上で溶け合った瞬間――。




 世界の時間が、ピタリと止まった。




 モカのエスプレッソの鮮烈な苦味と覚醒のカフェインが脳髄を稲妻のように駆け抜け、その直後、マスカルポーネと卵と生クリームの濃厚で優しく甘いベルベットのような包容力が、九人の全身の細胞と魔力回路を極限まで奮い立たせた!


 「大好きな料理人を絶対に失いたくない」という九人の願いと、イタリアが誇る最高のドルチェの魂が共鳴し、宇宙の法則そのものをねじ曲げる奇跡のウィンドウが爆発した!




【最終神話級ユニークスキル覚醒:『真・ティラミス(Tira-mi-sù/私を上に引っ張り上げて!)の奇跡』!!】


【効果:ナポリ式モカのエスプレッソとマスカルポーネの究極の調和により、食べた者すべての肉体・精神・魔力・神気を天へと引き上げる! 30分間、全員の全能力および物理・魔力出力が『+2000%(20倍)』へと次元突破しました!!】




 ――ドゴォォォォォォォォォンッ!!!




 ピッツェリアの屋根を突き破り、黄金色とエスプレッソ色の混ざり合った神話級の光の柱が夜空の成層圏まで噴き上がった!


 全能力が【+2000%(20倍)】に跳ね上がったレオ、ゴラン、カイル、ヴィクトル、エレナ、魔王、海神にとって、先ほどまで一歩も近づけなかった強制送還ゲートの重力壁など、もはや春のそよ風と同じだった!




 俺の最後の指二本が白大理石のカウンターからツルッと外れ、俺の体が地球の税務署に向かって落下し始めた、まさにそのコンマゼロ一秒――!




 ――ガシィィィィィッ!!!




 剣聖レオ、タンクのゴラン、弟子のカイル、大魔導士ヴィクトル、創世の魔王、そして海神ネプトゥーノの「六本の鋼の腕」が、重力壁を紙くずのように突き破り、俺の両手首とエプロンを上からガッチリと鷲掴みにしたのだ!!




「「「俺たちのアンジェロ師匠を、地球なんかへ連れて行かせてたまるかァァァッ!!」」」


 レオとカイルと魔王たちの目が、+2000%の黄金の光に燃え上がった。


「「「行くぞ野郎ども! せーのっ――ティ・ラ・ミ・スゥゥゥゥゥゥゥッ(上に引っ張り上げろォォォッ)!!!」」」




 ――ズバァァァァァァァンッ!!!




 +2000%の怪力が爆発した!


 六人が一斉に腕を引き上げた瞬間、俺の体はロケットのように次元の穴からスポンッ!と上へ引っ張り上げられ、カウンターの後ろへ無傷で着地しただけではない!


 なんと余りある+2000%の物理パワーによって、レオと魔王と海神の腕が『地球への強制送還ゲートそのもの』を素手で掴み上げ、雑巾でも絞るようにバキバキバキッ!と空間ごと真っ二つに引きちぎって粉砕してしまったのだ!!




 夜空の魔導浮遊艇の上で、手元の次元球体が木っ端微塵に破裂したのを見た大司教クロノスが、白目を剥いて絶叫した。


『ば、馬鹿なァァッ!? 宇宙の帰還法則そのものである次元の穴を、ただのスポンジケーキとクリームを一口食っただけで素手で引きちぎっただとォォッ!?』




 俺はカウンターの後ろで立ち上がると、テーブルの上の皿から自分でも『ティラミス』を大さじ一杯すくって口へ放り込んだ。


 モカのエスプレッソの香りと、マスカルポーネと卵と生クリームのとろける甘みが全身を駆け巡り、俺自身の力も一瞬で+2000%へと沸騰する!




 俺は右手に485℃に白熱した【インフェルノ・パーラ(焦熱地獄の窯ベラ)】を引っ掴むと、レオ、ゴラン、カイル、エレナ、ヴィクトル、魔王、海神と一緒にピッツェリアの屋根の上へと飛び上がった。




「てめえ、よくもデザートの最中に、俺を家賃と電気代と税金のある地球へ送り返そうとしてくれたな、このハゲ司教がァァッ!!」


 俺が燃え盛る窯ベラを振りかぶると、隣で+2000%のオーラを纏った仲間たち全員が武器と魔力を構えた。


「野郎ども、新ナポリのドルチェタイムを邪魔した奴がどうなるか、きっちりお会計を済ませてやれ!!」




「「「+2000%・ティラミス合体奥義――地獄の底まで飛んでいけェェェッ!!!」」」




 ――ドゴォォォォォォォォォンッ!!!




 レオの聖剣、ゴランの盾撃、ヴィクトルとエレナの極大魔導、海神の三叉槍、魔王の黒雷、カイルの投げた鋼のフライパン、そして俺の485℃の【インフェルノ・パーラ】が一つに合わさり、直径一キロにも及ぶ黄金の光の奔流となって夜空の魔導浮遊艇を直撃した!


 大司教クロノスと悪徳魔導士たちは「や、やめてくれぇぇっ!!」という悲鳴とともに成層圏の彼方へと吹き飛ばされ、夜空にキラリと光るただの星くずとなって消え去った。




        ◇ ◇ ◇




 新ナポリの夜空に再び穏やかな星空が戻ると、俺たちはピッツェリアの店内へと降り立った。


 俺は真っ先に厨房へ駆け込み、485℃でパチパチと燃える愛しの銅張りの薪窯と、カラーラ産の大理石カウンターに抱きついて頬ずりをした。




「っしゃあああああっ!! これで未来永劫、家賃もゼロ、電気代もゼロ、税金もゼロだァァッ!! ティラミス万歳! 新ナポリ万歳だぜ!!」




 俺が両拳を突き上げて叫ぶと、レオ、ゴラン、エレナ、ヴィクトル、カイル、アルデバラン国王、ソフィア王女、そして創世の魔王と海神ネプトゥーノが、腹を抱えて大爆笑した。




 だが、その時だった。


 カウンターの後ろで小躍りしていた俺の右足が、タイルの床の上に落ちていた「何か」をコツンと蹴飛ばした。




「ん……? なんだこりゃ?」


 俺は床を見下ろして目を丸くした。


 そこには、さっきレオと魔王と海神が『地球への強制送還ゲート』を素手で引きちぎって粉砕した瞬間、次元の逆流によって地球側の俺の古いアパートの玄関先から吸い上げられ、この厨房の床へと吐き出された「二つの落とし物」が転がっていたのだ!




 一つ目は、濡れた赤い封筒に入った『地球の税務署からの督促状と、三十万円の電気・ガス代の請求書の束』。


 そして二つ目は――地球の契約農家の親父が俺の店の裏口に届けてくれていた、ゴツゴツとした分厚い黄金色の皮を持つ巨大なレモンの木箱『本場ソレント産の最高級レモン(一箱まるごと)』と、三本の『純度96度のイタリア製スピリッツ(醸造アルコール・ブオングスト)』だった!!




「おおおっ!? ソレントの黄金レモンと、96度のスピリッツじゃねぇか!!」


 俺は歓声を上げてレモンの木箱を抱き上げ、鼻を近づけた。ナポリ湾の太陽と潮風をたっぷり浴びて育った、目の覚めるような爽やかで濃厚な柑橘の香りが厨房いっぱいに広がる!


 そして俺は、床に落ちていたもう一つの落とし物――『地球の税務署の督促状と請求書の束』を拾い上げると、ニヤリと笑って鋼鉄のパーラ(窯ベラ)の先端に乗せ、485℃の薪窯の炎のど真ん中へとそのまま放り込んだ!




 ――ボフッ!! パチパチパチッ!!




 地球の税金と請求書はコンマ五秒で明るいオレンジ色の炎となって燃え上がり、俺の薪窯の温度をさらに力強く押し上げる最高の「焚き付け(着火剤)」へと変わった!


「ハッハッハ!! 見ろよお前ら、地球の請求書が初めて世の中の役に立ったぞ! 485℃の薪窯の最高の燃料だぜ!」




 店内にさらなる爆笑が巻き起こる中、俺は『無限業務用冷蔵庫』からしっかり冷やしておいた二皿目の巨大な『ティラミス』を取り出し、コンロの上に再び4台の『ナポリ式モカエキスプレス』を並べて火にかけた。




 その横では、弟子のカイルが一回目のモカエキスプレスのポットを分解し、フィルターの中に詰まっていた『抽出後の湿ったコーヒー粉(出し殻)』をバットに空けながら、目を輝かせて俺に尋ねた。


「アンジェロ師匠! うちの厨房では何ひとつ無駄にしないんですよね! この使い終わったモカのコーヒーの粉も、ビスケットか何かの生地に練り込んでお客さんに出しますか!?」




 俺は木べらの柄で、カイルの頭を「コツン!」と軽く小突いた。


「バカ野郎! いいかカイル、『食材を無駄にしない(ゼロ・ウェイスト)』っていうのはな、何でもかんでも客の口に放り込めばいいって話じゃねぇんだよ!」


 俺はフィルターから出たばかりのモカの出し殻を指差して、プロの料理人としての鉄則を叩き込んだ。




「モカエキスプレスで高温の蒸気を通して極限まで抽出した後のコーヒーの出し殻はな、すでに旨味も甘いオイルもすべてエスプレッソの中に捧げ尽くした後の『木の繊維』だ! そんなザラザラして渋い出涸らしを菓子に混ぜて客に出してみろ、舌触りが悪くて最高のドルチェが台無しになる! 本物のシェフはな、『人間が食べて最高に美味いもの』と『食べずに厨房の裏方として100%活かすもの』を絶対に履き違えたりしねぇんだ!」




「は、はいっ! すみません師匠! じゃあ、このコーヒーの出し殻はどうやって活かすんですか!?」


「見てろ!」


 俺は湿ったコーヒーの出し殻を広い鉄の天板の上に薄く平らに広げると、485℃の薪窯の入り口の「余熱エリア」に5分間だけ入れて、水分を完全に飛ばしてサラサラの乾燥パウダーにした。


 そしてそれを、小さな素焼きのテラコッタの器六個に山盛りに入れ、俺たちの【無限業務用冷蔵庫】の扉を大きく開け放った!




「どれだけ清潔にしていてもな、プロの大型冷蔵庫の中には海神ネプトゥーノが持ってくる深海魚や、熟成中の魔物の肉、ニンニク、そして強いチーズの匂いがこもる。そのままにしておけば、せっかくのフレッシュな水牛バターやマスカルポーネに魚の匂いが移っちまうんだ!」


 俺は冷蔵庫のそれぞれの棚の隅に、乾燥させた『モカのコーヒー出し殻の器』を一つずつ配置していった。


「だがな、こうやって抽出した後に乾燥させたコーヒーの出し殻には、目に見えない無数のミクロの穴が空いていて、市販の活性炭を遥かに凌駕する『最強の天然脱臭剤(消臭剤)』になるんだよ! こいつを冷蔵庫に入れておくだけで、魚の生臭さもニンニク臭も100%吸い取って消してくれる上に、冷蔵庫を開けるたびにほのかな焙煎コーヒーの清潔な香りが漂うんだ!」




「す、凄いです師匠!! 一週間冷蔵庫の匂いを吸い取った後はどうするんですか!?」


「一週間経ったら、薪窯の白い灰と混ぜて『天然の研磨クレンザー』にして、油汚れのついた銅鍋や鉄板を磨けば鏡みたいにピカピカになる! さらに残った分は、屋上の家庭菜園の土に混ぜてやれば、ナポリのバジルとトマトを育てる最高の有機肥料になるんだ。――これが本物のプロの厨房の『ゼロ・ウェイスト』だ、よく覚えておけ!」




「おおおっ……! 食べられない出し殻一つで、冷蔵庫の品質管理から銅鍋磨き、バジルの栽培まで完璧に循環させるとは……!」と大魔導士ヴィクトルが感嘆の声を上げてメモを取った。




「さあ、そしてここからが今夜の本当のフィナーレだ!」


 俺はニヤリと笑い、さっき地球への次元の穴から転がり落ちてきた『本場ソレント産の巨大黄金レモン』の木箱と、『純度96度のスピリッツ』のボトルをカウンターの真ん中にドンと置いた!




 ■【工程4:氷点下18℃の黄金の罠――『本場ソレントのリモンチェッロ(アンマッツァカフェ)』と神々の大泥酔大会!】


 俺は鋭いペティナイフを手に取り、ソレント産の巨大レモンの一番外側の『黄色い皮(フラヴェード)』だけを、苦味のある内側の白いワタ(アルベード)が1ミリも入らないように紙のような薄さで鮮やかに剥き取った。


 その香り高い黄色い皮を純度96度のスピリッツに漬け込み、【白き芸術の無限食材庫・極】の『時間加速熟成』を30秒間発動させてレモンの精油(エッセンシャルオイル)と黄金の色素を100%抽出! そこに湧き水と砂糖のシロップを合わせ、背の高いガラスボトルとショットグラスに入れて、【無限業務用冷蔵庫】の『マイナス18℃の急冷庫』でキンキンに冷やし固めた!




 もちろん、皮を剥かれた「丸裸のレモン」も1グラムたりとも無駄にはしない。


 果汁と果肉をすべて絞り出し、半分はお酒の飲めない幼いソフィア王女のために、森のハチミツと氷を合わせた爽やかな『ソレントレモンの氷菓(グラニータ・アル・リモーネ)』に仕上げ、もう半分は発酵生地で焼き上げたナポリ伝統のキノコ型スポンジケーキにたっぷりと染み込ませた『ババ・アル・リモンチェッロ』にした!




「お待たせ! 2皿目のティラミスと熱いモカコーヒーの後に捧げる、ナポリの宴の最終兵器――氷点下18℃の黄金『リモンチェッロ(アンマッツァカフェ)』だ!!」




 俺が真っ白な霜をまとった黄金色のボトルをテーブルに置き、全員の小さな冷凍グラスに注ぎ分けると、液体はマイナス18℃でもアルコール度数が高いために凍らず、まるで黄金のシルクのシロップのようにとろりとグラスを満たした。


 その瞬間、ソレントの太陽をそのまま凝縮したような鮮烈で爽やかなレモンの香りが店内に弾け飛んだ!




「この酒はな、イタリアじゃ『アンマッツァカフェ(コーヒー殺し)』って呼ばれてる食後酒だ! こいつを最後にキュッと飲むと、口の中のコーヒーの苦味も食事の脂もすべて爽やかに洗い流されて、胃袋がスッキリと生まれ変わる!」


 だが俺は、グラスに手を伸ばすレオや魔王たちの前に人差し指を立てて、真剣な顔で警告した。


「ただし、絶対に一気にガブ飲みするなよ! いいか、このリモンチェッロはマイナス18℃に冷やしてある上に、ソレントレモンの香りと砂糖の甘みが強いから、舌の上ではアルコールの強さをまったく感じない! だがベースは『純度96度のスピリッツ』だ! ジュースだと思って飲むと、5分後に全員床の上で伸びることになる『悪魔の黄金水』だからな、少しずつ舐めるように――」




「「「ガッハッハッハッハ!! 何を言うかアンジェロよ!!」」」


 俺の忠告が終わる前に、創世の魔王と海神ネプトゥーノ、そしてタンクのゴランが豪快に笑い飛ばした!




「余を誰だと思っておるのだ!」


 創世の魔王は小さなグラスではなく、なんとボトルごと氷点下18℃のリモンチェッロを鷲掴みにした!「余は三千年間、魔界の猛毒の酒を水代わりに飲んできた創世の魔王であり、しかも今は貴様のティラミスで全能力が+2000%に強化されておるのだぞ! こんな甘くて黄色いレモン水ごときで酔っ払うわけがなかろうが!」




「その通りだ、わしは海の神だぞ! 乾杯(チン・チン)だァァッ!!」


 海神ネプトゥーノ、ゴラン、剣聖レオ、アルデバラン国王、大魔導士ヴィクトル、そして聖女エレナまでもが、俺の制止を振り切って氷点下18℃の『黄金リモンチェッロ』をグラスで三杯、四杯と立て続けに喉の奥へと流し込み、さらにリモンチェッロがたっぷり染み込んだ『ババ』まで頬張った!




 ――ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……プハァァァァッ!!




「おおおっ!? あ、甘い! 冷たくてトロトロで、本当にただの美味しいレモンジュースじゃないか!」


 ゴランが目を輝かせて五杯目を飲み干した。「喉を通る時は氷のシルクみたいに滑らかで、鼻から太陽の香りが抜けていくぞ! アンジェロ、こんなの酒のうちに入らねぇ、もう一本持ってこい!」




「本当ですわ、甘くて爽やかで、いくらでも飲めてしまいます!」と聖女エレナもニコニコしながら四杯目を空にした。




 カウンターの後ろで、俺と弟子のカイルは無言で顔を見合わせ、指を三本立ててカウントダウンした。


 ――3……2……1……ゼロ。




 マイナス18℃に冷やされていた高濃度のリモンチェッロが、彼らの胃袋の中で体温によって37℃に温められ、純度96度のスピリッツのアルコール蒸気となって一気に全身の血管と脳髄へと駆け巡った、その瞬間――!




 ――ボフゥゥゥゥゥゥンッ!!!




 テーブルを囲んでいた七人の顔が、コンマ一秒で完熟のサンマルツァーノ・トマトみたいに真っ赤に染まった!


 創世の魔王と海神ネプトゥーノの両耳から「プシュゥゥーッ!」とレモンの香りのする黄色い湯気が噴き出し、俺のピッツェリアは異世界の歴史上もっともカオスな『大泥酔パーティー』へと突入したのだ!




「う、うわぁぁぁぁんっ……! ゴランよぉぉ、聞いてくれよぉぉ……ヒック!」


 先ほどまで威厳たっぷりに胸を張っていた『創世の魔王』が、突然ボロボロと大粒の涙をこぼして号泣し始め、隣に座っていたゴランの首っ玉に抱きついて頬ずりを始めた!


「よ、余はなぁ……三千年間、魔界の玉座に一人で座っておったが、誰も余をパーティーに誘ってくれなかったのだぁぁ! 人間も神も、余の顔を見れば剣や攻撃魔法ばかり投げてきおって……ヒック! 余に温かいピッツァと甘いティラミスと、こんな美味しい黄色いお酒を飲ませてくれたのは、アンジェロが初めてなのだぁぁ! アンジェロよぉ、今日から貴様は余の義兄弟(ブラザー)だぁぁっ、ヒック!」




「うおおおん、分かる、分かるぞ魔王の旦那ァァッ! ヒック!」


 もらい泣きした身長二メートルのゴランも、魔王の背中をバンバン叩きながら男泣きし始めた。「あんた本当は寂しがり屋のいい奴だったんだなぁ! よし、今夜は俺と朝まで飲もうぜェェッ!」




 そのすぐ横では、さらに信じられない光景が繰り広げられていた。


 なんと『海神ネプトゥーノ』が、テーブルの紅白チェックのナプキンを三角形に折って自分の額に鉢巻きのように結び、神話級の神器である『三叉槍(トライデント)』を逆さまに持ってマイク代わりに握りしめ、なんと『アルデバラン国王陛下』と肩を組んでテーブルの上で踊り狂っていたのだ!




「新ナポリの諸君、聴いてくれぇぇい! ヒック!」


 海の神様が真っ赤な顔で三叉槍のマイクに向かって熱唱し始めた。「わしと人間の王によるデュエット曲――『オー・ソレ・ミオ(私の太陽)』だァァッ! ♪オー・ソレ・ミオーーー、レモンが美味いーーー、ヒック!!」


「♪税金は燃えたぞーーー、家賃もゼロだぞーーー、ヒック!!」と、王冠を斜めに被ったアルデバラン国王陛下が両足を蹴り上げてタランテラを踊り、お父様の見たこともない酔っ払い姿を見たソフィア王女が、レモンのグラニータを食べながらお腹を抱えてケラケラと笑い転げている!




 そして極めつけは、いつもクールで無口なはずの『剣聖レオ』だった。


 レオは完全に目が据わっただらしない笑顔で立ち上がると、聖剣の鞘(さや)を抜き、なんと俺がさっきリゾットを作った『空っぽの銅鍋』の前に片膝をついて、大真面目な声で騎士叙任式を始めていた!


「こ、こほん……ヒック! 『黄金のサフラン・リゾット卿』よ、貴殿の輝かしき功績を称え、今日より貴殿を王国第一位の聖騎士『サー・銅鍋』に任命する……ヒック! さあ、遠慮せず立ち上がるがいい、鍋よ!」




「アハハハハッ! レオったら、それお鍋ですわよぉ! ヒック!」


 聖女エレナは涙を流して爆笑しながら、すでにテーブルに突っ伏して白い髭をティラミスの皿に突っ込んだまま幸せそうにイビキをかいている大魔導士ヴィクトルの背中をバンバン叩いていた。




「ア、アンジェロ師匠……!」


 厨房のカウンターの後ろで、弟子のカイルが引きつった笑顔で俺の袖を引っ張った。


「た、たった一本の『黄金リモンチェッロ』で、創世の魔王と海の神様と国王陛下と大陸最強の英雄たちを全員まとめてノックアウトしてしまいましたよ!! もし王都の吟遊詩人がこの光景を見たら、世界の神話が全部書き換わってしまいます!!」




「ハッハッハッハ!! だから言っただろ、ナポリの『アンマッツァカフェ(リモンチェッロ)』を舐めるなってな!」


 俺は腹の底から大笑いしてエプロンで手を拭くと、485℃の薪窯の前で目を輝かせているカイルを手招きした。




「カイル」


 俺は白大理石のカウンターの下から、今日の昼間にドワーフの鍛冶師と俺とで秘密裏に作り上げておいた「ある物」を取り出し、カイルの両手へと差し出した。


 それは、樫の木の柄に銅と焼き入れ鋼のブレードを組み合わせ、柄の部分に『Kyle - Secondo Pizzaiolo di Nuova Napoli(新ナポリの二番手ピッツァ職人・カイル)』と刻印された、彼専用の真新しい『特注パーラ(窯ベラ)』だった。




「えっ……!? し、師匠、これは……!?」


 カイルが震える手でそのパーラを受け止め、大きく目を見開いた。




「お前は今日、ドラゴンにも魔王にも次元の穴にもビビらずに俺の背中を守り、食材の最後の出し殻まで厨房のために活かす本物の料理人の魂を見せた」


 俺はカイルの肩を大きな手でバンッと叩き、ニカッと笑った。「今日からもう見習いじゃねぇ。このパーラを持って、俺の隣で485℃の窯の前に立て。お前は俺の自慢の相棒(ピッツァイオーロ)だ!」




「ア、アンジェロ師匠ォォッ……!! ありがとうございます、俺、一生師匠についていきます!!」


 カイルが特注のパーラを胸に抱きしめてボロボロと嬉し泣きを始めると、酔っ払って赤ら顔のレオ、ゴラン、エレナ、魔王、海神、国王たちが「おおおっ、カイルおめでとうぅぅ! ヒック!」「記念にもう一杯リモンチェッロを持ってこぉぉい!」と割れんばかりの拍手と歓声を送った。




 店のガラス扉を大きく開け放つと、外で楽しそうに笑っている新ナポリの市民たちや冒険者たち、ドワーフやエルフたちにも、温かいエスプレッソとティラミス、そしてソレントレモンの爽やかな香りが夜風に乗って流れ出していく。




「さあ、酔っ払いどもには酔い覚ましの湧き水と、シメの熱々マルゲリータを焼いてやるぞ、カイル!」


 俺は真っ白なエプロンの上で腕を組み、テーブルで肩を組んで歌い続ける世界最高の仲間たちと、485℃の薪窯の炎を見つめて心から笑った。




「この薪窯が485℃で燃え続け、テーブルを囲んで『美味い!』って笑ってくれる仲間たちがいる限り……宇宙がひっくり返ったって、俺の本当の故郷はここ『新ナポリ』だけだからな! ――ボナペティート(召し上がれ)!!」




【全8話+特別番外編5話・完全完結(10万文字突破・大団円)】


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■ 今夜お家で再現できる!アンジェロの本場イタリア2大秘伝レシピ ■


【① 鉄則は「お米を洗わない」こと!『サルシッチャとポルチーニの黄金サフランリゾット』(2〜3人前)】

<材料>

・イタリア米(カルナローリ種など/なければ日本のお米を「絶対に洗わずに」そのまま使う!):200g

・生ソーセージ(サルシッチャ/なければ粗挽き豚ひき肉に塩・黒胡椒・ハーブを練り込んだもの):150g

・乾燥ポルチーニ茸(ぬるま湯で戻す。戻し汁は最高の出汁になるので絶対に捨てない!):20g(+お好みの生キノコ100g)

・サフラン(ひとつまみを温かいブロード大さじ3に浸して色を出しておく):適量

・玉ねぎ(極みじん切り):1/4個分

・辛口白ワイン:50ml

・熱々の野菜ブロード(またはキノコの戻し汁+コンソメスープ):約800ml(常に鍋で沸騰させておく)

・【仕上げのマンテカトゥーラ用】冷凍庫でキンキンに冷やした無塩バター(30g)&すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ(50g)


<黄金の作り方>

1.フライパンに少量のオイルと玉ねぎ、ほぐしたサルシッチャとキノコを入れて炒め、一度お肉とキノコを取り出しておく。

2.同じ鍋に【洗っていない生のお米】を直接入れ、中火で2分間じっくり乾煎り(トスタトゥーラ)して米の表面を熱い脂でコーティングする。白ワインを注いでアルコールを飛ばす。

3.沸騰している熱いブロードを「お玉1杯ずつ」加え、水分が吸われたらまたお玉1杯を足しながら約15〜16分間炊く。途中(8分目)でサフラン液を加え、終了3分前にサルシッチャとキノコを戻す。

4.お米の中心にわずかな芯(アル・デンテ)が残ったら【火を完全に止め】、氷のように冷たいバターとパルミジャーノを一気に投入!鍋を前後に激しく揺すって空気を含ませながら乳化(マンテカトゥーラ・アッロンダ)させれば、黄金に波打つリゾットの完成!


* * *


【② 私を天国へ引っ張り上げて!『本場イタリアの黄金ティラミス』(4〜6人前)】

<材料>

・マスカルポーネチーズ(常温に戻す):250g

・新鮮な卵黄:3個分

・砂糖:70g

・生クリーム(パンナ/乳脂肪分40%前後のもの):150ml

・サヴォイアルディ(イタリアのフィンガービスケット/なければ硬めのビスケットやカステラで代用可):約15〜20本

・モカエキスプレスで淹れた濃いエスプレッソコーヒー(または濃いめのブラックコーヒーを冷ましたもの):200ml

・無糖ココアパウダー:たっぷり


<黄金の作り方>

1.ボウルに卵黄と砂糖を入れ、白っぽくもったりするまで泡立て器でよく混ぜる。そこにマスカルポーネを少しずつ加えて滑らかに混ぜ合わせる。

2.別のボウルで生クリームを七分立て(ツノが柔らかくお辞儀するくらい)に泡立て、1のボウルに加えてゴムベラで底からさっくりと混ぜ合わせる(これで雲のように軽い極上クリームになります!)。

3.サヴォイアルディを冷ましたコーヒーに「表裏1秒ずつ(合計2秒だけ!)」サッとくぐらせ、器の底に並べる(浸しすぎないのがプロの鉄則!)。

4.その上にクリームの半分を流し込み、もう一度コーヒーにくぐらせたサヴォイアルディを並べ、残りのクリームで平らに覆う。冷蔵庫で3時間以上しっかり冷やし、食べる直前に茶こしで無糖ココアパウダーをたっぷり振りかけて完成!(※使い終わったコーヒーの粉は、乾燥させて小皿に入れれば冷蔵庫の最強の天然消臭剤になります!) Buon appetito!!

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【祝・全編10万文字突破!】特別番外編5(真のグランドフィナーレ)までお読みいただき、本当にありがとうございました!


皆様の温かい応援のおかげで、アンジェロと『新ナポリ』の物語は全8話+特別番外編5話(合計10万文字超え!)の大団円を迎えることができました!


なお、今回アンジェロとカイルが作った『黄金サフランとサルシッチャとポルチーニのリゾット』や、ナポリ式モカとマスカルポーネで作る本物の『ティラミス(私を上に引っ張り上げて!)』の【お家で再現できる詳しい分量&プロの手順レシピ】は、すぐ下のリンクにある姉妹作『香港30階の三つ星店でピンセット料理に飽きたVIPが~(N2954MX)』の中で詳しく公開予定ですので、ぜひそちらもチェックしてみてください!




もし少しでも「最初から最後まで面白かった!」「お腹が空いた!」「ティラミスの+2000%引っ張り上げが最高だった!」と思っていただけましたら、すぐ下の【ブックマーク登録】や【評価】で応援していただけると、著者にとってこれ以上ない宝物になります!




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■ 本作のレシピも登場!同作者のランキング受賞&大人気シリーズ ■




▼【本作のアンジェロが現代の香港&東京で大活躍する本場レシピ物語!(連載中)】


『香港30階の三つ星店でピンセット料理に飽きたVIPが『イタリア人シェフのおまかせで』と注文したら~ナポリ出身の現役シェフが教える、世界一美味しくて家でも作れる本場の秘密レシピ物語~』


https://ncode.syosetu.com/n2954mx/




▼【パニック〔SF〕日間・週間・月間 第1位(三冠達成)!(1話完結)】


『『カテゴリーD(廃棄物)』と切り捨てられたコンビニ店員のリアル・ゾンビサバイバル ~ゲーム脳を捨てて無人島を開拓したら、俺を見捨てた『カテゴリーA』の上級国民たちが食料を乞いに来たけれど、もう遅い~』


https://ncode.syosetu.com/n8187mw/




▼【各部門ランキング上位の短編・完結シリーズ】


・ローファンタジー短編上位:『『名無しのゴミ』と蔑まれた最弱ゴブリン、盲目の老鍛冶師に『ルズ』と名付けられ自慢の孫になる』


https://ncode.syosetu.com/n1380mx/


・怪盗×料理人シリーズ第1話:『前世の大泥棒、女神の罰で最底辺職【泥棒】に転生する~スキルなんてなくても十本の指だけで全部スリ取って料理人に転職します~』


https://ncode.syosetu.com/n3792mx/


・怪盗×料理人シリーズ第2話:『【料理人】に転職した元・伝説の大泥棒、泣き虫な看板娘のため『最後の盗み』に挑む』


https://ncode.syosetu.com/n4480mx/


・宇宙〔SF〕グルメ:『エリア51のぽっちゃり【料理人】、猛毒エイリアンを極上グルメに解体調理して人類を救う!』


https://ncode.syosetu.com/n0796mx/


・コメディー完結(全6話):『豪華客船のゲーマーシェフ』


https://ncode.syosetu.com/n0295mx/


・純文学ドラマ:『厨房にゴミはない ~高級店を辞めた『残飯シェフ』と、カウンター十席の奇跡~』


https://ncode.syosetu.com/n8593mw/


・ホラー:『冬季限定ホテルの『神々の秘酒』』


https://ncode.syosetu.com/n1782mx/


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本当にありがとうございました!ボナペティート&グラッツェ・ミッレ!


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