ラプラスになるまでのお話②
研究者たちがまず目につけたのは、サーズの妻エハだった。
サーズは愛妻家として有名だった。
そのため、エハに何かをしたほうが効果が出るだろう、と考えるようになった。
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「なあ、エハ大丈夫なのか?最近顔色が悪いぞ。」
「ええ、大丈夫よあなた。それよりもお仕事頑張って。」
「本当に大丈夫なのか。やはりなにかあるんじゃないか?」
「大丈夫よ本当に、大丈夫..。」
「⋯そうな、じゃあ信じるよ。」
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大丈夫のハズがなかった。
ありとあらゆる嫌がらせを食らうようになったエハは日に日に精神が病んでいきそうになっていた。
夫に相談をしようとも考えた事もあったが、このぐらい自分で解決しなければと思ってしまった。
食材を買う時は特定の人にぶつかられ食材を台無しにされ、近所を歩く時は、陰口が聞こえる声で言われる。
とても人間が耐えることができるようなことではないことが続いた。
毎日毎日毎日。そのうち明日が来てほしくないと思うようになってきた。
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「エハ本当に大丈夫なのか?」
「ええ、大丈夫よ。」
「嘘をつかないでくれ、何があったんだ。教えてくれ。頼む。」
「もういいのよ本当にい。」
愛する夫が心配してくれたが、それを突っぱねてしまった。
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「ただいま。」
「お、お、おとう、お父さん。」
「どうした。アイリス?」
「あ、あああ、あれ。」
目に写ったのは自殺をしていた愛する妻だった。
「エハ、えはああああああああああああ。」
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「お父さん大丈夫?」
「大丈夫じゃないかも知れない。でも、アイリスがいるからな。頑張らないとな。」
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妻を失い精神にそうとうなダメージが入ったが、それでも普通に仕事をしてくる。
本当に何なんだよあいつ。
「あいつさえいなければ。」




