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俺が理不尽です  作者: セロリM
足の引っ張り相い・試練を与える迷惑宮

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キミと四十と七日

 





 折り合いなんて、とうの昔に着けた。


 アレは不幸な事故で、そして僕の母は偉大な親だった(・・・)、と。



 ───だが、どうしてだろうか、



 魔術を使えるだけの(大人)の悪意に晒され続け、何もしない木偶の坊を装うキミを見て、こんなにも、苛つくのは。





 ───どう、して…なのか。



 そんなキミに、一言、文句でも投げ捨ててやろうと思ったのに、言葉が出ないのは、




 ───どうして、なんだい?



 何故、キミの笑みは、そんなにも心を落ち着かせるのだい?




 嗚呼、腹が立つ。


 目的も無く、無駄に納めてしまった”強化”の魔術で、


 つい、目に入った不快な塵を肉片にしてしまうくらいには、────腹が立つ。







 ───ねぇ、キミは何日寝てないんだい?



 遠くからキミの様子を見る、


 その小さな身体を、埋めてしまう程の魔導書に囲まれるキミを、


 どうやら、お目当てのものじゃなかったらしい、一日と十八時間を掛けて見つけられなかった事に、少し落ち込みを見せるキミ。




 ───そろそろ寝たらどうだい?



 十分ほどで、魔導書を整理し、次の魔導書の山を持ってくるキミ、


 え、寝ないのかい? と驚く僕に気が付かずにキミは唯ひたすらに知識を詰め込む、


 その姿は、なんだか、とても懐かしく思えた。




 ───眺めて、何日目だろうか?



 キミは、どうしてそんなにも頑張るんだろう、とゆうより頑張る方向性、間違っちゃぁいないかい?


 そろそろ十と六日目になるだろう、キミの寝てない日数を思い浮かべ、僕は心の中で思う。




 ───なるほど、薄々分かってはいたが、イカレてるね。



 キミが”禁書館”に篭もり、四十と七日目、


 キミが、大掛かりな魔術を組み立てた、それは魔法と見紛う程の”大魔術”


 それは、複雑に重なり合った魔術の集合体。



 ”凡庸魔術”が八十と九(89)


 ”系統魔術”が七十と六(76)


 ”上級魔術”が百と六十と六(166)


 ”最上魔術”が三百と八十(380)


 ”中級魔術”が(7)


 ”特宝魔術”が(2)



 後は僕の知識外の魔術、幾つ(あるの)かのすら…分からなかった。



 嫉妬は、───出来なかった、だけども


 ハッキリ言おう、僕は──感動した、その才能に、その執念に、その狂気的なまでの想いに。



 何をどう思ったら、魔術で”完全な二度目の命”を後出しで発動させようと思うのか、


 吐きそうになる程の想いの気持ち悪さ、ニヤケが止まらない目尻、涎が止まらない程のぐちゃぐちゃになった感情。



 そして、その僕の気味の悪い行動を止めたのも、キミの行動だった。


 キミは魔術を完成させたのをその良く”見え過ぎる魔眼”で見た瞬間、躊躇なく自らの命を絶った。



 ────思考の一切が停止した。



 この四十と七日、歩み出せなかった足が、無意識で動く、キミに駆け寄る僕を止めたのは、師匠だった。



「こらこら、止めぬか弟子。」



 小さな手に片手で投げられた僕は、言い様の知れない感情と共に、声にならない絶叫を上げ、再度走り出した。


 なんで絶叫を上げたかなんて、僕には分からなかった。



 その時の僕は、たったの四十と七日、目も話さず見ていただけの間柄、話もしていない、キミは僕の顔すら分からないだろう、ただ、ただ少し、


 ■の微笑みに似ていただけなのに、面が良いだけの餓鬼に、なぜ僕が、


 なんて、ごちゃごちゃと脈絡のないことを永遠と考えていた。



「ほぅ? 弟子の感情的な姿なぞ、初めて見たのぉ?


 ───じゃが、」



「それとこれは別じゃ」そんな言葉と共に僕の四肢は動かなくなる、


 魔法協会の幹部、魔術と名が着くモノでは、番席とそれ以外とされる程の席に着こうとも、


 いくら国を崩せようとも、師の前では言葉一つ(・・・・)で無意味と化す。



 動かなくなる、四肢の座標を固定された、違う、違う。 ”四肢を動かすとゆう当たり前を剥奪された”



「デタラメが、」


 多数同時に思考できる僕の全思考が一瞬纏まり、悪態を()く、


 悪態を吐きたくなる程の不条理を目の前にそんな状況でも僕の目はキミの方を向く、そして目に止まったキミの姿見て、僕は──息を忘れた。



 僕の目は、魔眼だ。


 何かを物事に仮定する、平凡極まりない魔眼。 目に見えるはずのないモノを、こうゆう物だと仮定し、目に写す魔眼。


 ”常時発動型”の魔眼だ。



 そんな僕の目は、”キミの発動している”魔術を見て、そこから経由するかのように、キミの魂に色を見た。



 その時は何をしているかなんて、無知を晒すようだけど、分からなかった。 見当すらつかない、なんならろくな思考しようとしていなかった。


 だけど。



 綺麗だと思った、黒がこんなに綺麗な色だなんて、思いもしなかった、


 黒が色々な色彩を喰らう、塗りつぶす、おぞましいと感じる筈の景色が、僕にはとても魅力的に思えて仕方がなかった。









 まぁだけど、今だから思うけど、魔術の欲しい特性を取り込むのに魂が一番良いからって、一度死ぬのはだいぶヤバいと思うよ? うん。









「───おや、目が覚めたかな?


 おおうおおう、そんな不審者を見るような目で見ないでおくれよ、同じ人を師に持つ者同士だろう?


 ___ね、弟弟子? 」





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