↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
斜め上の竜騎士  作者: ぴっぴ
第2章 辺境の竜騎士
21/23

第20話 暗躍する女傑

 国と喧嘩する為に辺境に帰ってきたシュガー達。しかし国を相手の喧嘩は大変だ、何せ物量が桁外れに違うのだ。1対1で戦うのならシュガーが頑張って戦えば千人位は何とかなるかも知れないが、平和ボケしたとはいえ国なので兵士が何万人もいるのだ、幾らシュガーが強くても勝つのは物理的に無理な事案である。しかしそこで諦めるようなコアではなかった、不可能を可能にするのが知恵ってものなのだ、現時点では不可能でも将来はどうなるか分からないのが人生って奴なのだ。


「子爵様、ただいま帰りました」


「お帰りなさいコアさん! 辺境は平和でしたよ。コアさんが鍛えた兵士達が頑張っていますわ」


「それは良かったです、もっと良い国にしましょうね子爵様」


「・・・・・・えっ!? 国・・・・・・ここは辺境なんですが・・・・・・??」


 帰還の挨拶をしたコアはそれはそれは良い笑顔をしていた、地獄の悪魔が存在していたならば多分こう言う風に笑うのだろうと言う笑顔だ。これを見た子爵は顔を真っ青にして頷くだけだった。


 辺境に帰って来る時にコアは必死に考えてていた、戦争でも争いでも勝つ事が大事なのだ。勝利条件って奴は色々有るのだが最低限は自分とシュガーが生き残る事、これさえ出来れば何時でも再起可能だ。しかし、これだけでは面白くない、自分達を裏切った国をギャフンと言わせたいのだ。自分達を見下してきた貴族達や騎士団長達を地面に這い蹲らせ頭を踏んづけてやるのだ。


「でもまあ・・・・・・難しいですね・・・・・・」


 辺境の人口は約1万人、危険な地域なので住民の耐久力や戦闘能力は高いが如何せん最大動員兵力は精々2千人程度しかない。国の場合は今の常備兵だけで20万人、最大動員数は100万人位になるかも知れない、ハッキリ言って辺境と国が戦争になった場合一瞬で負けてしまうのだった。戦争って奴は資源の奪い合いなので物資が多い方が有利なのだ。スポーツならばイコールコンデションで行う遊びなので野球ならば3アウトで攻守が交代するのだが、戦争ならば物資が10倍ならば攻撃が10倍の回数に成るのだな。片方が9人で野球しているのに敵は90人で守備をして90人で30アウトまで攻撃したら勝てる訳は無いのだ。


「どうしたの? コア。悩み事? 難しい顔してるとシワが増えるよ」


「シュガー様は煩いですから仕事して下さい。辺境守備隊の手に負えない魔物を狩って来て下さいませ」


「はいは~い!」


 難しい事を考える事が苦手なシュガーは戦略や戦術を計画する役には全く立たない、戦略や戦術を練るのはコアの仕事、そしてシュガーは戦術兵器の役割なのだった。普通の兵士が歩兵ならばシュガーは戦車並みに強いのだ、いつ何処で投入するのかによって戦線の勝敗が決まる戦術級の兵士なのだ。


 戦略を練るには余りにも戦力が足りないので、長期戦略として人口の増加を狙うしかない。言うならば戦前の日本の【産めよ増やせよ】と言う方針しか無い、まあ他には植民地政策と言う手っ取り早く戦力を増やす方法も有るのだが・・・・・・これには植民地が造反しない様に圧倒的な戦力や統治する為にカリスマが必要なのだ。


「う~む、表向きの統治は子爵にやらせるとして・・・・・・カリスマ的支配者は・・・・・・やはりシュガー様でしょうね、竜騎士は民の受けが良いですからね」


 色々と考えるコアで有ったが、子爵も辺境の住民達も皆辺境の支配者がコアで有る事は知っていた。シュガーの従者なのにシュガーや子爵を顎で使い、逆らう者は何時の間にか居なくなってしまうのだ。辺境の絶対支配者はコア、誰も逆らう気にも成らない抜群のカリスマと実力を持つ従者だった。

 部屋の中で考えていても良い考えは浮かばない、歩きながら脳に酸素を送りながら考えた方が効率的なのでコアは外に出て散歩をしながら考えることにした。


「やはりここは出来ることからやるしか無いですね~」


 難しい顔をしながら歩くコア、周辺の住人は絶対に目を合わせないようにして足早に家路へと帰って行く。見た目は絶世の美女なのだが、何故か纏っている雰囲気が魔王なのである。黒いマントをたなびかせ、悪魔の軍団を従えて高笑いしているのが見える様な人物なのである。


「あっ! コアさん。チィース!」

「お疲れッス!」


 すれ違う辺境の兵士達が挨拶する、彼等の絶対支配者コアは何故か兵士たちには慕われていた。彼女のお陰で凄く強くなって自分に自信を持てたのだ、何をやっても駄目かと思って腐って居たのだが、コアの地獄の訓練を耐え抜いたら何時の間にか強くなって辺境の住民を守れる様になっていた。そして辺境の住民を魔物から守っていたら住民から感謝される様になったのだ、誰の役にも立たないと思っていた自分たちに尊厳と居場所を与えてくれたのがコアなのだ。だから彼等はコアが死ねと言えば、ためらわずに死ねる連中だった。


「うむ! 巡回ご苦労! 子爵様も貴様達の事を褒めておったぞ、これからも励めよ」


「「「「あざ~す! 俺達はコア姉さんの命令なら何でも聞くっす!」」」


「ふむ、此奴ら使えるかも知れないな・・・・・・」


「全兵士を集めろ! 急げ!」


「「「ウッス!! 喜んで~!」」」


 コアの命令なら何でも喜んで聞く辺境守備隊、コアの命令なので大急ぎで仲間の兵士達を呼びに行った。どうやらコアは有効な方法を思いついた様だ。一方シュガーは辺境周辺の凶悪な魔物達を狩りに向かっていた。荷物は特に持っていない、シュガーは水と空気さえあればどんな所でも生きて行ける野生児なのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。