第19話 竜騎士の帰還
お久しぶりです(笑)
「シュガー様、帰りますよ」
「は~い。でもさ公爵が出てこないんだ、公爵だけじゃなくて衛兵も寄って来なかったよ」
「ふふん、ヘタレ共ですね。死ぬ気で文句を言う根性もない連中ですね、もっとも文句を言ったら殺しますけどね」
公爵の家の前で寝転んでいたシュガーを迎えに行ったコア、えらく暇そうなシュガーに理由を聞いてみたら案の定ヘタレ公爵のヘタレ部下はダンマリだった様だ。日頃偉そうにしていても貴族なんてこんなものである、安全な場所からで無いと文句の一つも言えないのだ。
「ところでコア、その子達はどうしたの?」
「スラムで拾いました、今日から面倒をみますわ。シュガー様は頑張って稼いで下さいませ」
「分かった! 任せてよ、4人ぐらい養って見せるよ」
馬車の中に小汚い子供が4人程震えていた、話を聞けば馬車から荷物を盗もうとしてコアに捕まったのだそうだ。子供ながらに自給自足とは中々見所が有るらしいのでコアが育てるのだという、シュガーとしては扶養家族の黒助も居ることだし今更子供が少し増えた位どうという事も無いのだ。ここら辺がシュガーの大物たる所以である、教育が~!とか、ちゃんと育てられるだろうか? 等と細かい事は気にしない、世の中って頑張っていれば結構何とか成るものなのだ。何でもよく食べ良く寝ていれば何とか成る、成らなかったらその時はその時の話、困る前に困っても意味は無い、困ってから悩めば良いはずなのだ。
「さあ、あなた達。シュガー様にご挨拶をするのです、今日からあなた達の主人となるお人ですよ」
「「「「宜しくお願いします、ご主人様」」」」
汚い格好をした4人の子供達がシュガーに挨拶をしている、シュガーは見た目は凄く立派なのだ。知らない人が見れば名のある武人か騎士にしか見えない外見だった。まあつい先日までは帝国最強の竜騎士だったのでその認識は間違っていなかったのだが、シュガーとコアを知っている人間はシュガーを見たら大体逃げ出すのが普通だった、何かの弾みで酷い目に会うのが嫌だからだ。
「うん大丈夫だよ、お腹いっぱい御飯を食べさせてあげるからね。こう見えても稼ぎは良いんだ」
意外と子供達には甘いシュガーである、シュガーは敵には容赦しないが味方には甘いのだ。これはコアにも言える事で、仲間以外には容赦しないと言う昆虫に近いわかり易さであった。
「コア様、私達は辺境で何をすれば良いのですか?」
「先ずは勉強です、読み書きと計算が出来なければ役に立ちません。その後はあなた達に出来そうな仕事を任せます、簡単な雑用ですね。そしてそれが出来る様になったらもっと難しい仕事を任せます。辺境にはチャンスが転がっていますから自分の力で掴み取りなさい」
「「「「はい! コア様」」」」
子供たちににも丁寧に説明するコアを見てシュガーは大したものだと思っていた、シュガーは難しい事は良く分からないし将来なんてものは考えた事も無い、そもそも将来に向けて努力すると言う考えが余り無いのだ、戦士だからいつ死ぬか分からないのに将来を考えても意味は余りないとも思っていた。でもコアがそう言うなら多分それは大事な事なんだろうなと思うだけだった。
辺境では名を知られてるせいなのか、それとも盗賊達を殺しまくったせいなのか辺境への旅は平和だった。子供達を養う為にも少しは盗賊達のお宝を分捕ろうと思っていたシュガーは退屈でたまらなかった。彼は平和な時にはする事が無いのだ。
「コア~、暇!」
「ここら辺の盗賊は皆殺しにしましたから、ここらには魔物しかいませんよシュガー様。最も魔物も殺しまくったから我々を見たら逃げ出しますけどね」
「え~!! じゃあ僕は何すれば良いのかな」
「今は休んでいて下さい、辺境に着いたら忙しくなりますよ」
「何するの?」
「ふふふ・・・・・・、騎士団をクビになったことですし仕返しに辺境を切り取ってやりましょう。まあ、早い話が国に喧嘩を売るって事です」
「おお~! 国相手の喧嘩か~、成程面白そうだ。負けそうになったら逃げればいいしね!」
この国は怒らせてはいけない相手を怒らせたのだ、ちゃんと給料を払ってクビにしていればコアは公爵に仕返ししただけで終わらせたかも知れないが、給料を踏み倒した上に見下した態度までとった事でコアの怒りは頂点に達したのだった。後は国ごと仕返しをするのだ、普通の人間より遥かにずる賢いコアと人類最狂のシュガーが居れば国に痛い思いをさせるくらいはたやすい事だった。でもコアは賢いので、今すぐ反乱を起こす等という短絡的な事はしない、十分に力を付けて反撃する。相手が油断している隙に力を蓄え相手の喉笛を食いちぎるのだ、これがコアの戦い方なのだ。




