↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大魔法使いは紫色の瞳に恋に堕ちる  作者: ゆうもみじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/62

思惑

執務室のソファに腰掛けながら、カトリーナは届いたばかりの報告書に目を通していた。


「あら、本当に捕まったのね。」


小さな疑問を噂にしてみただけだったのに、まさか本当に紫の瞳を持つ娘が見つかり、しかも実際に身柄を拘束されるとは、正直なところ予想していなかった。


(そんな女、本当にいたのね)


情報屋を通じて依頼した記者は、うまく事を運んでくれたらしい。金に困った貧乏人記者に書かせた記事がこんなに上手くいくなんて。カトリーナはそのことに何の痛痒も感じていなかった。


(これで、ナルニエル様も目が覚めるはずだわ)


カトリーナは扇子を優雅に開きながら、口元に笑みを浮かべた。素性の知れない、しかも危険視されている娘に心を寄せていたなど、公爵家の三男としてあってはならないことだ。この一件が公になれば、ナルニエル様も自らの過ちに気づき、然るべき相手――つまり自分のもとへ戻ってくるに違いない。


ただ、思い描いていた筋書きとは少し違う方向に、事が大きくなりすぎている気配だけが、わずかに気になっていた。


(思っていたより、大事になっている気がするけれど……)


単なる街娘の噂話にしては、王都でもやけに話題になっている。憲兵の対応も、思いのほか慎重なものだと聞いた。まあただの貧乏人が書いた記事に、大勢の貧乏な平民達が報奨金目当てで騒いでるだけの事だけれど。


(構わないわ。私は何も間違ったことはしていないのだから)


浮かんだ疑問をあっさりと振り払うように、カトリーナは軽く肩をすくめた。良心の呵責など、微塵も感じてはいなかった。ただ、この騒動がどこまで広がっていくのか、その行方だけを、高笑いをしながら見守ろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。