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初めてのデート
街の中心に近づくにつれ、賑やかな音楽と人々の声が聞こえてきた。
通りにはすでに色とりどりの旗が飾られ、ラベンダーを模した紫の飾りが軒先を彩っている。屋台からは甘い香りが漂い、露店の商人たちが威勢よく声を張り上げていた。
ラベンダー祭はもちろんのこと、あまり人が多いところに行ったことがないシャンティは目新しいもの一つひとつに目を奪われながらも、寄り道せずに、ゆっくりと約束の場所へと向かった。
あのベンチが見えてくると、シャンティは自然と足を速めていた。もちろんまだ誰もいないことを確認して、ゆっくりと腰を下ろす。
ふと周囲を見渡すと、通りのあちこちに、見慣れた制服姿がちらほらと立っているのに気づいた。宮廷魔術師団の制服、そして騎士団の紋章。祭りの警備に忙しそうだ。
(前までは、こんなの気にもしなかったのに)
どこかに、あの人もいるのだろうか。そう考えると、少しだけそわそわした気持ちが胸に広がった。
シャンティは小さく息を吐き、目を閉じた。遠くから聞こえてくる祭りの音楽に、静かに耳を澄ませる。
「シャンティ?」




