今日?
配達を終えて店に戻ると、シャンティは荷台から空の瓶や、籠たちを下ろしながら、大きく伸びをした。
「ただいま、おじいちゃん」
「おかえり。ちょうどいいところに帰ってきたな」
「何かあったの?」
「さっき、例の魔術師団の坊ちゃんが来たよ。お前のハンドクリーム、追加で欲しいって」
「え……」
あまりにも急で信じられないことに言葉が出てこない。
「渡したやつは、お前が坊ちゃんのために作ったもんだから、ここには置いてないって言っておいた」
「……そう、なんだ」
どうしよう、心臓がすごい速さで動いてる
「それで、また別の日に来るって言ってたから準備しといてやんな」
「別の日に……」
「今日はもう帰っただろうね」
夕食を作り終えたアジェーナが2人を呼びにきたついでにゲン爺に問いかける
「いや、さっき出たばかりだ。まだそんなに時間は経ってないから、この辺りにいるかもしれないな」
(まだ近くにいるかも……)
下を向き考えるシャンティを見た、ゲン爺とアジェーナが目を合わせて微笑む。
「行ってみるかい?」
「ちょっとだけ、様子見てくる」
「気をつけてな」
エプロンを外す間も惜しんで、シャンティは店の外に飛び出した。特に会って何を話すというあてもない。それでも、もしかしたら、という小さな期待だけを胸に、シャンティは通りを見渡しながら足を速めた。




