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26 学園を侵食するもの

『メグモプライムショッピングモールで起こった悲劇。

見物客の子供が墜落死した事件で、

イベリス学園に対する非難の声が大きくなってきています。

バーリック排除の方法に問題はなかったのか、

専門の審議会を立ち上げて議論する必要があるのではないでしょうか』


アナベルはリモコンの電源ボタンを押し、テレビに背を向けた。

「あの時、蘭子(らんこ)は確かにあの子供を助けたよね?」

アナベルは皆に確認するように問いかける。


「そうっすよ。あの時怪我したのは、あぁしだけです」

「ぼくも確認したよ。怪我していたらぼくが応急手当、できるから」

純(じゅん)も大きく頷いた。

「なんで? わたしたち、ちゃんと出来たのに。

なんで……あんなこと言われなきゃならないの?」

藍(あい)は泣きそうになっている。


「行き違いがあったようね」

椿(つばき)も首をかしげている。

「ユキ先生に頼んでもらってさ、すぐに訂正記事を出してもらおう」

騎士(ないと)も不安そうな表情だ。

「わたし、ユキ先生に頼んでくる!」

藍(あい)は、トレーニングルームとユキの部屋をつなぐ螺旋通路を上っていった。


想像もできない結末へ彼女たちを追いやろうとしているのは、何者か。

爛漫少女の花道は、破滅に至るいばら道だ。






アナベルは無言でトレーニングルームを出た。

あのやり方は、ムカつくけれど効果的な手法だ。

昔、養父(ちち)から借りて読んだSF小説を思い出す。

異界から来た者たちが、新天地で主導権を握るために最初にやったこと。

それはマスコミを掌握すること。

情報をコントロールできれば、人心を操ることなど思うがまま。

財団はニセ情報を流して、あの娘(こ)たちを追い込んでいる。

抗う術はない。


あの娘(こ)たちを生け贄の羊に選んだということは……

少女たちの排除が決定されたということだろう。


次回更新予定は10月9日金曜日23:00です。

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