20 レールの行き先
一方他の少女たちは、ニコニコ広場に残ったバーリックを次々と倒していった。
買い物客たちが遠巻きに観戦している。
「お姉ちゃんたち、ガンバレぇ!」
「そこだ、やっちまえ!」
「うしろ、うしろ! 気をつけてねぇ」
「ありがとう! でも、危ないから離れてて!」
お調子者の蘭子が声援に応えて手をふる。
「これではキリがありませんわね」
倒しても倒しても新しく出現するバーリックに、
うんざり気味の椿が天を仰いだ。
すると、広場を2階までグルッと回る
ジェットコースターのレールが目についた。
この騒ぎでジェットコースターは停止している。
「蘭子、アレを使ったらいかが?」
「うん!」
蘭子はひらりと跳びあがると、
ジェットコースターのレールの上を2階まで駆け上がった。
神楽鈴をふるう。
バーリックたちは、その場にうずくまった。
下に残った椿と純が、追い打ちを掛ける。
純の鞭はうなりをあげ、椿の放つカードが空を切る。
敵をなぎ倒し切り伏せる。
場内は、危機から脱出した。
その緩んだ雰囲気の中、2階から聞こえた悲鳴。
停止しているジェットコースターの中に子どもがひとり。
車両が、レールからはずれて落ちそうになっていた。
「危ない!」
カツン……下駄が高い音を立てた。
子どもを抱きかかえるだけで精一杯の蘭子。
車両はそのまま真っ逆さまに落ちる。
下の階にいた藍が、虚空を射つ。
引き絞られた弓がうなりを上げ、矢が飛び出す。
飛んだ先で、直径2メートルほどの紫色のバルーンに変化する。
落ちてきた蘭子と子供を、車両ごと優しく受け止めた。
「ふひぃぃ、助かった」
「蘭子! 膝!」
蘭子の膝は、皮膚がザックリとめくれている。
「あっちゃぁ、やっちまった……
えヘヘ、ユキ先生のお小言がまたあぁしに襲いかかるなぁ」
少女たちは帰路についた。
少女たちのこのときの行動は、今後予想外の事態に発展する。




