煙後日談 『友達』
煙後日談その二 友達
制服に袖を通す。
前に着たのはつい二日前だというのに随分と遠くに感じるのは、この二日間で色々経験したからだろう。
殲滅作戦
殺人
ザクト様の過去を知り、彼に抱かれた。
その翌日はベッドの住人で殆ど動けなかったが、そばにずっと愛しい人がいて、体も心もこれ以上無いほど甘美な空気にとろかされた。
そしてその翌日…つまり今日。
漸く学校に行けるくらいに回復したのだ。
彼は少し不服そうだったが。
…そして、今も、着替えている脱衣場のドアの外には彼が居る。
すでに裸を見られているとはいっても、着替えを見られるのはやはりかなり恥ずかしい。
いつの間にか部屋に置いてあった制服を持ってここに閉じ籠った。
スカートのスリットを閉めて、タイも結ぶ。
髪の毛も整えて、ああ、いつもの自分だ。
最後にもう一度全身を確認して、よし。
「お待たせしました。」
リビングに出るとすでに身支度を整えたザクト様がいた。
今日は濃い赤いシャツに黒いスラックス。白いベスト。
派手な色使いも着こなせてしまうのは、流石です。
「Dに車を回させている。送っていくよ。」
そう言って私の鞄を持って入り口に
「私が持ちます。自分の荷物ですから。」
「遠慮しないで。これ位させてくれよ。憧れていたんだし。」
憧れる?何に?
「恋人の荷物を持つ事にね」
思考していた私の唇に、キスを一つ。
突然の事に私は私の思考は停止した。
「まだ慣れない?…まあすぐに慣れちゃってもそれはそれで勿体無い気がするしね。」
動かない私の手を取って彼は部屋の玄関へ。
私は呆然としながら通学用の靴を履いて、そして手を引かれるままに駐車場に。
エレベーターを抜けるとそこには既に車が留まっていた。
黒塗りの高級車、Dの家にあったものだ。
持ち主のDも、後部座席のドアを開けて車の外に佇んでいた。
「おはようございます。」
「おはようD。今日はあなたが送ってくれるの?」
「はい。帰りも私です……どうしましたか?私の顔に、なにか着いていますか?」
「ううん。ちょっと、なんか…疲れているの?」
Dは少し驚いたように瞠目して、そして、そう笑顔を。
「大丈夫ですよ。年甲斐もなく飲みすぎただけですから。」
嬉しそうな顔で、私に言った。
朝の通勤ラッシュで道が混んでいたせいもありタワーから学校まで30分近くかかってしまったが、どうやら遅刻しなくて済みそうだ。
校門の前で、遅刻を見張る教師が一人立っており、こちらを見ている。
「挨拶してきます。」
そう言ってDは車から降りて、その教師の方に行く。
『誘拐未遂事件の被害者』である私の事はどうやら先方も知っていたそうで、Dを見て頭を下げる。
「ではザクト様、行ってきます。」
私は後部座席のドアを開けて外に車から降りた。
スカートを伸ばして、最後にもう一度彼を見ようと振り替えったら。
「行ってらっしゃい、ショウエン」
彼の顔が間近にあって、すぐに消えたけど、確かに唇に柔らかい感触があった。
キス、された。
私は顔が熱くなる。
だけどここで騒いでしまって目立つのはいやだ。
ぐるぐる回る思考を何とか押さえ付けて、私は頭を下げる。
「ショウエン、いってらっしゃい。帰りも迎えに行くので連絡を下さいね。」
「わ、分かった!」
「?」
声が少しだけ上擦った。
首を傾げるDと教師を置いて私は足早に校門から去った。
「ショウエン!おはよう!調子はもう良いの?」
教室に行くとアデーレが迎えてくれた。
この二日間は体調不良で休んだことになっていたらしく、彼女を初めとして何人かのクラスメイトが私を気遣う言葉をくれた。
「大丈夫。少し疲れただけだから。放課後、花壇の手入れをしようアデーレ。」
「うん。それは良いんだけど、本当に大丈夫?」
「大丈夫だけど…私、なにか変?」
「変じゃないけど、顔が少し赤いから…」
私は慌てて両頬に手を当てた。
確かに、少し熱い。
「……大丈夫。」
「?なら良いんだけど…えっと、あのお父さんも、…大丈夫?」
アデーレは小さな声でDの事を訪ねた。
そう言えば彼女はDが刺された現場を見ていたのだ。
Dの心配をするのも当然だろう。
「大丈夫。今日も学校まで送ってくれたから。」
「そうなんだ!…そうだ、あの人、バルト君なんだけど…」
私は反応しそうな身体を押さえつける。
「あいつが、どうかしたの?」
「……亡くなったんだって。」
アデーレはそう言って俯いた。好都合だ。だって今の私の顔には驚きも悲しみも浮かんでいないのだから。
見られたく、なかった。
「ショウエンは休んでたから知らないかもだけど…一昨日にニュースになった、『人身売買ビル炎上』って知ってる?」
クラスメイトの一人が説明する。
私は黙って頷く。知ってる。
「あの会社の社長が……バルトくんの父親だったんだって。たまたま、お父さんに会いにあの時間にあそこに居て、巻き込まれちゃったんだって。」
「バルトの父親が、人身売買……」
「そう、人身売買。詳しくは公開されていないけど…ほんとびっくりしちゃった。」
「校長先生も驚いてたね。」
「噂ではこの学校に多額の寄付をしてたらしいよ」
「そうなんだー!でもバルトくん可哀想。親の悪事に巻き込まれるなんて…」
「…」
私は黙ってクラスメイトの言葉に耳を傾けた。
学校で流れている情報、噂、そして生徒たちの認識を把握する必要があったからだ。
「もしかしたら、バルトくんが父親の悪事に我慢できなくなって、事件を起こしちゃったんじゃない?」
「あ!あり得る!…でも、そんな熱い人には見えないけど…」
とんでもない仮説まで出てくるものだ。
人身売買は、殆どバルトの仕業だというのに。
「ああいうタイプは、ここぞという時に豹変するんじゃないかな?」
確かに、逆の方向では豹変した。
暴力を振るい、立場が悪くなれば命乞いをして、あまつさえすべての責任を他者に押し付け、自分だけはと逃れようとしていた。
…最後は見れなかったが、確かDが…。
私ははっと、アデーレを見る。
彼女も『豹変した』バルトを見た数少ない人間だ。
そして短時間だがザクト様と行動を共にしている。
この事件の真実にも、もしかしたら気付いているかもしれない。
「アデーレ…」
俯いたままのアデーレは黙ったまま私の手を握った。
「……」
「……」
回りの喧騒とは、完全に切り離されて私たちの間には沈黙が流れる。
重い、それに、
怖い
始業のチャイムが鳴って、喧騒はそこで終わった。
午前中の授業はあっという間に終わって昼休み。
私とアデーレは、何時も通り、屋上でランチをすることにした。
「…」
「…」
沈黙の中、私たちは手と口を動かした。
咀嚼の合間に彼女を見ると、目があった。
慌てて視線をそらすと、クスリと笑う声が。
「そんなに警戒しないで、ショウエン。」
「…警戒なんて……そう、だね。ごめんアデーレ。」
「良いの。気にしないで。…私ね、びっくりしたの。ショウエンのお父さんもそうだけど、あの紅い髪のお兄さんにも。あれだけ怖い状況になっても平然としていたし。…ねえ、もしかしてショウエンって」
私は次の言葉を待った。
彼女の考えを、彼女が私の正体に『気付いているのか否か』を。
「本当はものすごいお嬢様だったりするの?」
「………え?」
「その、言い方はちょっと悪いけどもの凄いお金持ちのお嬢さんで、過去にも何回か危ない目に遭っていて…それで、間違っていたら本当にごめんね…その、だからショウエンのお父さんは本当はショウエンのボディガードなのかなって…ショウエンが拐われた時に来た金髪の男の人もそう。ショウエンの事、様付けで呼んでいて、ちょっと不思議に思って…」
「…」
私の居ない間に、色々在ったようだ。
詳細に関しては聞いていなかったから、Dが私の事を敬称で呼んでいて、それをアデーレが聞いていたなんて、予想外も良いところだ。
私は黙ってアデーレ言葉を待った。
「それで、あの紅い髪の毛のお兄さんがショウエンの本当の家族なのかなって。ショウエンの事、すごく大切に思っているみたいだったし。」
「…大切に、思っている?」
「うん。ほら、最初に私の家に来たときに、送ってくれたじゃない?あの時にショウエンを見てた顔、凄く優しいまなざしだったし…それにこの前、ショウエンを一緒に探していた時も必死だったし、表には出していなかったけど焦っていたのと怒っていたのを私感じて…クリチーナ達に質問している時とか…笑いながらだったけど、少し怖かったし。本当に、ショウエンの事が好きなんだって思ったから。…ごめんなさい。」
「なんで謝るの?」
「私が想像して、推測しただけの事だし、間違っていたら貴女に失礼だもの」
彼女の推測は、概ね間違いは無い。
Dは私の世話係だし、それにザクト様の方が私に近しいと言えば近しい。
その全員が裏組織の人間である、という事実を覗けばおおよそ辻褄が合う。
嘘、ではない。
「…いいえ、間違いではない、わ。」
「!そう、なんだ。」
そして私はもう一つ付け加える。
「私の姓名、デナードは私の今の父のもの。私の本当の名前は…悪いけど教えられない。」
もとより私に名前はないのだけど。
アデーレは首を振った。
「ううん、私、ショウエンを詮索するつもりはないの!ただ、私、あなたがどんな人間でもあなたの事が好きよ。金持ちでも、そうでなくても。ショウエンはショウエンで、変わりないもの。だから、」
アデーレは私を抱きしめた。
「だから…警戒しないで……私はあなたを傷付けたり裏切ったりしないから。ずっと、あなたの味方、友達でいるから」
抱きしめられているのに、その力はとても弱かった。震えている。
…彼女が恐れていたのは得体の知れない私自身ではない。
私が、…バルトによって心を傷つけられてしまって、その結果心を閉ざしてしまうこと。
それだったのだ。
私は彼女を抱き返した。
「……心配、かけてごめんね。ありがとう、アデーレ」
暫く抱き合って、すこし腕が痺れてきてお互いを離した。
まだ休み時間は半分ほど残っている。
ランチの後片付けをしている間にアデーレはふと。
「ショウエンは、どうやって助かったの?あ、言いたくなかったら良いんだけど、やっぱり気になってしまって…」
「翌日に、私の周りにいた黒い服の男の人達いたでしょ。あの人達が助けてくれたの。」
「ボディーガードさん達?」
「そう。警察の手は、入らなかったわ。むしろ警察も知らないと思う。」
私の誘拐につては一切警察機構には連絡していない。
まあ、裏組織の人間が警察を頼ることはないだろう。しかも、その最高幹部が関わっているのだから。
「最近は民間企業でも正規武装組織に近い強さを持っているって聞いているけど、本当なのね。」
「…みたいね。私を攫ったのはバルトだけど、監禁されていたときに見張っていた彼の仲間は、私のボディーガード達を見て逃げ出したらしいわ。お金目的、だったのかもしれないけど、警察に捕まりたくはなかったんでしょうね。でも、彼の仲間も多分、あの事件でみんな…」
二日前のビル炎上事件。
それでバルトの関係者は全て消した。
本当は彼の仲間…チンピラ達は私が無意識下で殺していたらしいのだけど。
「あの事件…本当は警察がやったんじゃないかって、お父さんが言ってた。人身売買の取引先には警察の上層部がいて、その証拠を消すためにやったんだって。」
連日報道される事件の内容を推測する説の中に、確かにそうした物はあった。
アデーレもそれを信じているのだろうか。
「アデーレはそう思っているの?」
彼女は頷いた。
「ショウエンは、どう思うの?」
ごく自然に私の考えを聞く。
事件の真実を知っている、事件を起こした張本人が目の前にいるなど彼女は考えもしていないのだろう。
もし真相に辿り着いてしまったら、あなたを消さなくてはいけない。
ごめんなさい。
「私もあなたの意見と同じよ、アデーレ。」
そして私は、あなたを守るために真実を隠して嘘を吐く。
好きよ、アデーレ。
教室に戻るとざわついていた。
何かあったのかと、輪になっている女子の所に二人で行くと、もの凄い勢いで私達…私を振り見た!
「来た!」
「ショウエン!ねえ!今朝の人だれ!?」
興奮した口調で次から次に、誰、誰と。
今朝の人……送ってきたDの事だろうか?
「今朝って、そういえばショウエン、今日もお父様と一緒だったっけ。」
アデーレがそう言うと、女子の一人…前に勉強会で一緒になった子が首を振った。
「違う、もう一人いたの!紅い髪の!私見たの!」
…あ。
私は漸く思い出す、今朝、そういえばザクト様も一緒だったのだ。
別れ際に、その、キスをされて余りに混乱していたから記憶から一時的に抹消していたのだ。
「前にショッピングモールで一緒だった人だよね?朝も一緒なんて、やっぱり…」
「ってか私、凄いの見ちゃったよ。ショウエンとその人がキ」
私は持ちうる全ての反射神経を使ってその子の口を塞いだ。
勿論、顔を殴打することがないように力を加減して。
「え?何?キ?…もしかしてキス!?」
途端にわあっ、と盛り上がる。教室中の生徒が私達に視線を送った。
「やっぱり、ショウエンの彼氏なんじゃない!水くさいよ私達に黙っているなんて!」
「朝も送ってくれるなんて超ラブラブじゃん!!いいな~」
「八歳上って言っていたよね…大人のレンアイってやつ!?」
「ってかお父さん公認?すっごいじゃん!」
既に両の手では足りないほどの口が次々に言葉を発する。
何とかこの場を鎮めたいのに、適した言葉が出てこない。
私は段々と顔が熱くなるのを感じた。
見られていた、やはり。
「あのお兄さんも、いたんだ…」
アデーレがやや呆然と発した一言に今後はそちらにみんなの目線が。
「アデーレ!ショウエンの彼氏、知ってたの?」
「ねえ、どんな人?格好いい?」
群がってくるクラスメイトに恐怖を感じたのか私の方に来た。
私も囲まれていたから何の解決にもならないが、孤立するよりはマシだと判断したらしい。
「…この前少し話しただけだから良くは知らないわ。ごめん…格好いい、とは思うわ。」
彼女も混乱している。
アデーレが認識しているザクト様は『私の家族』。
しかしクラスメイト達の証言、今朝私に、キスを、していたという話から『家族』ではなくもっと、別の関係なのかと考え始めているように思える。
アデーレまでも私に疑問の眼差しを投げかけてきた。
しかも、さっきよりも輝いて見えるのは多分気のせいではない。
午後の授業のチャイムが鳴って、教師が来て座るように注意するまでその場は混乱を極めた。
放課後までの授業中、私はみんなからの視線の嵐を受けた。
居心地が悪い。
授業内容は元から聞いていないけど、今日は輪を掛けて耳に入ってこない。
思い出さないようにすればするほど、今朝のことが思い出される。
本当に、何であんな事を。
ザクト様を非難したくないけど、今日ばかり、今回ばかりは彼に恨み言を言いたくなった。
放課後を告げるチャイムが鳴ると同時に私は荷物をひったくって教室を出た。
何人かが私を呼び止めようとするが、聞こえないふりして廊下に。
あの場に留まったらまた尋問の嵐だ。
興味があるのは仕方ないけど、やはり、煩わしことこの上ない。
そのまま外に出て、花壇へ。
園芸部の物置の影に隠れて、追ってくるクラスメイトが居ないか注意を払う。
誰かが通る度に神経を研ぎ澄ますが、関係のない生徒ばかりだ。
そうして暫く待っていると、聞き慣れた足音が。
アデーレだ。
「アデーレ」
「きゃあ!!」
物置から出てきた私に、彼女は文字通り飛び上がるほど驚いたようだ。
「ごめん。脅かすつもりはなかった。」
「え、ええ。うん。大丈夫よ。もう帰ったのかと思ったから」
「約束したから。今日一緒に花壇を見るって。」
そう言うと、彼女は嬉しそうに笑った。
彼女から鞄を受け取って、荷物置き場に置いた。
軍手と如雨露を物置から出して彼女に渡した。
「ありがとう、ショウエン。…さ、遅くなったから急いでしましょう。」
軍手を填めて花壇にかがみ込む。
そういえば、アデーレがここに来るまでそこそこ時間が掛かっていた。掃除当番や、日直ではなかったのに。
「なんで遅かったの?何かあった?」
「えっと、みんなから色々聞かれたの。あなたの、その…あのお兄さんのこと…。ショウエンが帰っちゃったから、代わりに私に。」
「あ、…ごめん。アデーレを巻き込んでいたなんて。」
アデーレは頭を振った。
「仕方ないわ。みんな恋の話好きだもの。私も知らないって、言ったんだけど、みんな納得してくれなくて。…で、本当に恋人なの?」
雑草を毟る手が止まる。
恋人
恋、人
『憧れていたんだ、恋人の荷物を持つ事にね』
今朝の、彼の部屋の玄関での言葉
彼がそう言うのなら、恋人、なのか、な
「ショウエン?」
彼の言葉を疑うわけではないが、やっぱり私と彼では釣り合いが取れていない気がする
私はローティーンの子供で、彼に養われているだけの存在
彼は、裏組織の幹部という地位を抜いても、巨大企業ノウエンコーポレーションの取締役の一人。
ありあまる財と才能、そして美しい容姿を持っていて……輝ける人。そう形容するのが相応しい人だ。
「………わからない…」
「わからない…って?」
「私のこと、ううん。彼にとって、私って何なんだろう…」
「え?でも、聞いた話だと、その…キ、キスしてるとこ、見たって言ってたし、そいうのって、こ、恋人同士じゃないと、しないんじゃないかなって思うんだけど…」
違うの?とアデーレはやや心配そうな目線を送る。
ああ、いけない、心配させてはいけない。
「恋人、って彼は言ってくれたけど。私は、わからない。」
「ショウエンはお兄さんのこと、好きじゃないの?」
「そんなことは!…あ、その、そんなことは、ない…」
大声を出してしまったことを詫びるが、彼女は気にしないでと頭を振る。
「お兄さんは、ショウエンの事、好きって言ってくれるの?」
あの夜の翌日、一日中彼のベッドで囁かれた愛の言葉。
もはや現実味が無くなってきている、夢のような心地の時間は、確かに現実だった。
『好き』や『愛している』を、洪水の様に次から次へと囁かれた。
それを思い出してまた、赤面した。
夕日に染まる空気の中でも、私の顔はそれと分かるほど赤くなっていたようで、彼女はそんな私を見てまた嬉しそうに笑った。
「それなら、両想いってことでいいじゃない。私のお父さんとお母さんが言っていたの。お互いの気持ちが通じたら、他はなにも心配ないわ。…それにショウエン」
彼女は夕日を背に、これ以上ないくらいの笑顔を浮かべて
「あなた、いまとっても『恋する乙女』に見えるわ」
嬉しそうにそう言った。
END
ショウエンのお友達アデーレちゃんです。
父親は科学雑誌の編集者で、母親も同じ職場で取材班をしているインテリ一家です。
眼鏡三つ編みの典型的メガネっ子スタイルで成績優秀ですが、運動神経は悪くない子です。
刺されたDを見てもそれほど取り乱さないあたり肝が据わってます。




