第16話 投資活動
さて、残念なことに、ゴールポストが動いてしまった。
「一生、のんびりと過ごす」というゴールが目前だったのに、新たなゴールとして「宇宙進出、CO2削減、国際紛争解決、ポピュリズム打倒」が発生してしまったのだ。
ほんとに、これ、どうすりゃいいんだよ。
剣も魔法もないこの世界では、武器になるのは学力だけだ!
いや、やっぱり財力でしょう。この資本主義の世の中では。
ということで、パパンにおねだりをしよう。
「パパン、お小遣いちょうだい」
「おう、いくらだ」
「145億円」
「---」
競馬で当てた4億3千万円を突っ込んだ株式が、この14年間で182億円に膨れ上がっていたのだ。
手数料と税金を支払った後に残るのが145億円。
くそう、のんびりと暮らすだけであれば、このお金で人生を50周回できるのに、新しいゴールを達成するには、少なすぎるんだよ!
いや、ここで心が折れてはいけない。できることを粛々とこなしていこう。
1.株式会社設立
代表取締役 僕。取締役 ユメ。従業員 ゼロ。
資本金100万円。
株主構成 僕51%、ユメ49%。
パパンに「取締役になってください」とお願いしたが、兼業禁止とかでダメだと言われた。本当に何者なんだよ、パパン。
贈与税の基礎控除額を利用し、僕はパパンから100万円を貰った。僕からユメに49万円を贈与し、株式会社の資本金とした。
会社名はトール商会。なお、東インド会社にしようという僕の案は、ユメに却下された。
トール商会は、パパンから145億円を借り入れ。
トール商会名義の銀行口座ならびに証券口座を開設。
2.大学休学
「父親の会社が傾きかけています。とりあえず2年間休学し、父を支えます」と大学の窓口のおばさんに言った。
おばさんは大変心配してくれて、「奨学金があるんだからね。絶対に復学してね」と言ってくれた。
おばさん、ごめんなさい。嘘をつきました。心が痛みます。
3.マンション賃借
茅場町のマンションの一室をトール商会名義で賃借。PC等の必要機器を設置。
よし、これで準備が整った。
4.デイトレード開始
5:30起床
日本市場の寄り付きに向けて売買注文を準備。
欧米市場でのポジションを整理。
8:30~15:30
日本株、日本先物の取引。
16:00~19:00
欧州市場の取引。
22:30~26:00
米国市場の取引。
なお、ユメと一緒にデイトレードをしようと思ったら、未来予知さんが「ダメ、絶対」とのこと。
うん、わかる。ユメと一緒にいたらば、お猿さんに失礼なことが始まっちゃうからね。トレードどころではなくなってしまうからね。
ユメには洗濯・炊事等の家事をサポートしてもらいつつ、弁護士資格を取得するようお願いした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二年間続けた。
結果、資産は1000億円(税引き後)。
う~ん、思ったほど伸びないなあ。10倍はいけると思ったんだけど。
と、証券会社の担当のおじさんに愚痴をこぼしたら、「あんた、何言ってるの。あんた自分がなんて言われているか知っている? 怪物だよ、怪物って言われているんだよ」という趣旨のことを極めて丁寧な言葉で言われてしまった。
これ以上やると体と心が病んでしまうと思い、未来予知さんに相談したところ、「まあ、やらないほうがいいかなあ」と言ってくれたので、デイトレードは終了。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2019年1月
ビットコインならびにアップル株に、それぞれ500億円ずつ投資。
2019年4月
大学に復学。受付のおばさんは僕のことを覚えてくれて、自分のことのように喜んでくれた。その後で心配そうに、「奨学金の手続き、しなくてもいいのかい?」と聞いてくれた。
うん、おばさん。僕は1000億円持っているから大丈夫だよ。正確には僕が510億円、ユメが490億円だけど。
---ああ、心が痛い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2020年1月
ビットコイン・アップル株を売却し、テスラ株を購入。購入総額1500億円。
2020年3月
WHOがCOVID-19について「パンデミック」と評価。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2021年1月
テスラ株の30%を売却し、NVIDIA株を購入。NVIDIA株の購入金額3000億円。
同月
バイデン大統領就任。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2021年12月~2022年1月
テスラ株ならびにNVIDIA株を全株売却。税引後の純資産1兆2400億円(108億ドル)。
よし、ここからが本当の勝負だ。
株価ならびにビットコインの価値は現実の数字に基づいています。
次回の投稿は月曜日です。




