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3転!(2度目の転生に関する報告書 続編)  作者: トール


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15/22

第15話 上司とのリモート面談

「続き、しよっか」

「あん♡」


続き(本日二回目)が終わった時、また着信音がした。

え~、これ出なきゃいけないの? 未来予知さん、どう思う? え? 絶対出なきゃいけない? 嫌だなあ---


「おまえら、猿かよ」

「いや、それは猿に失礼でしょう」

動物園の猿山で、10時間ぶっ通しでいたしている猿を見たことがないよ。お子様に「パパ、あのお猿さんたち何しているの?」と聞かれたら、どう答えたら良いんだよ。


「---良い度胸してるじゃねえか」

「あの、失礼ですが、どちら様でしょうか」

「上司だよ、リリアナの。おまえが上司を出せって言っていた、その上司だよ」

「あっ、最高神さまでしたか。これは大変失礼いたしました。あらためまして、わたくし、トールでございます。いつも大変お世話になっております。また、今般は、地球世界に転生させていただきましたこと、深く感謝申し上げます」

「ユメです。主人のもとへ転生させていただきましたこと、誠にありがとうございます」

「これはどうもご丁寧に---って、随分態度が変わるじゃねえか」

「いえいえ、最高神さまあっての僕ら人類。常に感謝と尊敬の念を抱きながら生きている今日このごろです」

「それじゃ、その尊敬の念とやらで、リリアナのミッションに取り組んでくれよな」

「え~、無理ですよ、あのミッション」

「---尊敬の念とやらはどこに行った」

「無理なことは、はっきりと無理と言う。たとえそれが諫言と思われようとも。それが神の下僕であるわたくしどもの勤めであると承知しておりますゆえ」

「いや、あいつ(リリアナ)が言っていた事項を全て取り組めと言っているわけではない。一項目だけでも進めてくれれば、それでいい。それと、あいつが言っていた目標とかノルマは気にしなくていい。あれはあいつが勝手に言っているだけだ」


「---これは、本気でお願いすることなのですが」

「何だ?」

「担当者(神)、変えられませんか?」

「できることならそうしたいよ!ついでに、あいつを俺の部下から外したいよ!」

どうやら、担当者の変更はできないらしい。


「ちなみにですけど、もしもミッションに着手しなかったらば、どうなっちゃうんですか」

「ああ、おまえはD評価になる。前々回A評価、前回S評価のおまえがいきなりD評価になったらば、ネチネチと言われるんだよ。リリアナと、リリアナの上司である俺がな」

「誰にネチネチと言われるんですか」

「査定会議のメンバーにだ」

「最高神なのに?」

「ああ、絶対神ではないからな」

「---もしや、派閥とかある?」

「---おまえが知る必要はない」

どうやら派閥があるらしい。


「えっと、ミッションに取り組まないと、僕らは何か罰を受けたりするんですか。雷に打たれて死ぬとか」

「いや、それはない。人間界に神が直接関与することは禁じられているからな」

「---今、関与していますよね」

「ああ、ぎりぎりのラインだ。おまえの世界でいうところのイエローカードって奴だ。ほら、あるだろう。カードをもらうことを覚悟して相手を止めなきゃいけない場面とかが。今がその状態だ」

この神、サッカーに詳しいな。

「それじゃ、リリアナさんは?」

「さっきの電話でイエローを1枚もらっている。次に電話をしたら2枚目でレッドだ。だから、こうして今、俺が電話をしている。イエロー覚悟でな」

「レッドをもらったら、退場?」

「処遇はコンプライアンス委員会で決定される」

コンプライアンス委員会? 黒縁眼鏡をかけた女性が出てきて「わたしが、コンプライアンス委員会です」っていう、あれのことか? いや、そうじゃないって。

「まあ、大抵は一階級降格だな。俺の場合は、上位神への降格、リリアナの場合は下位神だから退場(堕天)だな」


「つまりは、仮に、いや、本当に仮にですけど、僕がミッションに取り組まなくても、あなた方から罰を受けることはないと」

「ほお、良い度胸してるじゃねえか」

「いやあ、それほどでも」

「褒めてない! まあ、それならそれでかまわないがな。4度目の転生先、どうしようかなあ。トールは地球がお好きなようだからなあ。クロマニョン人に転生させるかなあ。ネアンデルタール人も捨てがたいなあ。D評価を受けたやつの転生先なんて、誰も気にしないからなあ」

「---汚えな」

「お褒めの言葉と受け取っておこう。それで、トール、どうするんだよ」

「もちろん、ミッションに全力で取り組ませていただきます。部下の失態をカバーすべく、イエロー覚悟でご連絡を賜りましたこと、そのお優しさに心を打たれました。一生、いや、転生後も最高神さまのお優しさ、心意気を忘れることなく、ミッションに取り組ませていただきます」

「---おまえと話していると疲れるな」

「奇遇ですね、僕も疲れます」

頼むぞ、本当に、くれぐれも、頼んだぞ、と何度も念を押された後、通話は終了となった。


「さて、ユメ」

「はい、おにいちゃん」

「僕は最高神さまからミッションを授かった」

「ん、ユメは全力でサポートする」

「ありがとう。だが、あせってもしょうがない」

「ん」

「とりあえずは」

僕はユメを抱き寄せる。

「続き(3回目)、しよっか」

「あん♡」


参考:全力 脱力タイムズ(ヒコさん、すてきです)

次回投稿は金曜日です


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