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魔法を願った少年  作者: 彩音りあ
プロローグ
3/14

転生

俺は転生した。


目を覚ますと、そこは死に場所となった魔物の森だった。


最初は異世界に転生したのかと思った。

だが違う。


ここは前世と同じ世界だ。


赤子として生まれ変わったわけでもない。

姿形もそのまま。


まるで死ぬ直前の俺が、そのまま蘇ったようだった。


――ただ一つを除いて。


「……魔法が、使える」


震える声で呟く。


そして、すぐに試した。


「分析魔法、《ステータス開示》!」


目の前に半透明の画面が現れる。


そこには、俺の能力が表示されていた。


スキルは二つ。


一つ目は《魔法創造》。


自分だけの魔法を生み出せるスキルだ。


ただし制約もある。


死者を蘇らせたり、神を殺すといったような、世界の理を超える魔法は作れない。

さらに、強力な魔法ほど厳しい制限が課されるらしい。


例えば、“世界中の生物を支配する”なんて規模の魔法は、おそらく実現不可能だろう。


そして最大の制約。


魔法を創造できるのは、ひと月に一つだけ。


今使った《ステータス開示》も、《魔法創造》によって生み出した魔法らしく、次に創造できるまでの残り時間が表示されていた。


前世にも分析魔法自体は存在した。


だが見られるのは能力値や属性程度。

スキルの詳細まで確認できる魔法ではなかったはずだ。


そして二つ目のスキル。


《魔力無限》。


魔法を使うために必要な魔力。


言葉通りそれが無限に使える。


――つまり、魔法が撃ち放題ということだ。


試しに俺は、近くにいたゴブリンへ《火球(フレア)》を放った。


爆ぜる炎。


ゴブリンが悲鳴を上げて吹き飛ぶ。


「はは……」


自分が魔法を使えている。


それだけで、笑いが込み上げてきた。


もっと使いたい。


もっと、もっと。


だが使えたのは《火球(フレア)》だけだった。


前世で独学していた初級魔法が、それしかなかったからだ。


どうやら、知識のない魔法は使えないらしい。


他の魔法を覚えるには、使い方を学ぶ必要がある。


本来なら魔法学校へ通うのが一番早い。


だが今の俺は既に通える年齢ではなく、そもそも素性の知れない人間を学校が受け入れるとも思えない。


となれば方法は二つ。


魔導書を買うか、誰かに教わるか。


幸い、火球だけでも簡単な依頼ならこなせるはずだ。


まずはギルドに登録し、金を稼ぐ。


そう決めた。


……もっとも、以前いた町へ戻るつもりはない。


あの場所には、仕事を求めた俺を嘲笑い、虐げた連中しかいない。


俺は森を抜け、新しい町を目指して歩き出した。

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