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魔法を願った少年  作者: 彩音りあ
プロローグ
2/20

望むこと

ここは……どこだ?


見渡す限り、真っ白な空間。


さっきまで感じていた痛みがない。

確か俺は、戦場で流れ弾に撃ち抜かれて――。


「いやあ、すまんかったのう」


不意に声をかけられた。


振り向くと、そこには老人が立っていた。

昔、拾った本で見た“神様”によく似た姿。


「……誰だ、じいさん」


「神じゃよ」


あまりにもあっさりした返答だった。


「お前さん、ずいぶん辛い人生を送ったじゃろ?」


「……なんで知ってる」


老人――神は、申し訳なさそうに答えた。


「実はのう。わしら神の間で“人生ゲーム”という遊びが流行っておってな」


意味がわからないが、ただ嫌な予感がした。


「世界を選び、人を選び、あとはルーレット任せ。止まったマスに応じて人生が決まるんじゃ」


「……は?」


「おぬしは、わしのコマじゃった。ところが運が悪すぎてのう。見事にバッドイベントばかり引いてしまってな」


頭が真っ白になった。


つまり俺の人生は――。


「ふざけるな」


声が勝手に漏れていた。


「どれだけ苦しんだと思ってる。親に愛されず、人として扱われず、孤独に死んだ俺の人生……! それがお前らのゲームのせいだったってか!?」


怒りで身体が震える。


だが神は、ただ静かに頭を下げた。


「本当にすまんかった。じゃから償いとして、おぬしには新しい人生を与えよう」


「……新しい人生?」


「次は、おぬしの望む力を持たせてやる」


怒りは消えない。


それでも――。


あの地獄のような人生のまま終わるよりは、もう一度やり直せるなら。


「おぬしは、何を望む?」


神に問われる。


答えは、最初から決まっていた。


「――魔法が使いたい」

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