05-08.仲良し姉妹
私たちは受け入れられた。
私はグラシアではなく、アズキとして。
ビビアンはビルフでもなく、ヨモギとして。
新しい家族として皆が受け入れてくれた。
異世界人の話は、この世界における常識だったようだ。前にスフィアの言っていた通りにゃ。父ちゃんとポルカだけでなく、母ちゃんやアリシアまで知っていた。
道理で話がスムーズなわけだ。もちろんそれだけじゃないけれど。
皆強いにゃ。とっくに覚悟が出来ていたにゃ。
「アズキも認めてくれるの?」
「仕方ないにゃ。私も空気は読むにゃ」
ヨモギと呼んでやるにゃ。ここでごねたりなんてしないにゃ。誰あろう、スフィアがそれを気に入っているのだから。
「その名前に恥じぬ活躍を期待するにゃ」
「どれだけ高尚な意味を込めているんですか?」
うっさいにゃ。今のはヨモギに言ったにゃ。おみゃあに言ってないにゃ。スフィアは浮かれすぎにゃ。それ自体は嬉しいけどにゃ。
「仲良くしてくださいね♪ 私たちは家族なんですから♪」
「それはまだ早いにゃ。ヨモギはポット出が過ぎるにゃ」
「ひどっ!? 事実だけど!」
自覚はあるんにゃ。潔いにゃ。そういうとこは好きにゃ。
「お姉ちゃん。虐めちゃダメ」
「はいにゃ」
くっ……アリシアには勝てないにゃ……。
「お姉様も調子に乗らないでくださいまし!」
「は、はい……」
どこも似たりよったりにゃ。
「羨ましいです。私も姉妹が欲しいです」
「何を仰られるのです! スフィアお姉様!」
「今はキナコお姉ちゃんです♪ わかっていますよ♪ ポルカ♪」
ただの構ってちゃんにゃ。
「なんだか羨ましいですわ。わたくしも欲しいですわ」
名前にゃ?
「アズキ、キナコ、ヨモギときたら、後はワラビとズンダかしら」
「にゃらポルカはズンダにゃ。緑同士お似合いにゃ」
「いいわね♪ 語尾に『のだ』って付けてくれるかしら♪」
「それはダメにゃ!!」
何言い出すにゃ!
「親から貰った名前は大切にするにゃ!」
「いきなり梯子外さないでよ」
おみゃあのせいにゃ。
「ならお姉ちゃんもグラシアでいいじゃん」
「それは! それは……」
「あ……ごめんね。意地悪言って」
「いいんにゃ。これは私の我儘にゃ」
最初はただ思い出せなかっただけにゃ。だからグラシアを名乗れなかったにゃ。今となってはアズキの名前にも大切な意味が出来たにゃ。スフィアが読んでくれた名前にゃ。それは私だけのアイデンティティにゃ。グラシアには悪いけど、これだけは許してほしいのにゃ。
「私こそ」
「ううん。グラシアお姉ちゃんじゃないよ。アズキお姉ちゃんだよ。蒸し返してごめんね。大好きだよ。お姉ちゃん」
「私もにゃ。アリシア」
大切で大好きな妹にゃ。
「やっぱり羨ましいです」
まだ言うにゃ。
「……アリシアはあげないにゃ。たとえスフィアにだって」
「あらま」
「どの道、義妹にはなるのでは? お姉様たちは結婚なさるのでしょう?」
「え゛……?」
アリシアが変な声出したにゃ。知らなかったにゃ?
「話してなかったにゃ? 私とスフィアは恋人同士にゃ」
「……」
黙って距離を取らないでほしいにゃ。
「ちなみにポルカもスフィアの恋人にゃ」
「「えぇ!?」」
「なんでポルカまで驚いてるのよ。話が通っていないみたいよ?」
「今決めたにゃ。昇格にゃ」
「アズキは強引ですね」
「嫌かにゃ?」
「そんなわけないじゃないですか」
「なら問題無いにゃ。決まりにゃ」
「お姉様……」
「はい。ポルカ」
ひっそりと抱き合う二人。絵になるにゃ。
「ア~ズキ♪」
「おみゃあはダメにゃ」
「なんでよ!?」
「精進するにゃ。ポッと出感が無くなったら受け入れてやるにゃ」
「また言ったわね!? 私頑張ったわよ!?」
「まだまだ頑張るにゃ。応援してやるにゃ」
「寛大なのか狭量なのかわからないわね……」
「めっちゃ寛大にゃ。スフィアは私のにゃ。私だけのものにゃ。けど皆にも少しずつわけてやるにゃ」
「……本音は?」
「スフィアはとんでもない性豪にゃ。覚悟しとくにゃ」
「「ごくりっ!」」
「アズキ!!」
やばっ!
「お姉ちゃん……そういうことしてるんだ……」
こっちもにゃ!?




