05-06.再会
「追いついたにゃ!!」
やっぱりワイバーンの群れだったにゃ! でっかいのがいるにゃ! あいつがストーム・ロードにゃ! 捕まえて仲間にするにゃ! これでいっきに問題解決にゃ!
「魔力も十分です!」
確かになんか私の中からごそっと削れた感覚があるにゃ。けど代わりにスフィアがピンピンしてるにゃ。あんな速度で飛んでたのに、消費してないどころか回復したみたいにゃ。魔力譲渡は効率良いにゃ。私もバッテリーになれそうにゃ。
スフィアは不意を突いてあっという間にワイバーンの長を捕縛し、群れから離脱した。
ワイバーンたちは一応付いてきた。けど積極的に攻撃してくる様子がない。何を考えているのか。ちょっと不気味。
スフィアは付かず離れずの位置を飛び続け、暫くして発見した島に降下した。
「わんわんを呼んでください」
「呼ぶ? こんな島にどうやってにゃ?」
「取り敢えず念じてみてください」
うにゃにゃ……。
ポンッ!
『呼んだか。主』
にゃにゃ!? わんわんが現れたにゃ!? まさか転移にゃ!? スフィアも使えないのに!? 伊達に長く生きてないにゃ!
「ぺっ」
しかもなんか吐き出したにゃ!?
「『シルバー・レイス・オウル』ですね♪ お手柄です♪ わんわん♪」
「凄いにゃ! 見つけてくれたにゃ! 偉いにゃ! 頭を下げるにゃ! ナデナデしてやるにゃ!」
「わぁぉぉぉぉぉおおん♪」
しっぽフリフリにゃ♪ ナデナデなで~♪ 抱きっ♪
「さあアズキ♪ ちゃっちゃと契約しちゃいましょう♪」
スフィアに引き剥がされたにゃ。さっきまで散々ちゅっちゅしてたのにヤキモチにゃ。
「スフィアが契約すれば良いんじゃにゃいか?」
「キスの口実が! ごほん。契約を執り行うのはわんわんですから♪ アズキの方が都合が良いのです♪」
あれだけやってまだ飢えてるにゃ? スフィアは欲しがりさんにゃ。それかただのキス魔にゃ。やっぱり窮屈な王様生活はスフィアにとってストレスだったのかもしれないにゃ。
「さあ! おみゃあら! 我に従うにゃ!」
----------------------
「お姉様!? 本当にお姉様ですの!?」
ワイバーンを群れごと従えた私たちは、南大陸のギルドで情報収集しつつ、妹たちの現在地も割り出した。
元々妹たちには、道中のギルドに寄って伝言を残してもらう手筈になっていたのだ。
「会いたかったにゃ! ポルカ!!」
真っ先にポルカに駆け寄って抱きしめようとしたが、私より更に素早く、スフィアがポルカを抱きしめていた。
「ポルカ! ポルカ! 本当に会えましたぁ!」
ボロ泣きにゃ。ふふ♪
「おっと♪ アリシア♪ 元気そうでなによりにゃ♪」
代わりにもう一人の妹が飛び込んできた。前回会った時は微妙に距離を置かれていたけれど、今回は正反対だ。
「……お姉ちゃん」
アリシアは泣くでもなく、笑うでもなく、ただ必死に私を抱き締めている。もうどこにも行ってほしくないとでも言うかのように。
「良い子にしてたにゃ?」
「……うん。いっぱい頑張ったよ。お姉ちゃん」
「そうかそうか♪ 偉いにゃ♪ 流石は私の妹にゃ♪」
あの泣き虫ちゃんが堪えてるにゃ♪ それだけで十分伝わったにゃ♪
「うん……えへへ♪」
可愛い妹にゃ♪ なでなでにゃ♪
「アリシア。それに父ちゃん。母ちゃんを見つけたにゃ」
「本当か!? ルシアは!? 連れてきていないのか!? 動かせない状態なのか!?」
「そんなところにゃ。けど安心するにゃ。母ちゃんは元気ぴんぴんにゃ。事情を説明してやるにゃ」
けれどその前に。
まだ船に乗せられて売られそうになっていた人たちが三人残っているにゃ。たぶんギルドで解決出来なくてそのまま父ちゃんたちの旅に同行していたにゃ。
彼女たちを故郷に送り届けるにゃ。ワイバーンたちならすぐにゃ。
「ああ。違うんだ。この子たちは……」
……そうか。故郷が。アリシアと同じにゃ。故郷ごと焼き払われたにゃ。
「なら付いてくるにゃ。私が居場所を用意してやるにゃ」
父ちゃんたちもまだこっちでの新しい生活拠点は見つけられていなかったみたいだし。まさか元々住んでいた場所に戻るわけにもいかんしにゃ。このまま旅生活を続けるくらいならうちの国で過ごすんで構わん筈にゃ。
「母ちゃんも待ってるにゃ♪」




