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【完結済】転生したら猫耳美少女メイドだった。悪役令嬢に攫われた。 ー 愛知らぬ光の悪役令嬢と気まぐれポンコツ猫娘。南国の楽園を目指す ー  作者: こみやし
04.目的地

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04-01.つよつよ令嬢とよわよわ猫娘


「私の意思はよわよわにゃ」



「今更気付いたんですか?」


 私はすぐに人の意見に流されるにゃ。


 けどそれでもにゃ。母ちゃんを探すと決めたのは自分の意思だと言い張りたいにゃ。


 ポルカの涙を見たからってのも無いわけじゃにゃいが。


 父ちゃんの不安と天秤に掛けたのも事実にゃが。


 それでも私はグラシアのために何か一つでも報いてやりたいのにゃ。それが私の決意にゃ。


 私は必ずグラシアに恩を返すにゃ。あの瞬間までグラシアが頑張ってくれたから……私はスフィアに会えたのにゃ。



「もう寝るにゃ。また明日が辛くなるにゃ」


「ふふ♪ いつも通り流されてください♪」


「勘弁してくれにゃ」


「そんなこと言って良いんですか? 返し切れない恩があるのでは?」


「開き直りすぎにゃ。そんな愛を嫌だと言ったのはスフィアの方にゃ」


「いいんです♪ アズキは私をいっぱい愛してくれているんですから♪ だから私も素直に甘えているんですよ♪」


 それを言われると弱いにゃ。


 しかしスフィアも随分と変わったにゃ。これは私のお陰にゃ。間違いないにゃ。


 私頑張ったにゃ。いつもいつもどんだけ鳴かされても耐え抜いてきたにゃ。スフィアの愛は重すぎるにゃ。その出力方法が大半性欲なのも問題にゃ。


 スフィアは極端にゃ。極端に愛を示すし、極端に尽くしてしまうのにゃ。全部一緒なのにゃ。そういう意味ではノルドの貴族令嬢であった頃から何も変わってないにゃ。


 私の頑張りはまだまだ足りていないのかもしれんにゃ。



「やっぱりスフィアは相変わらずにゃ」


「私は変わりましたよ? アズキのお陰ですよ?」


「全然にゃ。執着の対象が挿げ替わっただけにゃ」


「……よくわかりません。愛するから執着するのでは?」


「にゃらスフィアは……ノルドを愛していたのかにゃ?」


「そんな筈ないじゃないですか」


「けどスフィアは執着してたにゃ」


「違います。そんなことはありません」


「にゃらなんで逃げなかったにゃ?」


「逃げるつもりでした。準備万端でした。アズキも知ってのとおりです」


「スフィアならもっと早く逃げられた筈にゃ」


「……私だって貸し借りを解さないわけではないのです」


「育ててくれた国だからかにゃ? 恩を返すまでは出ていけないと思っていたにゃ?」


「そうです。その通りです。それ以外に理由はありません」


「違うにゃ。スフィアは諦めきれなかったんにゃ。彼らを救ってやりたかったんにゃ。それこそがスフィアの執着にゃ」


「……だとしたら何か問題があるのですか?」


「いんや。問題は無いにゃ。人間とはそういうものにゃ。誰だって拠り所を求めるにゃ。スフィアはそれが少しばかり行き過ぎているだけにゃ。人より少し頑張りすぎてしまうだけにゃ。結局はその程度の話なのにゃ」


「私の想いは重いのですか? 耐えきれませんか?」


「違うにゃ。これは私の感傷にゃ。私の我儘にゃ。私はスフィアを変えられていないにゃ。私はスフィアを世界で一番の幸せ者にしたいのにゃ。けれど私一人じゃ応えきれていないのにゃ。私はスフィアを満足させられていないにゃ」


 やっぱりポルカが必要にゃ。



「何を言い出すかと思えば」


 なんにゃ? その口ぶりは。呆れているのにゃ?



「私は世界で一番幸せですよ♪」


 そうだったにゃ。スフィアはこう見えてロマンチストだったにゃ。



「アズキは誰より私のことを考えてくれています♪」


 当然にゃ。この世で最もスフィアを愛しているのはこの私なのにゃ。きっとポルカにだって負けないにゃ。



「私はそれが何より幸せなのです♪ 私が一番欲しいものは既に私の手の中にあるんです♪ 愛する人が同等以上の愛を返してくれるんです♪ たとえこれが貸し借りだって構いません♪ 一生アズキを縛り付けてみせます♪ どんな手を使ってもです♪ 私は私の幸せのためにアズキの愛を欲するのです♪ アズキがそういう風に変えてくれたんです♪ 私が満足していないだなんてとんだ勘違いです♪ 私は今、世界中の誰よりも幸せなんです♪」


「……触れ合わないと愛を確かめられないのにかにゃ?」


「誤解です。愛を伝えるためです。愛を高め合うためです」


「……私はそうは思わないにゃ」


「つまり私の愛が正しく伝わっていないということですね。どうやらまだまだ足りていなかったみたいですね」


「待つにゃ。落ち着くにゃ」


「私は冷静です。冷静にアズキの心を鈍らせているのです」


「……意味がわからんにゃ」


「一つになりましょう。溶け合いましょう。我々の境界が消失するまで絡み合いましょう。心と心で触れ合いましょう」


「……やっぱりおみゃあはおかしいにゃ」


「ならアズキの言う正しい愛を教えてください。私の心に叩き込んでください。私の愛を矯正してみせてください。これは勝負です。どちらの愛が上なのか競い合いましょう」


「……そうにゃ。きっとそれが問題なのにゃ。私はスフィアの愛に違和感を抱いたにゃ。けど自分の信じる正しい愛なんて持っていないのにゃ。だから答えを示せないのにゃ。強いスフィアに立ち向かえないのにゃ」


「ならばどうするのですか?」


「本当ならスフィアと一緒に探したいところにゃ」


「やはり私の示した愛では納得いかないと?」


「そうにゃ。だから探すにゃ。私が一番しっくりくる愛を見つけて示すにゃ」


「楽しみです♪ けれどそれまでは、私の信じる愛に付き合ってください♪ 借りを返すためでも構いませんから♪」


「仕方ないにゃ。今日は私の負けにゃ。敗者は勝者に従うにゃ」


「ふふ♪ ようやく今晩の言い訳が終わりましたね♪」


「違うにゃ。そんな誤魔化しじゃないにゃ。私は本気にゃ」


「ええ♪ 信じていますよ♪ いつだって♪」


「にゃらいいにゃ。今に見てるにゃ。ひぃひぃ言わせてやるにゃ」


「楽しみです♪ 本当に♪」


 そんな余裕でいられるのも今のうちにゃ。私は絶対負けないにゃ。主導権を掴み取ってみせるにゃ。絶対にゃ。

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