03-14.北へ
「スフィア。力を貸してほしいにゃ」
「はい。アズキ。私も同じ考えです」
「ありがとう。スフィア」
もう恩が返しきれないにゃ。私はどうやって報いればいいにゃろか。
「わたくしも行きますわ!!」
「無理にゃ。スフィアのグライダーは二人乗りにゃ」
「ですが!」
「ポルカ。どうかお願いです。ギル様とアリシアさんを南大陸に送り届けてあげてください。あなただけが頼りです」
「えぇ!? わたくしにそんなことが!?」
「出来ます。船員を一人解放しましょう。ギル様と協力してその人を見張ってください。実はまだ船の中に、他の被害者たちも残っているのです。彼らにも協力して頂きましょう」
「……はい。わかりましたわ。グラシアの……アズキお姉様のお母様をお願いしますわ」
「任せるにゃ♪」
「ありがとうございます。ポルカ。目的を果たしたら必ず迎えに行きます。また三人で旅をしましょう」
「絶対ですわ! 約束ですわ!」
「はい♪ 約束です♪」
「良い子に待っていたら次は恋人に加えてやるにゃ」
「「なっ!? なんですって~~!!?!」」
二人とも驚きすぎにゃ。
「勘違いするにゃ。スフィアの恋人にゃ。私一人じゃこの恩は返しきれないにゃ。だから妹にも手伝ってもらうにゃ」
「喜んで!!」
「ダメですよ! アズキはわかっている筈です! そんな打算的な関係を私は望みません!!」
「心配するにゃ。ポルカはおみゃあを愛しているにゃ」
「その通りですわ! お姉様!」
「そういう問題じゃありません!! だいたいまだポルカは未成年です!」
「何言ってるにゃ。再会する頃には成人にゃ」
きっと長旅になるにゃ。今度もまた三人で来ることになるにゃ。グライダーに乗って戻ってくるのは無理にゃ。船旅は時間が掛かるものにゃ。そもそも見つけ出すまでにどれだけ掛かるのかもわからんにゃ。
「それは! けど!!」
「いいから受け入れるにゃ。私はスフィアを幸せにしたいにゃ。スフィアに沢山の愛を受け取ってほしいにゃ。だからスフィアのハーレムを容認するにゃ」
「私は! 生涯アズキだけを愛すると誓ったんです!」
「それは嬉しいことにゃ♪ にゃら後はポルカの頑張り次第にゃ♪ 私はただ認めるだけにゃ♪」
「なんかズルくないですかぁ!?」
「ポルカに不満がなけりゃ問題無いにゃ♪」
「ある筈ありませんわ! 感謝致しますわ! お姉様!」
にゃふふ♪
「もう! そんな呑気してる場合じゃないでしょ!」
「逃げたにゃ」
「逃げましたわね」
「あのですねぇ!!」
「逃げるにゃ♪」
「逃げましょう!」
「あ! こら! 待ちなさい!!」
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「……本当に行くのか?」
「わりいにゃ。止まるつもりは無いにゃ」
「すみません。あの子の話はまたいずれ」
「……そうか」
「必ず戻るにゃ。母ちゃん連れてくるにゃ。その時は全部話すにゃ。だからそれまで妹たちを頼むにゃ。……父ちゃん」
「……おう。任せとけ。娘よ」
「うんにゃ♪」
それから全ての準備を済ませ、ポルカたちの出航を見送ってから、私とスフィアは再びノルドを目指して飛び立った。
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「むっちゃ寒くなってきたにゃ」
「北国ですから。はいこれ。アズキのコートです」
「助かるにゃ」
メイド服の袖ダメにしちゃったにゃ。折角の仕込みナイフも台無しにゃ。またあの装備屋に寄りたいにゃ。そんな余裕があればの話にゃが。
「明日、魔力が回復したらまた飛びますよ」
「うんにゃ。朝までしっかり休むにゃ」
その日の移動に区切りをつけ、私たちは途中の町で降りて宿を確保した。
「アズキ」
「今からにゃ?」
「ご無沙汰でしたから」
「早めに休むにゃよ?」
「はい♪ 約束します♪」
約束は破られた。
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「さあ♪ 今日も一日頑張っていきましょう♪」
明け方までハッスルしてたくせに元気いっぱいにゃ。
「アズキは寝ていて構いませんよ♪」
「そうさせてもらうにゃ……ふあぁ~~」
にゃむにゃむ。
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「スフィア。もしかしてわざと気を遣っているのかにゃ?」
「何の話ですか?」
「違うにゃ? にゃら緊張してるにゃ?」
だから気を紛らわそうと明るく振る舞うにゃ? 私の身体を貪るのにゃ?
「緊張は……そうですね。言われてみるとしているのかもしれません」
「心配は要らんにゃ。戦争に首なんて突っ込まないにゃ」
「はい。強襲作戦です。ローゼンバーグ伯爵を問い正して奴隷商を見つけ出します。後はそこから辿っていくだけです」
「奴が取引を持ちかけてきても無視にゃ。尋問して情報だけ抜き出すにゃ」
気にはにゃるが、ビビアンの件も敢えて聞いたりなんてしないのにゃ。最低限の目標だけに集中するにゃ。
「アズキこそ心配しすぎです。ちゃんとわかっていますよ」
「にゃらいいにゃ。行くにゃ。相棒」
「はい♪ 行きましょう♪ 相棒♪」




