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【完結済】転生したら猫耳美少女メイドだった。悪役令嬢に攫われた。 ー 愛知らぬ光の悪役令嬢と気まぐれポンコツ猫娘。南国の楽園を目指す ー  作者: こみやし
03.回り道

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03-12.父と娘


 プスプスプス。煙を上げる海賊たち。



「やりすぎにゃ……」


 凄い威力にゃ……。まさかここまで強くなっていたなんて驚いたにゃ。酒に引火しなくて良かったにゃ……。



「……」


 あれ?



「……わたくしは」


「おい! グラ!」


 マズいにゃ!


 私は慌ててポルカを抱き締めた。正面からしっかりと抱え込んで、ポルカの視界を塞いだ。



「ポルカ。大丈夫にゃ。落ち着くにゃ」


「……」


 ……なんにゃこれ。ポルカはどうしちゃったにゃ。


 わかりやすく取り乱すでも、泣き出すでもないにゃ。ただ呆然としてしまったにゃ。おみゃあは今何を思ってるにゃ。



「……お姉様。大丈夫です。放してください。次が来ます」


「待つにゃ! こいつらはまだ生きてるにゃ! それに悪人と決まったわけでもないのにゃ!」


 海賊と言ったのは私にゃけど!



「ですが……」


「あめぇこと言ってんじゃねえ!!」


 ギル!? なんにゃ!? どうしたにゃ!?



「やれるな! 嬢ちゃん!」


「はい!」


 にゃっ!?



「待つにゃ! ダメにゃぁ!!!」


「ファイヤーボー」


「そこまでです!!!」


 にゃにゃっ!?


 スフィア!? 戻ってきてくれたにゃ!?




----------------------




「密輸拠点?」


「はい。どうやら南大陸の貴族が絡んでいるようです」


 ポルカに代わってあっという間に捕縛と治療を済ませたスフィアが、拘束した船長から事情を聞き出してくれた。



「海賊ではなかったのですか……」


「似たようなものです。犯罪組織に変わりありません。人身売買も行っていたようですし」


 スフィアが自身の背中に手を回し、縮こまっていた一人の少女を突き出した。船に囚われていたのを助け出してきたようだ。猫耳の生えた少女だ。猫耳族だ。けどこの顔どっかで見た気が……。



「えぇ!?」


「アリシア!?」


「パパっ!?」


 にゃに!?


 少女とギルが抱き合った。



「なっ!? じゃあまさかこの方は!?」


「はい。私も驚きました。ギル様はアズキの……グラシアのお父様です」


「にゃにゃ!? にゃんでそうなるにゃ!?」


「何を言ってるんですの!? お姉様!? この子はお姉様とそっくりではありませんか!!」


 え? ああ。にゃるほど。どっかで見たって自分にゃ。



「うわぁぁぁあああん!! パパぁ~~~!!!」


「アリシア……いったい何があったんだ……」


 今のこの子から話を聞くのは無理そうにゃ。



「複雑な事情がありそうですね。こちらももう少し話を聞き出してきましょう」




----------------------




 船の乗組員たちを牢屋に移し、私たちは別室に移動した。


 船長から話を聞き終えたスフィアが戻ってきたところで、ギルたちからも話を聞くことにした。



「……おみゃあは……グラ……私の……父親にゃのか?」


「……おう。すまねえな。言い出せなくて」


「ノルドに行きたがった本当の目的はなんにゃ?」


「おめえたちの母さんを探しに……なあ。グラ。母さんどうなったかわかるか? ……いや生きてるわきゃねえか……」


「……すまんにゃ。私は記憶喪失なのにゃ」


「……」


 ポルカも知らないようにゃ。俯いて沈み込んでいる。


 私はポルカを抱き締めた。



「そうか……すまねえ……本当にすまねえ……」


 今度はギルが……父が泣きだしてしまった。


 それから暫くして、少しずつ経緯を話し始めてくれた。



「俺たちゃ四人で暮らしてたんだ。猫耳族と人間。その娘が二人。幸せに暮らしてた。あの頃までは」


 私はハーフだったにゃ。全然気づかんかったにゃ。もしかして純粋な猫耳族はもっと違う容姿なんにゃろか。私は耳と尻尾以外は人間と変わらんにゃ。



「攫われたんだ。母さんとグラは。そんで俺は探し回った。アリは猫耳族の里に預けてな。そんでまあ……首謀者は見つけた。とある貴族でな。上手く潜り込むことには成功したんだ。母さんの情報を聞き出して……始末して。船に潜り込んだ。けどドジッちまった。んで置き去りだ。奴らは俺を牢に放り込んで放置した。なんとか抜け出したが、とっくに船は出た後だった」


「……苦労したんにゃ。父ちゃん」


「……グラたち程じゃねえよ。すっかり話し方まで変わっちまいやがって」


 ……うん? 口の聞き方ってそういう意味だったにゃ?



「なんにゃ。最初から気付いてたにゃ」


「……いや。正直半信半疑だった」


 おいこら。


 いやまあ、こんなとこで再会出来るだなんて夢にも思わにゃかったんだろうけども。



「それに名乗り出るつもりも無かったしな。今更どの面下げて父親だなんて言えるってんだ」


「その顔にゃ。よかったじゃにゃいか。言えたゃ」


「……良かねえだろ」


 父は自分にしがみつくもう一人の娘に視線を向けた。



「叔母さんたちはどうしたんだ? 里の皆は?」


「……(フルフル)」


 アリシアは、父に顔を押し付けたまま、僅かに首を横に振った。



「そうか……悪かったな……一人にしちまって……」


 父は再び妹を抱き締めた。

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