03-09.再会
「うみゃぁにゃぁ~」
久しぶりの食事にゃ♪ 全身が喜んでるにゃ♪
はふはふ♪ にゃふにゃふ♪ うみゃうみゃ♪
「猫耳族って見た目の割に丈夫だよなぁ」
「他の猫耳族を知ってるのかにゃ?」
「ああ。昔な」
ギルも大概謎だらけにゃ。
「誰か!! 誰か居るんですかぁ!? アズキ~~!!! 居たら返事してくださぁ~~~~い!!!」
「スフィア!!」
スフィアにゃ! スフィアの声にゃ! 来てくれたにゃ!
「アズキ!!? 居るんですね!? アズキ!!!」
「お姉様!!」
スフィアがすぐに駆け込んできた。ポルカも一緒だ。
「待ってたにゃぁ♪」
「アズキ!? 怪我を!? っ!?」
スフィアはすぐさま魔術による治療を始めた。傷はあっという間に消え去った。
「おっどろいたなぁ」
「この方は!? 袖は!? 何があったんですかぁ!?」
「落ち着くにゃ。このオジサマは命の恩人にゃ。名前はギルにゃ。袖は見ての通りにゃ。包帯代わりに使ったにゃ。ギルがやってくれたにゃ。だから警戒するにゃ。こんな見た目してめっちゃ良い奴にゃ」
「悪かったな。こんな見た目で」
にゃはは♪
「お姉様ぁ!!!」
治療が終わるのを待っていたポルカが飛びついてきた。ギャン泣きにゃ。悪いことしちまったにゃ。
「ありがとうございます!! ギルさん!!!」
「お、おう」
今度はギルの治療を始めた。どうやらギルも相当無茶をしていたようだ。ついでに浄化魔法を掛けまくっていった。
それからいつものようにどこからともなく大量の食料を出して、猛スピードで料理を始めた。あっという間に良い匂いが充満していく。
「……すげえな」
「ふふん♪ 言ったにゃろ♪」
「さあ! どうぞお召し上がりを!!」
「「いっただっきま~~す!!!!」」
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
ガツガツガツガツガツ!!!
「「うっまぁ~~~~~~い!!!!」」
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「はぁ~。食った食ったぁ~。生き返ったぜぇ~」
「私もにゃぁ~。もう食えないにゃぁ~」
「ふふ♪ ご満足頂けて何よりです♪」
「お姉様。お腹まん丸ですわ」
「ポルカ。膝を貸してくれにゃ」
「はい♪ アズキお姉様♪」
「にゃむ~♪」
「いいなぁ~」
「私がお貸ししましょうか?」
「にゃぬ!?」
「遠慮しとくぜ」
ふっ。いくら命の恩人にだってスフィアの膝は貸せねえにゃ。
「代わりにクッションをどうぞ♪」
「助かる。ありがたく使わせてもらうぜ」
「はい♪」
はぁ~……幸せにゃぁ~……。
「どうやってここまで来たにゃ?」
まさか船ごと来てくれたわけでもあるまいに。
「飛んできたんですわ!」
にゃに!?
「グライダーが完成したにゃ!? 私も乗りたいにゃ!」
「後で乗せてあげますよ。乗らないと帰れませんし」
やったにゃ♪ 空飛べるにゃ♪
「煙を上げてくれて助かりました。まだ飛ぶのには慣れていなくて。飛びながらでは探知が上手く扱えないんです」
にゃるほど。魚を焼いた時のにゃ。
「けど四人で乗れるのかにゃ?」
「無理ですよ。時間を掛けて一人ずつ運んでいくしかありません。魔力消費も多いですし」
ありゃま。
「もう船には追いつけないので、後ほど一人で一番近い陸地を探してきます」
「私も行きたいにゃ」
「我慢してください。魔力を節約しないといけないのです」
ありゃま。これはここまで来るのにも相当無茶してきたにゃ。
「スフィアこそしっかり休むにゃ。バッチリ準備を整えて脱出するにゃよ」
「はい♪ もちろんです♪」
よしよし。
「ギル。おみゃあはどこまで行きたいにゃ? どこであろうと必ず連れて行ってやるにゃ。スフィアが」
「はい♪ 必ず♪」
「他にも望みがあれば何でも言うにゃ。私らに出来ることなら可能な限り叶えるにゃ」
「……十分だよ。けど。そうだな。連れてってくれるっつうんなら、ノルド王国に行きてえんだ」
「「「……」」」
「……いや。流石に遠いわな。無茶言ったな」
「違うにゃ。そうじゃないにゃ」
「ノルド王国へは何をしに? もし差し支えなければお聞かせ頂けませんか?」
「何ってことはねえよ。帰れるってんなら故郷に帰ろうかと思ってな……なんだ? 遂に滅びちまったんか?」
そうか。知ってるんにゃな。
「その一歩手前にゃ。だからお勧めはせんにゃ」
「なるほどな。わりいな。気を遣わせちまって」
「私らもノルドから来たにゃ」
「逃げたのか?」
「そうにゃ。けど行かなきゃならないにゃ。私にもその理由があるにゃ」
「アズキ? 何故ですか?」
「思い出したにゃ。やり残しがあるにゃ」
「……思い出したって……まさかお姉様」
「少しだけにゃ」
「聞かせてくださいませ! グラシアは! あの子は!?」
……ちょっと考えなしだったにゃ。
「……」
「お姉様!!」
「……あ~。俺の方は少し考えさせてくれ。わりいな」
「脱出にはもう暫く時間を要します。どうぞごゆっくりお考えください」
「ああ。助かる。そうだ。ほれ。この鍵を持ってけ」
「これは?」
「ここの牢の鍵だ。お前たちは他の部屋を使え。ここの鍵を忘れずに掛けてな」
「そんな事できません!!」
「もっと用心しやがれ。こんな薄汚いおっさんを万全の状態にしちまったんだ。襲われても知らねえぞ」
「安心するにゃ♪ スフィアに勝てる筈無いにゃ♪」
「そういう問題じゃねえだろうが」
「やめるにゃ。そんなバカな話に乗る筈がないにゃ。私たちをバカにするにゃ。おみゃあのことは信頼してるにゃ」
「そうかい。まあいい。俺は寝る。お前たちは好きにしやがれ。なんなら置いてったって構わねえぞ。さっきの飯で十分恩は返してもらったからな」
「まだそんなこと言うのにゃ。なんなら私が膝枕くらいしてやるにゃ」
「勘弁してくれ。ついさっきまであんなデケえ傷付いてたやつ枕になんてできるかよ。間違いなく悪夢しか見れねえよ」
「ふふ♪ それもそうにゃ♪」
「ほら行った行った。恩を返し足りねえってんなら今は一人にしてくれ。俺は眠いんだ。満腹なんて久しぶりだからな。それに俺はお前らと違って小心者なんだ。一人じゃねえと安心して眠れねえよ」
「わかったにゃ。また後で顔を出すにゃ」
よっこらせ。おっとっと。
「お姉様!?」
「まさか違和感が!?」
「いんや。大丈夫にゃ。ちょっとお腹が重かっただけにゃ」
体調はバッチリにゃ♪ 流石スフィアにゃ♪
しっかし気を遣われてしまったにゃ。お陰でグラシアの件は有耶無耶になったにゃ。今度は気を付けるにゃ。あんな話、ポルカには聞かせられないにゃ。
……どうしたもんかにゃぁ。
復讐か。平穏か。
にゃあグラシア。おみゃあはどっちを望むにゃ?
……そうだにゃ。聞くまでもないにゃ。
だから……おみゃあも……。




