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TEENAGE ~ぼくらの地球を救うまで  作者: SHUSAKU
season1【B面】
86/239

9-2 好物は何ですか?

【9話/B面】Bパート

校舎西側二階の奥まった一室で、司会を務める勇一が切り出す。


「皆、集まったよな。じゃあ今日は自分の好きな食べ物を元に、『食』の紹介をお願いします」


勇一の提案で、『日本文化交流研究部』の時間が動き出す。



自分の好きな食べ物から入れば、文化の紹介もしやすいだろうという彼の判断は、メンバー全員の同意を得られた。


「好物なら、説明もしやすいってことやな」


補習を終えて、ようやく部室に滑り込んできた生一が、椅子をガタッと鳴らして座った。


「まぁね。その方が話しやすいだろ。……じゃあ、まずは」


勇一が仁科さんに先陣を切ってもらいたいという視線を送った。


「あたし?

うーん、あんまり考えてきてなかったんだけどね~

でも、東京にいた時から、渋谷にはよく遊びに行っていて、目を惹くスイーツが多かったな~

原宿の竹下通りってところに『マリオンクレープ』っていうクレープ屋さんがあるんだけど……あ、静ちゃん、クレープって知ってる?」


「いえ、まだ食べた事ないです。パンケーキ……とは、違うんですか?」


「うん。だったら、この近くの愛宕って町に売ってるお店があるから行こう。

あ、その店、割引にしてくれる曜日があるから! それはまたおいおいってことで」


「うん。楽しみにしてる」


静那の瞳が、未知のスイーツへの期待で輝いた。


「じゃ、その『クレープ』を紹介するよ。日本食じゃないけど」


仁科さんは身を乗り出し、滑らかな口調で話し始めた。


「クレープってね、パンケーキの一種で発祥はフランスなのよ。

薄皮の生地にクリームとかイチゴを乗っけて包んで食べるんだけどさ。これが見た目もお洒落ですごい美味しいんだ」


「お洒落かぁ」


「静ちゃん、見た事ないんなら、カレーに使う『ナン』みたいなやつをもっと引き伸ばした感じを想像してくれたらいいよ。絹織物みたいな奇麗で黄色い生地。で、トッピングのデコレーションが豊富なのよ」


仁科さんの説明は具体的で、聞いているだけで甘い香りが漂ってきそうだ。


やはり自分の好きな食べ物に関しては自然と顔も明るくなる。


「もう、自分でお店やっても楽しいかもって感じる。東京のお祭りやイベントじゃ、クレープは常連だから。だいたい、お祭りの屋台とかには多分あると思う」


「あ。それなら私、見たことあるかも。三角形のやつですよね」


静那が、何かを思い出したようにポンと手を打った。


「そうそう! 売るときの食品サンプルみたいなのだと、大抵三角形をしてて、トッピング内容が分かるようにしてるの。そのスタイル、多分東京からだよ」


「高知でも、花火大会の時にそんなお店あったな」


勇一が頷くと、仁科さんはさらに詳しく解説を続けた。


「高知でも、だんだん認知されてきてるよね。

手を汚さずに食べられる、お洒落なスイーツとして人気があるんだよ。でも、東京のクレープ屋は、なんだかスイーツを入れるばかりじゃ飽きたみたいで。ペッパーソースにチーズやチキンとか、ツナマヨとレタスを入れたりして、趣向をオヤツ以外の方向にも見出そうとしていたのよ。

私がよくお店に行ってた頃は、何でも包めるからってことで、可能性を色々見出そうとしてた。

もしそれが流行れば、全国に認知されていくしね」


「結局、日本で認知されたのは従来のクリームと果物を包むスタイル……ってトコか。あと、アイスクリームを入れるのはアリだったな」


生一が横から口を挟むと、仁科さんは「なんかそうみたいね」と笑った。


「メニューとして、あるにはあるけどさ。

サンドイッチとかホットドッグが既に認知されてたから。

それに、完全にお店にはおやつ時に通ってたからね。スイーツ以外の具材だと、夕ご飯を食べるみたいな印象だったよ。

その後『トルティーヤ』だったっけ? 『タコス』だったりの存在であまり目立たなくなったなぁ。

ってことで、クレープは今度行きましょう」


「おお! いい紹介じゃん。俺も食べたくなったし」


勇一が満足げに頷くと、仁科さんは少し照れたように「日本食じゃなかったけど、こんなので良かったかな?」とはにかんだ


「うん。ありがとう。そこは全然自由でいいよ。静那、何か質問ないか?」


「なんか、皆で作ってみたくなったな。色んなトッピングを用意してさ」


静那の提案に、仁科さんは「それいいね!」と同意した。


これはもうお店に行くのは不可避だなと感じつつ、次の紹介に入る。



「俺はナマコとタコやな」


続いて生一が、日本人ならではの食材を紹介し始めた。彼は静那にも伝わるよう、事前にプリントアウトしてきた写真を見せた。


「あれさ、実は海深くに潜らんでも、浅瀬にだっているんだわ。

場所によるけど、フックみたいなモンで普通に引き上げて籠に入れるだけの、簡単な漁で行けるエリアもある。ナマコも普通に岩陰にいるし。

でも、お店で頼んだら高いんだよな。

だから、自分で取ってきて料理するのが一番や」


「私、知ってる。……でも、あれも自分でさばけるんですね~」


静那が、予想に反して実用的な部分に食いついてきた。


「あれ、多分魚よりも簡単じゃねえの?

栄養価も高いうえに美味しいから、言う事ないで。

塩水やなくて真水につけてたら、勝手に色々吐き出してくれて後処理も簡単やし。グロイのが無理やないなら、お勧めする」


「静ちゃん、こういうのに食いつくんだ。……魚全般は興味あるの?」


「はいっ! 魚を生でさばけたらそれだけで喜ばれるし、料理のレパートリーが一気に増えるんで。できるだけ色んな種類、やってみたいですね」


やる気は本物のようだ。


「静那の奴、別の趣味に目覚めそうじゃね? ちなみに、一番喜ばれそうなマグロとかはいけるんか?」


生一の問いに、静那は「いや、あれだけ大きな魚はまだ」と首を振った。


「でも、マグロが特に喜ばれるんですね~うん……覚えとく」


「まずは鮭あたりから、さばけるチャンスがあればええな。ナマコは見つけたら教えるわ」


生一が約束すると、静那は「うんっ! 是非」と顔を輝かせた。


「静ちゃん、もしかして料理して食べさせたい人がいるとか?」


椎原さんが、優しく問いかけた。静那は素直に頷いた。


「はいっ。里親になってくれてる方も寮母さんも、タコとナマコは大好きなんですよ。だから調理できるなら、作ってあげたいなって」


「なるほどね~

絶対に誰かに食べてもらいたいような顔をしてたもん。

魚だってさばけるようになりたいと思った理由は、色んな人に喜んでもらうためっていうのがあったんでしょ?……その考え、素敵だよ、静ちゃん」


椎原さんの言葉に、静那は「うん……ありがとう」とはにかんだ。


「ごめん、話切ったっけ? 藤宮君」


「いや、ええで。後は栄養価とかそういうネタやから」


生一は再び話し始めた。


「タコは低カロリーでタンパク質も高くて、何よりも疲れに効くねんな。

スーパーとかで売ってる栄養ドリンク分かるよな。アレの成分に『タウリン』っていうのが入ってんだけど分かる?

CMだと『タウリン●ミリグラム配合!』とかいう謳い文句よう聞くけど、あのタウリンが、タコの栄養成分に入ってるワケよ。

だから疲れた人が食べるにはちょうど良い。タコ焼きとかアヒージョとか、料理のバリエーションも多いからな。

さばけるようになったら料理のレパートリー広がるで」


「うん」


「ナマコも言うの忘れてたわ。こっちも疲労回復にすごいで。

まあ、どっちも旨いうえに優れた食材やねん。

独特の食感が食通に人気やけど、ただの珍味ってわけやない。美味しくて体に良いんなら、言う事ないやろ。食べてるうちに健康になるんなら」


勇一は「すごいな。俺、あんまりタウリンとか意識してなかったよ。疲れた時に良いんだな。」と感心した。


「まさかあいつに教えられるなんてね~栄養ドリンクに繋がりあったなんて」


「おい、ちょいちょい俺の事けなすなよな。一応、調べてきてんだからよ。

それにドリンクとかじゃなくて、自然の食べ物から栄養を摂取した方が自然やろ」


「静那の方からは、質問あるか?」


「うん。やっぱり美味しいのなら、料理してみたいな。さっきのクレープにしても、私が作れたら誰かが喜んで食べてくれるし。それで喜んでくれたら、私も嬉しいし」


「もう……静ちゃんにこそ、何か作ってあげたいのに……」


仁科さんが呟くと、椎原さんが「静ちゃんは何が好きなの? 次の順番、静ちゃんでいい?」と促した。


「うん。私は……大体、魚を生で食べるのが好きかな」


静那の好物に、部室が少し意外な顔をする。


「私の故郷では、魚を焼いたりしても、生の『刺身』にするっていうスタイルはなかったから。

お醤油で初めて頂いた時、感動したな~

初めて食べたのは、アジでした」


「刺身、無いの?」


勇一の問いに、静那は頷いた。


「そういう文化が無いし、お醤油もないからね。『アンチョビ』はあるけど脂分があるし、ちょっと違うと思う。それに考え方として、生魚は細菌や寄生虫がいる可能性があるってことで、加熱するのが普通……常識として認知されてたよ」


彼女は少し身を乗り出し、日本の食文化への敬意を語る。


「でも、日本はさばいて生で食べる文化があるんだよね。

少し調べたんだけど、冷蔵庫とかがない千年以上前(平安時代など)から、もう生で食べてたらしいよ、日本。

お酢とか昆布や塩で少し『しめる』っていうのかな? そんな形で、庶民の食べ物って程じゃないにしても、一部で食べてた記述があるんだって。

そういう歴史にも触れてみたいと思ったから、自分自身で魚をさばいてみたいって思ったのかな……刺身にしたら、何でもおいしいし。

あと何だっけ、高知県独特の技法……少し炙るやつ……」


静那が勇一を見ると、彼は珍しくピンときた様子で答えた。


「それ、『タタキ』ってやつだろ。さばいた魚の表面を、藁なんかを燃やした火で炙るんだ。それを葱とかミョウガとかの薬味を入れて盛り付ける食べ方」


「うん、それ。『タタキ』って言うの?」


「あれは高知県独特じゃないよ。でも、鰹で有名になったよな。

『タタキ』で食べる方法って、まだ保存技術がない時代に出来た文化だから、別に魚以外でも使う料理方法だよ。

少し炙る事で身が引き締まってうま味を閉じ込める形になって……美味しいって評価から、高知県では鰹の料理方法として定着したみたいだけど……合ってるかな?」


勇一が自信なさげに椎原さんを見る。


すると仁科さんが「アンタはここの人間なんだから知っときなさいよ!砂緒里にいちいち確認しないの!」と突っ込んだ。


「え? 違ったかな。静那に間違ったこと教えてるかもって思って」


困ったときにはなぜか椎原さんを見てしまう勇一。


県民が帰国子女に助けを求めるのも妙な話だった。


「うん……その料理法は、残念ながら『タタキ』っていう呼び方じゃないと思うよ。

静ちゃんの言っている料理法って……『ワラ焼き』が正解じゃないのかな」


椎原さんの指摘に、勇一は「えぇえ、そうなの?」と声を上げた。


「なんで白都君が私に聞くのよ。変なの。それに私の意見が必ずしも『正解』って訳じゃないからね」


「それもそうか。ゴメン静那、調べとくわ」


「気にしなくていいよ。お店に行ったらメニューに『タタキ』って書いてるから、それでも通じるでしょ」


「まぁお店ではそうだな。言われてみれば」


「魚をさばくチャンスがあったら皆に振舞うね。ワラで焼くのもチャレンジしてみたいし」


「さすがに家では出来へんもんな」


「時々おばさんが魚もらってきて、その時は調理させてもらってる。

アジとか小魚は難しいんだけど、小さい魚ほど刺身にしたらおいしいからね」


「そうだったんか。知らんかった」


「傷みやすくて鮮度が命だけど、小さい魚程うま味が濃縮されてるんだって」


「それどこ情報?」


「うちの寮のおばさんだよ」


「なんか静ちゃんの話聞いてたら、食べるより作ってみたくなるよね。

実は私、料理殆どやってないから……静ちゃんに教えてもらうカタチになりそう」


「私で良かったら是非!」


「料理教室もいいよね。学校じゃ無理だけど」


「俺は作るん無理。食う係な。後よろしく」


「男子も作るのよ!」


「そうですよボス。料理が出来る男は女性からポイント高いですよ」


「別に俺、女に媚びるつもりないし」


「媚びるんじゃなくて生きていく知恵として魚さばける方が良いでしょ」


「まぁええことはええけど」


「それにお刺身で買うよりも魚で買ってさばく方が安くつきますよ。経済的ってやつです」


「む……それは確かに」


「でしょ。お刺身パックを割引になってから買うよりも、捕れたての魚をさばく方が遥かに新鮮でおいしいですしね」


「なんか説得力あるな」


「だってそういうスタイルになったらもうそれしか考えられないですもん。

それに使わない部位……頭とかしっぽとかはまとめて野菜の切れ端とかと一緒にミキサーにかけるんです。その後発酵させたら肥料として使えますよ」


「なんかナントカおばさんの知恵袋みたいな話だな」


「静那っていつの間にそんな生活の知恵を身に付けたんだ」


勇一の驚きに、静那は「昔、おばさん達と料理のお仕事をしていた時に、色々聞かされて」と答えた。彼女の視線には、かつての経験から得た、生きるための逞しさが宿っていた。


「お惣菜みたいに調理されたものを買うよりも自分達で素材から調理していく方が地球的にもエコロジーだって」


「確かに…発泡スチロールとかパックとかもゴミになるもんね。魚丸々一匹よりずっと環境的に悪いよね」


「そこまで考えてなかったよ。すごいな静那」


「いえいえ、あくまで教えてもらった事なので。

でもこの先大人になったりとかで一人暮らしになれば身に付けておいたら良いと思いますよ」


「一人暮らしねぇ……」


「ごめんなさい。今好きな食べ物紹介の話でしたよね。勇一は何が好き?」


「俺?じゃあ俺の番でいいか?でも俺の好物は日本食じゃないな」


「いいよ。白都君が好きなものを何でも言ってくれて」



「 ……俺はブルーベリーかな」


「すごい! 私のお父さんと同じだよ」


「そうなの? 狙ったわけでもないのに、凄いな」


勇一は少し驚いたが、静那が「お父さんと同じで嬉しい」という顔で見てくれるのが、素直に心地よかった。


「勇一、静ちゃんに気に入ってもらおうとして事前にリサーチしてたとか?」


「いや、知ったのは今日初めてだって。お父さんも好きなの?」


「うん。私がブルーベリーを摘んできて、お父さんがそれを使ってよくパウンドケーキとか作ってくれた」


「じゃあブルーベリーってヨーロッパとか東欧の国でも採れるんだな。勉強になったよ」


「あのさ……勇一の発表なのになんで静ちゃんに教えられてるのよ」


「俺も日本だと高原地帯ならだいたい栽培されてるってことは調べたよ。でも海外までは知らなかった」


「私たちの国と日本と共通認識がある食べ物ってことですね」


「そうなるな」


「そうですね。私も知らなかったです。

私の暮らしていた所はとにかく寒いから、野菜を煮込む感じのスープが主流でした。

名前もおそらく日本では聞いたことないものばかりですよ」


「住む場所の気候によって食べられるものも違うんだね。寒いと体が温まれるものになってくるよね」


「体温まる味噌系のラーメンも北海道や東北が多いからな」


「さっき高原地帯で栽培されてるって言ってたけど、勇一は高原暮らしでもないのになんで好きになったの?」


「たまたまジャム作る短期バイトをやった事があって、そこでブルーベリーの廃棄が沢山出るんだ。もったいないからそれもらって食べてたんだけどさ。なんか食べてたら体の調子が良くてさ」


「実用的やな」


「その後、バイト終わってからなんか急に恋しくなったんだよな。あの甘酸っぱい感覚」


「食べなくなったとたんに勇一の体が欲してたってことね」


「そうだな。それで好きになって食べ始めた感じ。何かを好きになるきっかけってそんなもんじゃないか?」


「きっかけねぇ。砂緒里は今の流れを考えたら多分日本食でしょ」


「多分でなくてもそうだよ。日本食は恋しかったよ。

向こうはお寿司とかも日本のそれと違うし……

もう味噌汁飲めただけでも感動したし。日本のミソスープってこんなに美味しいのか~って」


「俺らは慣れてるからあまり感じないけどな」


「向こうは出汁は鰹節や昆布よりもサーモン使ってるの。だからサーモンエキスのミソスープが多かったかな。

でもこの組み合わせは体温まるよ。冬は寒かったから嬉しかったな」


「じゃあもしかして味噌汁が好き……とか?」


「勿論味噌汁も好きだけど、すき焼きがいいな」


「ほう。王道だな」


「日本人がいかにグルメなのか分かる食べ物だよ。すき焼きは。

アメリカでも『SUKIYAKI』ってちゃんと認知されてるし」


「海外から見たらそうなんだ。日本の食文化を代表する食べ物っていうのは聞いたことがある」


「本当。すっごく人気なのよ。日本人がアメリカですき焼きのお店を展開すればいいのにって思うくらい。有名な店は行列作ってるよ」


「すごい。決して安い料理じゃないのに」


「カナダやアメリカは豪快に焼いたり揚げたりのスタイルがやたらと多いからね。そんな地域だからこそ人気出るよ。すき焼きは」


「静ちゃんは日本来るまではすき焼きの存在知ってた?」


「いえ。卵を生で食べる習慣が無かったから。あれは日本特有ですよね~」


「あぁ、そこから違うか。じゃあ知られてないな」


「お刺身もそうだけど、生で食べるのは警戒されてるからね」


「それだけ日本での衛生管理と品質管理がきちんとされてるって事か」


「たまごかけご飯。俺流に略して『TKG』も無いんか?」


「何で略したのよ」


「ええやん。この先この言い方流行りそうな感じしたねん」


「うん。卵は中まで火を通すのが普通だったからね。私も日本に来た時に驚いたよ。ご飯に卵ダイレクトに入れてたの見て。これ食べれるのかな~って」


「卵を生で食べる体験してないっていうのは多分人生の半分くらい損してるで」


「藤宮君。勝手な価値観押し付けないの」


「でも美味しかったから損した気持ちになったかも」


「本当にそんな気持ちしたんだ」


「うん。日本の食べ物って何でもトライな精神があるからここまでおいしくて幅広いものがあるんじゃないかって感じるよ。

さっきの味噌汁の味噌って発酵食品でしょ。

発酵って腐るって意味でしょ。違うかな?

大豆やお米が腐ってしまって……それでも食べてみたから味噌や麹…お酒が生まれたんでしょ。

海外でいうチーズやワインもそうだけど、日本食は特にあるよね」


「だから食べ物は大事にしないとな」



「おお。ええ感じのオチやん。この話題どこで〆ようか落としどころに困ってたねん」


「あんたは何意味の分からん事言ってるのよ。時々変な事言うよね」


「ま、好きな食べ物の話は皆で共有するのが一番だよ」


「そうよね。まだそこまで深い面識がない者同士だったらまずこういう『好き』を話するのが一番いいかなって思ったし。

話もはずんだし。もっとはじめのうちにこういうトークしたら良かったね」


「皆の好きなもの知れて良かったですよ」


「じゃあまたフルメンバー集まったらやりましょう。この話」



放課後の部室には、夕飯の献立を考えるような、穏やかで温かな時間が流れていた。

『B面』では、勇一達が立ち上げた部活「日本文化交流研究部」での日常トークを描いています。時々課外活動で外出もします。各話完結ですので、お気軽にお楽しみください。


【読者の皆様へお願いがございます】

ブックマーク、評価は大いに勇気になります。

現時点でも構いませんので、ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂ければ非常に嬉しいです。

よろしくお願いします。

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