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TEENAGE ~ぼくらの地球を救うまで  作者: DARVISH
season1【B面】
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9-1 乗り物と建物

【9話/B面】Aパート

とある高校の東側2階。


放課後になるとこの部屋…部室にやってくる決まった面々がいる。


誰かが部室にやってきて、それが複数名になったあたりから『日本文化交流研究部』の活動は始まる。



そのうちの一人、部活の看板娘である静那が部室へ入ってきた。


今日は一番乗りのようだ。



まず窓を開けて空気を入れる。


その後日記を取り出し、日々の記録を記し始める。彼女の日課だ。



「お疲れ。静那、一人?」


少し遅れて部長である勇一がやってくる。



「静ちゃん一人?あ、換気してくれたんだ。ありがとうね。」


その後椎原さん、仁科さんと女性陣が部室に入ってくる。



「勇一お疲れ様。今日はボス遅いですね。いつもなら先来てるのに。」


静那が問う。


「あぁあいつか?

テストがダメだったみたい。補修の説明受けてた。もうちょっとかかるんじゃない?」



仁科さんが答えてくれた。


「それにしても進級したての4月なのにいきなりテストだなんて大変だったな。」


「進学校はそんなものよ。普通だったら中間テストと期末テストだけなんだけどね。」


「アメリカも?」


「中学にあたるジュニアハイスクールも勉強とテストばかりのカリキュラムだった。知識を定着させるためなのかな…だから学校終わったら何らかの形で発散しないと気が詰まりそうだったよ。これはたとえ優等生でも例外なくってトコかな。」



「そうよね。発散したいよね。静ちゃんは?何かで発散してる?」


「はい…長い間歩いてたら気持ちが晴れてくるっていうか、これ発散ですかね。」


「随分健康的な発散方法だこと。」


「どこまで歩いて行くの?」


「空港あたりかな…」


「いやいやここからだと滅茶苦茶遠いって!片道15~6kmあるでしょ。

あそこまで歩いて行くならさすがにバス使いなよ。」


「まぁさすがにそうですよね。」


静那はやり始めたらトコトンやる性格なようで、規模も大きい。



「静ちゃんはまだ電車とかバス使った事は…さすがにあるよね。」


「それはまぁ。回数は少ないですが新幹線だって乗った事ありますよ。」


「じゃあ日本の乗り物は結構知ってるんだ。地下鉄なんかも。」


「地下鉄は東京に行った時に乗りましたよ。都会は上の道だとすぐ渋滞になりますからね。」



「分かってるじゃない。

渋滞避けようとすると必然的にそうなるよね。

やっぱり東京行くと乗り物多いからそれだけで違う感じするなぁ。静ちゃんの国とはどう違ってた?」



「私の国も鉄道はあった…けど日本みたいに奇麗じゃなかったな。

日本の電車内もそうだったけど、車内でタバコ吸う人が多くてすごく煙たかったイメージがあるよ。でも密室で逃げられないし。

あれはタバコ吸わない人にはつらいな~って感じた。

ただ、清潔さならまだ日本が良かったかな。

新幹線なんか早くて清潔で、おまけにお弁当売りに来たりで凄いなって感じてた。乗り物の最先端だと思ったし。

あれって九州とか東北にもまだ伸ばしていくんでしょ。さすがに北海道までは伸ばせないって思うけど。」



「日本の新幹線ってやっぱすごいんだ。」


「うん…多分欧米にもこんな早い電車無いと思う。なんだか日本人ってすごい技術力持ってるのかなって感じたよ。」


「確かに早いもんね。じゃあさ、建物!やっぱり東京タワーとかも凄いって思った?」


「いや…、塔のような建物よりも印象深いのは乗り物とか車の方ですね。

すごい大きくて立派な装飾のある建築物は私の故郷にも競うように建ってるけど…なんだか“力を誇示する”みたいであまり“見入る”って感じの建物じゃなかったな…

日本にあるどっちかというと小さめの…古い民家みたいな建物の方が素敵だなって思います。

あれは国の権力なんかを誇示するために建てられたものじゃないと思うから。」



「あの古びた民家みたいなのが…意外ね。海外の人が見てる部分って。」



「私がたまたまそこに注目したっていうケースもありますよ。

日本の建物だってまだそんなに見てないですし。橋だってすごいですもんね。

私が日本に来るほんの少し前に開通したっていうあの橋…“瀬戸大橋”も、電車からの景色だったけど思い出に残ってる。

でも…あんな素敵な雰囲気の建物は見た事なかったな。今までだいたいコンクリート造りの家ばかりだったから、木材をふんだんに使ってるのはもちろんだけど、自然の素材で作られているのがお洒落に感じますよ。

あれ確か“合掌造り”っていうんでしょ。絶対に他の国にはないお洒落な建物ですよ。

そうですね…。いつかは“世界遺産”になるんじゃないかって思うんですけど。」



「あんな昔のボロ民家が世界遺産になるわけないと思うんだけどな~。でも静那の国からしたらすごく独創的な建造物に見えてるんだよな。クーラーも電気も通って無さそうなのに。」



「うん。私、こっちに来る前に日本が紹介された本で見たのが古民家の写真だった。雪が屋根に積もってて奇麗だったよ。

だからこっちに来るまではあれが日本の原風景だって思ってた。

実際に日本に到着したのが大阪だったけど、車から見える景色は全然違っていて…ああいう民家がまったく無くて拍子抜けしたけどね。

ここで生まれた文化とか暮らしはどうなってるんだろうってのは知りたいところかな。

なんだか昔の人の暮らしの知恵が詰まってる感じがして…まずは泊まってみたいな。

あそこって昔の“日本の故郷”みたいな場所なんでしょ?」



「そうね。ああいう日本の原風景が残されているエリアも実際にあるから、いつか見に行きたいよね。確か長野県の方だったと思う。

私もまだ行ったこと無いから何とも言えないけどね。」



「そこ、行ってみたいな。遠いだろうけど。」


「電気あるのかなぁあそこ。」


「もう~白都君、気にするのってそこじゃないでしょ。静ちゃんと見てるところが全然違う!」


「え、私も気になるよ。冷蔵庫とかあるのかなって。食べ物の保存とかどうしてるんだろうって思ったし。」


「え~静ちゃんも?」


「まずは食べ物の確保。そこで生きていくなら保管は大事ですよ。」








この年の12月。


日本にある「白川郷」の合掌造り集落は、12世紀半ばの貴重な建造物としてユネスコの世界文化遺産に登録されるのだが、それはまだ先の話である。

『B面』では、勇一達が立ち上げた部活「日本文化交流研究部」での日常トークを描いています。時々課外活動で外出もします。

各話完結ですので、お気軽にお楽しみください。


尚、本編のストーリーとB面の話数は所々リンクしています。こちらを読んでから本編を読み進めていくとより楽しめます。


【読者の皆様へお願いがございます】

ブックマーク、評価は大いに勇気になります。


現時点でも構いませんので、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂ければ非常に嬉しいです。


頑張って執筆致します。よろしくお願いします。

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