少林寺境内の主要施設とその周辺
まだまだ少林寺。いかんせん、筆者が書きたいのが少林寺から始まる物語だから仕方ない。
「泰山北斗」「天下の武術は少林より出づる(天下武功出少林)」よろしく、武侠小説では、正派のリーダーに位置づけられる少林寺。その山門の中には、果たしてどのような施設があるのか?
「山門」
寺の入口。ここからが境内。
「天王殿」
四天王などを祀る殿舎で、山門の奥にある。
「練功場(武術訓練場)」
天王殿の近くなど寺院内各所にあり、僧が拳法や棒術を稽古。
「千仏殿」
本殿奥にある秘伝の練功場。石の床には、長年にわたる僧たちの稽古の足踏みでできた凹みが残る。壁画には武僧が描かれている。
「大雄宝殿」
本堂にあたる中心的な建物。釈迦如来などを祀り、法要や読経を行う場。
「蔵経閣(法堂)」
経典などを収蔵していた建物。易筋経をはじめとする武芸の秘笈=秘伝書や仏典が眠るとされる(フィクションないまぜ?)。
「達磨洞」
達磨大師が九年間、壁に向かって座禅を組んだという洞窟。
「塔林」
歴代の高僧の墓塔が並ぶ広大な敷地。深夜の決闘や秘密の取引などの舞台にも。
「方丈室」
方丈の居室兼執務室。方丈が客人(他門派の掌門や朝廷の使者など)と会見したりもする場。清代に乾隆帝が滞在した「龍庭」としても知られる。
「立雪亭」
二祖(第2代祖師)・慧可が雪の中で腕を切り落とし、達磨に弟子入りを乞うた伝承の地に建てられた後代の施設。寺の重要な公式行事や方丈の日常的な説法・指導の場。
「初祖庵」
達磨が面壁して座禅した伝承にちなむ庵。本殿からは少し離れた場所にある。
「禅堂」では、皆で座禅を組み、
「僧房」では、僧階ごとに雑居から個室で寝泊まりし、
「香厨/ 典座寮」は、いわゆる調理施設で、
「齋堂」で、みんなで食事。
「客堂」で、寺を訪れた外来者(修行僧、巡礼者、俗世の客人)などをもてなし、宿泊させる。知客僧が常駐。
<武侠小説などの創作に多い架空の施設>
→実在の確証はなく、物語で少林寺の組織体系を表すのに使われる施設名。
「達磨院・羅漢堂」武術の修行や研鑽の場
「戒律院」規律違反を裁く場
「般若堂」他門派の武術や経典の研究。高僧の居場所
「菩提院・首座堂」役職や序列に対応する堂
「薬王院」傷病の治療を担う
「藏經閣の地下室」秘伝書の保管や修行の場
「少林十八銅人陣・木人巷」修行者が武術の試験を受ける際の仕掛け
<嵩山は少林寺の独占地というわけではない>
調べていて驚いたのが、このタイトル。嵩山は、「太室山」と「少室山」のふたつの山群からなり、共に最高峰は1500m前後の峰を持つ山群(山群は、ふたつとも「三十六峰」あるともいう)。日本の山とはイメージが異なり、ゴツゴツした岩肌の絶壁の連なりといった感じで、ザ・中国を思わせる。
少林寺は、少室山の北の麓にあるが、塔林は西の少し高い斜面に、初祖庵は少林寺北西の山腹に、達磨洞は初祖庵よりさらに上、少室山の五乳峰の中腹にあるとされる。
そして興味深いのが「太室山」側。こちらには「中岳廟」を筆頭に、道教や儒教、仏教の施設などが存在し、嵩山といえば、少林寺だけの根拠地というイメージを大きく覆す(そんな風に考えていたのは筆者だけかもしれないが)。ということで、太室山の方の施設も紹介。
「中岳廟」は、太室山の南麓にある道教の廟。五岳の一つ「中岳」の神を祀る場所。歴代の皇帝が祭祀を行った格式高い施設。
「崇福宮」は、道教の宮観(寺院に相当)。道観ともいう。
「峻極宮」ほか、小規模な道観が山中に点在。
「嵩陽書院」は、儒教の学問所で北宋の時代から。
「観星台」は、元代の天文観測施設。周公が日影を測ったという伝承と結びつく、天文史上の重要な遺構。
ほかにも「嵩岳寺」「法王寺」などの寺もあり、小室山側にも少林寺以外に「永泰寺」などがある。
―― 嵩山は少林寺だけでなく、仏教・道教・儒教の施設が集まる宗教的に重要な山地で、歴史的建造物群「天地之中」として、2010年にユネスコの世界遺産にも登録されている。
ようやくこれで少林寺編もひと段落?
次は、道教あたりを攻めてみるか?




