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本日二話目の更新です。
後、今さらですが『』内は魔物の声です。
フェンリルにも使ってるので、ほんとに今さらですが…
枝振りのいい少し大きな木の上で球状に結界を張り、ミオとフェンリルに仮眠を取らす。
レイは自分に凭れてミオ達が眠ったの確認し、辺りを警戒しながら一番始めにどの辺りに行くかの検討をはじめる。
「人間に捕まったんだから、そんなに上の方じゃないよなぁ」
親と一緒にいたのが、親が狩りをしている時に、はぐれたと言っている。
そこから親を捜して動き回ったとしても、風を使えるようになったのは最近だから其ほどの距離を動いたとは考え難い。
「人間が入れるのは頑張っても中腹位までだから…」ついと山々を見上げる。
気配消されてたら近付くまでわからないが…な…
強大な気配はあるが、レイには自分が負ける程の力を感じない。
やってみないとわからないけど、まあ大丈夫だろう。
必要な物(家を作る資材や食料)を手に入れる手段(町や村)に困らないなら、この山脈に住むのもいいかもしれないなぁ…
他の国やなんかも見て回ってないからわからないが、候補の1つに入れておこうか…等と考えている内に、だんだん空が明るくなってきた。
明るくなりきるのを待ち、ミオとフェンリルを起こす。近くにある小川まで移動し顔を洗い、火を起こして簡単なスープとパン、フェンリルには干し肉で朝食を取る。
昼に食事を作る場所や時間があるかわからないので、朝食のわりにはしっかりと食べ、食後の休息も充分に取ったあと行動を開始した。
まずは、一番近い所からである。
「カバ?」
上空からそれを見たミオが呟いた。
どう見ても「カバ」だ…
小さな瞳に小さな耳。体に見合った大きな口。
違いは……先ずはその色だ。地球で見るカバは灰色だが
「ショッキングピンク…」
それにカバは草食の為、歯は草を磨り潰すためにあるので尖った歯はないが、このカバ?の口の中にはワニのような歯が並んでいる。
そして、一番の違いはその大きさだ。
6メートル程だろうか?
恐竜程の大きさである。
この大きさであり、肉食でありながら、こんな低い所にいるのは、見掛けより強くないのだろう。
確かに驚異はあっても、脅威は感じない。
まあ、普通の冒険者からすると、その大きさと硬さは脅威でしかなく、体当たりでもされたらひとたまりもない。
魔術が効くのかどうかわからないが…剣だけでは倒すのは難しいだろう。
「すいません。聞きたい事があるんですけど、この辺でフェンリルを見掛けませんでした?」
ミオはとりあえず話し掛けてみた。
なっ?!お前いきなりかよ?!というレイの焦りは無視で…
なんの気配もない上空からいきなり声がして驚愕といった表情?でこちらを見上げるピンクカバ…
いやカバだけでなく、俺もびっくりだよミオ…
『な、なんだお前ら?!妖精?ではないな…人か?!なんで人が空を飛んでる?!』
もう「?」と「!」マークだらけである。
驚かせないように又、敵意もないのをわからせるように、一度近くに降りて徒歩でカバ?の所まで行こうと思っていたレイの計画はどこへやら…
ミオにも一応計画は話してあった。戦闘にならないならそれに越した事はない。大体一々戦闘していたら時間が掛かってしかたないのだから。そのために態々気配も消して上空から視察に来たのに…
ミオから話し掛けた事で気配を殺していたのも無駄になった。
レイは深いため息を1つ吐くとピンクカバに応える。
「驚かせて悪い。俺達は人だが、このフェンリルの迷子を保護したんで親を捜してる。見掛けなかったか?」
幾度か、その小さい目を瞬かせたカバは、少し落ち着きを取り戻したのかレイに応える。
『お前が抱いてる人間を寄越すっなっごっ!!』
カバは全部を言い終える前にぶっ飛んだ。
瞬間移動でもしたかのようなスピードで接近したレイに頭を蹴り飛ばされたのだ。
レイが放っている殺気に反応した辺りにいた鳥達が逃げていく…
頭を蹴り飛ばされたカバは脳震盪でも起こしたのか、ピクリとも動かない。
「死んじゃったのかな?」
おそるおそる聞くミオに
「ふん。手加減はした」
どうでもいいように応えるレイ。
フェンリルは久しぶりに感じるレイの殺気に、いやあの時より強い殺気に震える事すら出来ず硬直している。
ミオをそっと下ろし結界を張るように言うと、ゆっくりカバへと近付く。
レイが側まで近付いてもピクリともしないカバの頭をもう一度軽く蹴りあげる。
それでも動かないカバに苛立ちを隠そうともせず、レイは今度は腹に蹴りを入れた。
冗談でもミオを寄越せと言ったカバに容赦などする積もりは微塵もない。
腹を蹴り上げられたカバは『ガハッ』と吐瀉物を撒きながら覚醒した。
覚醒はしたが何が起こっているのかわからない。
今現在の体の痛み…
起きたにはこんな痛みはなかった…何故…と考えようとした所で、近付いてくる殺気に気が付く。
顔を近付く殺気の方に向けると…歩いて来るのは人間…いや…人間なのか?
『お、お前はなんだ?』
「答える義務はない。」
『ちょ、ちょっと待ってくれ!な、何が望みだ?』
「はぁ?もういいよ。他の奴に聞くから。取りあえずお前は一回逝っとけ」
指をポキポキ鳴らしながらカバに近付いて行くと
『い、いや!お、俺が悪かった!謝る!だ、だから来るな〜!』
「見掛けた事もないのか…しょうがないね。他を当たろう?」
そういうミオに「そうだな。」と返事しながらもカバから目を離さない。
先程のような殺気は出していないものの、カバからすれば気が気ではない。
あの後も散々小突かれたのだから…
この辺りでは敵なしだったのに……………
「んじゃ、次行くか。」
どうにか硬直から立ち直ったフェンリルの頭を優しくポンと叩き、ミオを抱き上げ「じゃあな」と飛び上がる。
ミオは「またね!」と言って手を降ってくるが、正直二度と会いたくないとガクブルするカバであった。
読んで頂きありがとうございますm(__)m




