24、そうだったのか!
イルマを出て3日でネルに着き。そこでオーガ討伐依頼を受け4日で森を抜けてオマロ。オマロで一泊し今日ルキアに到着した。
ここはリーゼス山脈の手前の一番大きな街で、魔物もそこそこ強い物が生息している森が近いため、Cランクくらいまでの冒険者が力を付けるのと稼ぐためにはもってこい場所なので、冒険者の人数も多いためギルドも大きく立派だ。
街に着いた一行はオーガの討伐依頼達成の報告と素材を売り払う為に真っ直ぐギルドへ向かった。
ギルドの中は昼に近いこともあり人は疎らだったがなん組かの冒険者達もいた。
『おい!あれ「下弦の月」じゃないのか?』
『本当だ!全員いるんじゃないか?!』
『下弦の月って?』
『ばっか!お前「下弦の月」つったらAランクの剣士ガイストさんと魔術師のアルザスさんが率いるAランクパーティーだよ!』
『ええっ?!』
『こっちで見るの久しぶりだよな?』
『ってか、なんか人増えてないか?』
『そういえば1、2、3…7人?』
『「下弦の月」って新規メンバー取ってなかったはずじゃ?』
「なぁフィン?凄い注目浴びてる気がするんだけど?」
「ん?まぁそりゃ下弦の月って言えば冒険者の中では有名だからな」
「でもイルマじゃこんなに注目浴びてなかったじゃない?」
流石のミオもいきなりの注目度合いにびっくりしている。
「イルマは私達が拠点にしているからいて当たり前になってるからよ」
横からエルが教えてくれる。
「それと下弦の月としては帝国側の深淵の森のほうが行く頻度も高く、此方側にはあまり来ませんからね。珍しいのも手伝ってるのでしょう。
ほら、レイはガイストと一緒にカウンターに行ってこないと」
アルに促されガイストの後に付いてカウンターに向かう。
残ったアル達にミオが
「アルさん質問です」
と手を上げる。
「手を上げる意味が解りませんが、何ですか?」
「ここからリーゼス山脈まで後どのくらいでしょう?」
「そうですねぇ、河を渡たる船次第ですが、河を渡ってから3日程で最後の街リオーネに着きます。
今日と明日はここで休みますから、後5日というところですね。」
「一泊じゃなくて二泊するの?」
「はい。河を渡った後は強い魔物が増えるのでここでしっかり準備してから向かいます。河の向こうにも町はありますが規模がルキアより小さいので品揃えなどが違うのですよ。」
「冒険者の数が多いってのは需要も供給も多いってことだから武器や薬なんかの品質もそこそこ良いしな」
「河を渡るのはCランク越えてる冒険者が多いの。その位の冒険者達は皆そこそこの武器を持ってるから反って売れないのよね」
「リオーネまで行ったら武器の修理してくれる鍛治屋位はあるねんけどな。
リーゼス山脈にいるランクの高い魔物の素材を加工出来るような腕の職人はイルマまで戻らなおらへんし」
リーゼス山脈からヘギークリア国側に出てくる魔物はリオーネで抑える。
もし、リオーネを越えられても河を渡れる魔物は殆どいないため、リーゼス山脈に行くまでの街で一番安全で大きな街であり、最後の街という事。
それだけ河を渡ってからは危険度が上がるということだ。
まあ、河を渡ったらすぐにSやAランクの魔物が出てくる訳ではないが…
その頃カウンターで依頼の完了手続きをしていたガイストとレイ。
ギルドカードを出し確認して貰っていたのだが…
「ええっ!ガ、ガイストさん?!本当ですか?!」
「嘘を付いてどうなる?それにカードに記録されてるだろう?」
「はぁ。それはそうなんですが…。」
ギルド職員はまじまじとレイを見る。
ネルのギルドからの連結でガイスト達「下弦の月」と一緒にオーガ討伐の依頼を受けた「樹庵」の話しは聞いていた。
ガイスト達と一緒に入って来た事でレイ達がそうだという事も分かったので見ていた。確かに駆け出しの冒険者とは思えない身のこなしだが、ガイスト達が「強い」と言う程ではなさそうだったのだが………
「オーガキングを単独で、ですか……」
居心地の悪そうなレイの横で何故か自慢そうなガイスト…
ギルドカードには便利な機能があり、ギルドで討伐依頼を受けるとまずその内容が記録される。
今回なら「オーガ13体の討伐。報酬金貨4枚。追加1体に付き銀貨20枚。」
そしてどういう仕組みかは解らないが討伐依頼を受けた魔物を倒すとその旨が記録される。
今回の場合パーティーで受けているので、ガイストとレイのカードには「オーガ16体」と記録がありそれは問題ないのだが、レイのカードに備考として「オーガキング1体。オーガ2体。」とある。
備考とは、オーガの討伐依頼を受けていたが、依頼にはないけど同種の魔物も倒しちゃったよ(テヘ)。
というのことである…
「と、とりあえず、オーガ16体の討伐で金貨4枚と銀貨60枚の報酬です。どうされますか?」
「半分をうちの(下弦の月)口座にもう半分を…」
「ちょ!ガイスト!半分なんて貰いすぎ!人数で割ろうぜ!」
「ん?だが普通は合同パーティーを組んだらパーティーで折半だぞ?」
「いやいや、俺達はまだガイスト達に甘えてんだから人数で割らないんだったら、全額下弦の月が貰ってくれ」
「ふん。」
ガイストはチラッとアルのいる方に目をやると、アルも聞いていたのか軽く頷く。
「分かった。人数で割ろう。一人銀貨65枚と…」
「細かいのは下弦の月で!だから俺達には二人分で銀貨130枚。金貨1枚と銀貨30枚を「樹庵」の口座に入れて下さい。」
「解りました。そのように。あと、レイさんのオーガキングとオーガの討伐の件は上の支持を待たなければいけないので明日もう一度ギルドへお越し願えますか?」
「分かった」
何故かガイストが返事を返しカウンターから離れアル達と合流した。
その後素材買い取りカウンターの方へ行き、素材を売り払い(その分配でまた少し揉めたが)馬車を馬屋に預けた後、やっと宿へと落ち着いた。




