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20、なにはともあれ

遅くなってすいませんm(__)m

 偵察に出ていたソラが戻り、数と位置が確定した。

位置はギルドで聞いたのと同じで、数は16。


それを聞いたガイストは

「その数なら問題ないな。予定通りいくぞ」


それぞれが『是』と応え森に入っていった。

澪は零に「行ってくるね」と気楽そうに手を降って行った。


澪と離れるのは嫌だが、心配はなさそうだと諦めて1つ溜め息をこぼすと、澪達が向かった反対の方にある少し大きい反応に意識を向けた。


1つだけだが、澪達が向かった先にいる物の3倍程の大きさの反応。少しづつではあるが確実に此方に向かっている。


どうしたものか?と、腕の中で思ったより大人しいフェンリルに視線を落とす。


フェンリルもレイの視線に気付き上を見上げる。


が、目が合ったとたん『ふん』とばかりに顔を背ける。

そんなフェンリルに苦笑しながら、考えを巡らせる。


「なんにせよ、もし澪達の方にいくなら面倒だな…」

かといって、馬車を離れるわけにはいかないし…

かといって、こちらに誘き寄せるわけにも……

余り近くで戦うと馬が怯えて暴れる可能性がある。フェンリルの問題もあるし……


フェンリル………

確かこいつは風を使えるはず。風の結界を張れるなら……いけるか?

魔力の量はたいした事ないが20分位はいけるんじゃないか?ともう一度腕の中のフェンリルを見ると、何か感じたのか俺を見上げる。



「お前、風で結界張れるか?」


『………じぶんにだけ…』

そういって又、目を逸らせた…今度は申し訳なさそうにだが……

「まだ小さいんだから気にすんな」と声をかけてやるが、地味に落ち込んでいるようだ。


この世界では魔道具はあまり発達していない。

前の世界なら結界を張る道具があったのだけど。俺も結界は張れないし、張れたとしても俺が張るとそこから動けなくなる。


考えがまとまらないうちに、どんどん近付いてくる気配。


んー…やっぱりやっとくしかないかな?向こうは始めたみたいだし…



「澪達の後ろを取らせるわけにはいかないから、ちょっと行って来る。俺の探知圏内だからなんかありそうなら直ぐ戻って来れるけど、お前はどうするよ?」

『……どうするって?』


「俺に着いてくるか?それとも馬車に残るか?」


『…ついていく……』


こいつについていくのはちょっとしゃくだけど、のこるのもこわい……

あのにんげんたちみたいなのがきたら……つかまったとき…こわかった…


ちいさいはこにいれられて…あんなのはもういやだ!




フェンリルの返事を聞いてレイはまず馬を繋ぐ。


「いい子だから大人しく待っててくれよ」

というレイに返事するように鼻を鳴らす馬達。

この二頭立ての馬車の馬達はガイスト達の所有で、馬もガイスト達のものらしく馬という臆病で神経質なはずの動物がなかなかに胆の据わった性格をしている。


初めて出会った時の商人の馬車の馬はレイがあまり近くにいると怯えていたが、この馬達は平気だ。

軍馬程ではないのだろうが、ガイスト達にある意味鍛えられたのだろう。


「すぐ戻って来るからな」


そう言って、フェンリルを抱いたままレイが跳躍した。


冗談ではなく、アニメか特撮の忍者のように、ヒョイヒョイ木から木へ飛ぶように移動するレイは

あっという間に接敵した。


魔物の姿が遠目に確認出来た所で一度止まる。

「でかいな。オーガっぽいけど、あの大きさはないよなぁ」


「キングだ……」


「なに?お前あれを知ってるのか?」


「たぶんオーガキング。」


「?ようするに、今澪達が行ってるのはこいつの子分達の所ってことか?」


「たぶんそう。みるのはぼくもはじめて…ゆだんするとかあさんでもけがするっていってた。」


「そっか。んじゃとっとと終わらせて戻るか、あんまり馬車を離れてられないからな」


「えっ?ぼくのはなしきいてた?!かあさんでもけがするかもしれないやつなんだよ?!」


「爪立てていいから掴まってろよっと」


「って?ええぇ???」


レイは躊躇なくオーガキングに向かっていった。





     ※

その頃ガイスト達は作戦通りに事を進めていた。

ガイストとフィンが巧く斬り込み、外れそうな奴はソラとアルが的確に仕止める。

そうやって巧く囲い込み、オーガの数が半数まで減った所でエルの火魔術で囲む。そしてエルの魔術の火を囲むように澪の氷の術を発動。


本当なら取り囲んだオーガたちを一体づつ仕止めるつもりだったのだが、オーガ達の群れを見てガイストとアルが

「集落を作るつもりならキングが近くにいるはず。」

「馬車が心配()ですからなるべく速やかに戻りましょう」


ということで、澪の魔術で森への延焼の心配がないことと、素材もどうでもいいので

「エル、燃やせ。」


「わかったわ。」


ガイストの言葉に頷いたエルが火の温度を上げた。

火魔術の上位、浄化の火で悲鳴すらあげることなく、瞬く間に焼き付くされるオーガ達。


しっかり焼き付くされたのと、森への延焼がないことを確認し、馬車へと戻る面々。


途中、ソラとアルは少しの違和感を感じたが、すぐに消えたため気のせいだと思った。

違和感を感じた時に口に出せば、ソラとアルの二人が一緒に違和感を感じたということで、何か話し合いをしたかもしれないが、一瞬だったのでお互い気のせいだと思ってしまった為、口には出さなかった。

まさかレイが馬車を離れて魔物を倒しに行ったなどと考えつくこともなく。




 馬車のところまで皆が戻って来たとき、レイはめんどくさそうに、フェンリルを構っている最中だった。




「何をやってるんですか?」


「ああ。お帰り。ずっと馬車の中でじっとしてたからストレス溜まってたんじゃね?」


「ストレスが何かは知りませんが、まぁ喧嘩してる訳ではなさそうですね」


「…アル。で?そっちは上手くいったみたいだな。」

「エルさんの火魔術凄かったよ!」


澪が興奮気味に話す。


ガイストの作戦通りに上手くいったらしい。

少し作戦と違ったのは、ガイストがチマチマやるのを面倒がり、エルの魔術で一気にかたを着けたくらい(…)か。


フェンリルは澪が帰ってきたので澪に飛び付いていった。澪も満更でもなさそうに抱き上げて撫でている。

それを横目で見ながらガイストに視線を投げると、頷いて皆を促す。


「とりあえず話は後にして馬車に乗れ。出発するぞ!」


「「「「了解。」」」」



とりあえず皆馬車に乗り込み出発した。


因みに馭者はアル。ガイスト、フィン、ソラは使った武器の手入れがあるので、馬車の中である。



なにはともあれ、全員無事に再出発である。

読んで頂きありがとうございましたm(__)m

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