19、パーティー
お気に入り登録が100件を越えました( 〃▽〃)
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さて、依頼を受けるとなると詳しく話を聞かなければならない。
ギルド職員の説明によると、
「4日程前、件の森に薬草を採り入った冒険者がいた。
Eランクの冒険者の二人組で薬草を探している内に、少し奥まで入り込んでしまったらしい。
そこで三体のオーガを見つけた。
幸いオーガに見つかることはなく無事町まで帰還して報告してくれた。
すぐにギルドから調査員を派遣して調べたところ12体のオーガが森の中の少し拓けた場所に集まっているのを確認。
これが昨日の朝のことだ。」
それから直ぐに多方のギルドに連絡を入れ、イルマのギルドからガイスト達のことを聞いて待っていたとのこと………
「ふん。12体か…まだいる可能性もあるな。」
「うーん。微妙な数やね。本気で集落作るつもりやったら20はいるやろうし、先見隊やったら数が多すぎるなぁ」
「森の中で偶然遭遇しただけとか?」
というレイの言葉はソラにあっさり否定される。
「レイやん。そらありえへんわ。オークやったら仲間意識も強いさかい考えられんこともないけどな。」
そこにガイストが
「オーガは同じ集落で育ついわば身内以外のものは、同種であっても敵扱いだ。図体はデカイが脳ミソはな…賢さでいってもオークの方が上だ。ただ、デカイ。個体差もあるが身長が3メートルを越すものがざらにいる。」
「オークよりトロいけど硬いし、ガタイに見合う力が厄介やねん。俺なんか一発貰ったら致命傷や。」
ソラは軽いからな。まぁ頭の悪い魔物からソラが一発貰う所は想像できないけどと思いながら
「弱点は頭だっけ?」
と聞くと、ガイストが
「よく覚えてるじゃないか」と、ニヤリと笑う。
「あのー…そちらのレイさんでしたっけ?冒険者のようですが、ランクは?」
ギルド職員が明かに「下弦の月」のメンバーでないレイが一緒に行くようなので心配そうに聞いてくる。
それはそうだろう。
高ランクの冒険者ならばイルマのギルドがガイスト達だけでなくレイ達の事も言っただろうが、聞いているのはガイスト達「下弦の月」だけだ。
「俺?Eランクだけど?」
「はっ?えーっと…それで「下弦の月」の皆さんと一緒に討伐にいくと?」
「ん?行くよ?」
「はぁ?!む、無理ですよ!!」
大体、もしガイスト達の予想通りオーガが20を越えていれば、Aランクパーティーでも危うい。そんな所にEランクの冒険者が一緒に行くなど、足手まといにしかならない。
最悪、そのせいでガイスト達「下弦の月」がやられてしまう危険もある。
絶対許可出来ない!!
「ああ、心配せんでもレイは強いで。登録したんが最近やからまだランクは低いけど、うちのリーダーやら副リーダーやらと互角でやれるんとちゃうかな?」
は?リーダーといえばガイスト。Aランクの冒険者だ。副リーダーは確かアルザス。こちらもAランクだったはず。それと互角?!
「いや、俺も負けるかもしれんな。」
「はぁ?」
「って何言ってんだよ、ソラもガイストも…職員さん固まってんじゃん」
「ああ。だがお前が強いのは本当だろ?こいつが足手纏いになることはないから、連れて行く。だめなら他のパーティーを当たってくれ」
このガイストの言葉で職員が折れた。
アル達と合流してミオを連れてギルドに戻り手続きして貰う必要があるので、一度宿に戻ることにした。
ついでにレイとミオとでパーティーを作って登録してしまおうということになった。
そのほうが何かと便利だからである。
今後もこうして臨時パーティーを組んだりするときに一々二人のギルドカードも必要なくなるし、パーティーの口座を作ることが出来るらしいので、お金の管理が簡単になる。
因みに出し入れ出来るのは、リーダーと副リーダーだけである。
自分もあまりセンスがあるとは言えないが、ミオのネーミングセンスは壊滅的なので、パーティー名を決めるのに散々悩むはめになる。
次の日の朝。
メンバー全員の姿がギルドにあった。
まずは、レイとミオのパーティー登録だ。
散々悩んだ挙げ句に決まったパーティー名は
『樹庵』(じゅあん)
まあ、ネーミングセンスなしの二人なので此でもましなほうだろう。
特に意味はなく、ミオが言っていた「ツリーハウス」から連想しただけである。それでもミオの考えたものよりましなはず…「殲滅の流星」とか「闇夜の〜」とか…厨二か?と……
「はい。ではパーティー名は『樹庵』で、リーダーはレイさん。副リーダーはミオさんですね。ギルドカードをお願いします。」
ギルド職員さんに二人のカードを渡し手続きして貰う。手続きは簡単に終った。
ギルドカードにパーティー名が追記されるくらいだからだ。
説明はどうしますか?との問に答えたのはアルで
「後で私が説明しておきます」ということで、次は『下弦の月』と『樹庵』の臨時パーティーの登録である。
これもあくまで臨時であるため簡単に終った。
リーダー同士のカードに記録させるだけである。
ギルドで最終確認をしていく。
依頼内容は「オーガ13体の討伐」。
報酬は金貨4枚。
それ以上は一体に付き銀貨20枚の追加報酬。
レイ達はそのまま旅に出るので、報告は次にレイ達が目指す町「オマロ」のギルドで行う。
まあ、それまで森に入れないのは困るので、明日にはここネロのギルド職員が調査には行く。
依頼失敗も考えられるので…………
依頼失敗=冒険者パーティー全滅。
力に見あった依頼を受けていても、突発的な問題が起こらないとは限らない。冒険者とは命懸けの職業なのだから………
準備も整い、出発する。今日の馭者はアル。
本当はフィンだがレイへのパーティーの説明と、今回の作戦の説明のためにアルが手綱を握る。
「パーティーの説明は後でかまいませんね?森まであまり時間もないので先に今回の作戦の説明をしておきます。」
「了解。」
ミオはミオで馬車の中でガイストに説明されているようだ。少し疲れた感じがするのは気のせいだ…気のせい………
「通常、私達だけならソラが偵察に出ます。相手の正確な数、場所の把握をしたらそれらを逃がさないように包囲します。ガイストとフィンが追い込んで行き、逃げそうなのは、ソラと私が。相手がそこそこ固まったら、エルが火魔術で囲うので、エル以外に私が火耐性の術をかけ一気に畳み込みます。」
「俺とミオは?」
「ミオにはエルの火が森に飛び火しないようにしてもらいます。レイは討ち洩らしと馬車の警戒をお願いします。」
「…俺らそれだけでいいの?」
「はい。今回は本来「下弦の月」への依頼です。それにガイストがレイ達を巻き込んだだけですから…」とため息をつくアル。
「それでも今回はミオがいてくれるので、本来森の中でエルの大規模な火魔術など使えないのが使えるのと、外にレイがいることで前だけを気にすればいいので随分と楽なんですよ。」
火魔術は森などの中では使い勝手が悪い。回りに延焼でもしようものなら大惨事になるからだ。
アルはある意味オールマイティーだが得意なのは風と水。どちらも森の中では火と相性が悪い。
風は火を煽るし、水は火の威力を落とす。
加えて、エルはあまり細かい制御が得意ではない。火魔術の威力だけでいえばエルのほうがアルより上なのだが、他の属性や制御力に問題ありで時間のある時にアルに教わっている最中である。
大体の作戦を聞いているうちに森に着く。町から歩いても30分くらいなので直ぐだ。
ここから森に一時間程入ったあたりがオーガが目撃された場所だが、今回はレイが馬車を護れるので途中まで馬車を乗り入れる。
ソラが先行し確認に行こうとするのをレイが呼び止めた。
「ソラ。14、5あるから気を付けろ。ここから北東だ。」
「オーケー!ありがとレイやん」
アルが地図を取り出しソラに言う。
「私達は予定通りこのまま馬車で森にはいって目撃場所から真西にいます。偵察が終わったら合流して下さい。」
「了解。ほな、行って来るわ。」
片手を軽く上げてソラが森に消えていくのを見送って、馬車をソラとの合流地点まで進めた。
合流地点まで魔物との遭遇もなく進めた。
獣の数も少なそうだ。これもオーガのせいかもしれない。
自分より強い魔物が住み着くと弱い魔物は逃げる。野生の生存本能だ。
戦闘回数が減るこちらとしてはありがたいが、良いことばかりでもない。
そこそこ能力のある魔物などがいなくなるという事は、残っているのは力量を計れないバカ、もしくはそれより強い物である。
なのでエンカウントするとすれば、雑魚かオーガの群を気にとめないくらいの強者である。
「レイの事だから心配ないとは思いますが、気を付けて下さいね。」
アルがレイに注意を促す。
「ああ、俺は大丈夫だよ。それよりミオ頼んだぞ。」
「まかせろ。」
レイの言葉にフィンが力強く頷く。
「大丈夫だよ。ガイストさん達も一緒なんだし、レイは過保護だよねーっ」
と、腕の中のフェンリルに話しかけるミオ…
「……ミオ、そいつは置いていけ。」
レイの言葉に皆がフェンリルを見る。
「そうだな…もしミオからはぐれた時になにかあっても守りきれないかもしれんな。」
とガイストが言うと
「そうですね。飛び出されても困りますしね」
とアルが続く。
「でも、レイ君と相性悪いのに二人で(?)残して大丈夫かな?」
エルの心配はもっともであるが、
「さすがにこいつだってレイしかいないところで、レイに逆らうようなことはないんじゃないのか?」と言うフィン。
ミオとフェンリルはじっと目をあわせ、おもむろにミオがフェンリルをレイに差し出す。
差し出されたフェンリルは、耳を伏せ、尾を後ろ足の間に入れる。
唸りこそしてないが警戒心丸出しである。
レイはミオが差し出したフェンリルをため息をつきながら受けとる。
レイは別に動物は嫌いではない。好きな方だ。特に犬は上がった身体能力で目一杯あそぶ。
まぁ、フェンリルは狼だしな…しょうがない。
そうこうしているうちに偵察に出ていたソラが戻ってきた。
読んで頂きありがとうございますm(__)m
フェンリルがいない部屋でなにがあったのか…
まあ、レイの気持ちもわからなくもないのでミオちゃんご愁傷さま(笑)
しょうがないよね、レイ君飢えるので(笑)




