18、ふざけるな!
うにゃ!!
お気に入り登録が90件越えてました( 〃▽〃)
ありがとうございます
m(__)m
早朝、軽く朝食を取ったレイ達一行は、アルの話しでは昼過ぎには着くだろう町に向けて野営していた場所を出発した。そこで少し食料品を買い足したりしてその町に一泊し、次の日の朝出発する。
まだイルマを出て3日目なのに宿に一泊するのは、その次の町まで5日程野宿が続くからだ。
普通に街道沿いに行けば途中に宿泊できる村もあるのだが、少し遠回りになるため、途中にある森を突っ切ることにした。
急ぎの商人や、冒険者なども使うため林道程度の道があり馬車も通れる。魔物もでるが、このメンバーなら問題無いだろうというガイストとアルの判断でもある。
今朝手綱を握るのはソラで、その横には若干不機嫌そうなレイ……
昨夜は早い時間にレイとソラが警戒にあたり、その後ガイストとフィンに代わった。
アルは手綱を握っていた時間が長かったため、夜警から外れた。
夜警明けのガイストとフィンは馬車の中で仮眠を取っているので、アルが後方の警戒にあたり、エルとミオが小声で話に花を咲かせている。
隣に座るソラに悪いと思いつつも、レイが不機嫌なのは昨夜の夜警交代後の話し……
ガイストとフィンを起こして夜警を交代し、いつものようにミオの側へ行ったとき、それまでエルの側で寝ていたはずのフェンリルがミオの側へ移動した。
移動しただけなら問題無かったのだが……
鳴いたのだ………
レイからするとあざとく……
「クーン」とも「キューン」とも聞こえるような声で………
フェンリルと出会って3日。初めての事だった。
一瞬呆気に取られた一行だったが、母性本能をくすぐられたのが二人。
ミオとエルである。親から離れ淋しいのであろうと、少しでも慰めるために二人で挟んで寝た。
その時はレイもしょうがないと思ったのだ。
小さな仔が淋しくて鳴くのはしょうがない。
ミオ達がそうして甘やかすのもしょうがない事だと…
だが、その直後心話のようにレイの頭に声が響いた…
「ふん。ざまぁみろ」と…………
一瞬耳を疑い、まさかな?と思う。だが次の瞬間
「龍なんかどっかいけばいいのに」
と言う声が届いた時、フェンリルの声だと確証した。
やっぱり龍だと気が付いてやがったとか、他にも思うところはあったが、ミオと自分を引き剥がすためにあざとくもあのタイミングで鳴いてみせたフェンリルに怒りがわき、そういえば雄だったとか嫉妬も混じり殺気が沸く。
だが、その場にたのは、一流の冒険者達。
レイの殺気に反応したのは、ガイスト達だった。
「零?!」ミオである。
「どうした?!」ガイスト。
「レイ君?」エル。
「「レイ?」」フィンとソラ。
「なに?!」アルに至っては飛び起きた!
気まずい………
フェンリルの心話の話しを「龍」のところは隠して話したが皆半信半疑。
結果………
「レイ、大人気ない…」
ということで話しがまとまってしまった。
ミオには
「親元に帰してあげるまでだから、少しの間我慢してね?」
と、言われる始末…
一人、ミオから少し離れたところでふて寝する羽目になったレイ。
べつに眠る必要などなかったが、自身を落ち着ける為にも、朝まで横になり目を閉じていた。
そんなことのあった翌朝である。朝からフェンリルはミオに付いて回り、レイを近づけない。 機嫌が悪いのも仕方がないというもの。
ソラはそんなレイを苦笑混じりにみやる。
昨夜、レイの殺気は一瞬だったが凄まじいものだった。寝ていたアルが飛び起きる程に…
随分前に受けた遠方からの軽い殺気でも「やばい」と思わせるものだったが、比べ物にならないくらいの凄まじさだった。
冗談でもミオにちょっかいは出さないと誓う程。
そして、そんなレイを尻目にミオに付いて回るフェンリルにため息が出る。フェンリルとはいえ、まだ子供。レイとどちらが抑えやすいかと言われればフェンリルだ。
かといって、一応保護しているフェンリルを押さえつける訳にもいかないので、町に着いて宿を取ったらフェンリルの面倒は自分達がみて、レイとミオを二人にしてやろうと思う。なんだかんだと、アルの次に周りに気を使うのはソラなのであった。
その日の昼過ぎ予定通り次の町「ネル」に着いた一行は馬車を預け宿を取る。
ガイストとエル。フィンとソラ。ミオとレイ。アルは一人部屋である。
一度部屋に入り荷物を置いたら、宿の一階の食堂に集合だ。
「えっ?!ちょ!零!」
部屋に入るなり、レイはミオが抱いているフェンリルの首根っこを掴みベッドへ放り投げた。
猫のようにクルンとまわり難なくベッドの上に着地したフェンリルは「ウゥーッ」と低く唸る。
それを一瞥したレイはすぐにミオに向き直り、まだ唖然としているミオを腕の中に捕まえる。
「零?」
「ちょっとは俺も構え」
「零…でも子供なんだよ?」
「わかってる。でもこいつ俺が「龍」だと気が付いてて嫌がらせしてやがる」
俺の言葉にミオはびっくりした顔でフェンリルをみるとフェンリルから心話が届いた。
「龍なんかきらいだ。おねえちゃん、龍なんかほっといてぼくといてよ!」
「何言ってんだこのクソガキ!?ミオを誰にもやる気はない。」
「いつから心話使えるの?しかも広域?」
ミオ…ずれてる。
「う〜ん?たぶんきのうのよるから?その龍のせいだよたぶん。」
尻尾をパタパタさせながらミオに答るフェンリル。
「零なんかしたの?」
「いや?なにもした覚えはないが?とりあえず、今は時間がないから話は後だ。ガイスト達が下で待ってるだろうし…。
お前、分かってると思うが、ガイスト達に余計な事言ったら潰すからな。覚えておけ。」
昨夜の失敗を鑑みて殺気を一点に集中してフェンリルだけに向ける。
殺気を向けられたフェンリルは耳を伏せて尻尾の毛を逆立てた………
その頃、ソラはフィンに
「今晩フェンリル預かろうと思てんねんけど、かまへんよな?」
「ん?フェンリル?」
「いや、レイかわいそうやん?ミオ、フェンリルにかまいきりやし?」
「あぁ。そういうことか。確かに(笑)機嫌悪かったしな。いいんじゃね?」
昨日のレイの殺気には驚かされたしなっと苦笑い。以前ソラから聞いたが、普段のレイを見てると想像がつかなかったのだけど…ソラが怖いと言っていた事をようやく実感した。
オークを2体、一刀で仕留めた腕といい、あの殺気といい、尋常じゃねぇよなぁ。まぁそのレイを煽るんだから、小さくてもやはりフェンリルという所か…
それぞれ荷物を置き皆が食堂に集まったあと、軽く食事をして、ギルドに向かう班と買い出しに行く班に別れる。
食事を作るのは、エルとミオなので自然と買い出しは、エルとミオ、それに会計にアルと荷物持ちにフィン。
ギルドにはガイストとソラ、レイで向かうことになった。
ギルドへはAランクの報告義務と素材を売り払うためである。
ついでに何か次の町までの間に受けられそうな依頼も探す。ついでなのでなくても問題ない。
だが、そういう時に限って何かしらあるもので…
ギルドに入ったとたん
「ガイストさん!此方に向かっておられると聞いてお待ちしてました!!」
ガイストを見つけたギルド職員が叫んだ。
「一体何事だ?」と聞くガイストに「実は…」と話し出したギルド職員の話はこうである…
これからレイ達が抜けて行こうとしている森の中にオーガが住み着いたようである。単体なら今までも居たし、Dランクの冒険者でも3人程でなんとかなる魔物なので問題無かったが、どうも集落を作ろうとしているらしく、目撃されているのが最低でも10体。
そこまでの数になるとAランクパーティーでないと対処できない。
ここのような小さな町に常駐しているAランクパーティーなど無く、他所のギルドに応援を要請しようとイルマにも連絡を入れた。
そしてイルマのギルドマスターからガイスト達「下弦の月」が此方に向かっていると聞いて待っていたのだ。
その森には、そこでしか採れない薬草もあり、町の収入源の1つにもなっている。特産品などないありふれた町では森に入れなくなると大打撃を受ける。
だからなんとかガイスト達「下弦の月」で依頼を受けて貰えないだろうか?ということだった。
ガイストとしては、依頼を受けるのはやぶさかではない。
だが、今はパーティー以外の人間も一緒にいる。どうしたものかとソラを見ると…
「受けていいんちゃう?なんやったらレイとミオも臨時でパーティーに入れたらいいやん?」なぁ?とレイを見る。
臨時パーティーって?と聞くレイに
「その依頼の時だけ特別に組むパーティーで、依頼が終了した時点で解散出来るんや。」
「依頼を受ける時にその旨をギルドに報告しておけば、終了時に自動で手続きしてくれる。」
どうする?と目で聞いてくるガイスト。
ガイスト達の闘いをみて見たいと思っていたレイは、それを条件に了解した。
読んで頂きありがとうございますm(__)m
レイも大人気ないけどフェンリル君…
((((;゜Д゜)))




