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15、逃げられない!

逃げ出した!回り込まれた!エ



野性の感って怖いよね?



「それで連れて帰ってきたと…」ちょっと温度が下がったアル…冷気が………


嬉しそうにうんうんと頷くミオ。なんとなく居心地の悪い俺。我関せずで水を飲む犬モドキ……


なんで俺だけが居心地悪いんだよ!


「で、大丈夫なんですか?」

なにが?という顔でアルを見ると


「噛まれたのでしょう?怪我は?」


「あ〜。服に穴があいただけで怪我はしてない。」


「はぁ……驚くのも疲れますよね。そうですか。『それ』に噛まれて被害は服だけですか…。はぁ。多分ですが、その色と魔力量からいって只の獣ではありません。魔物とも少し違います。フェンリルあたりじゃないかと思います。」


「あっ!」


「レイ?何か思い当たることでも?」

「あっ!?いや…その…そういえば島にいた時に聞いたことがあるかなぁと…」


 前の世界で竜とフェンリルは相性が悪かった。というかフェンリルが竜を嫌ってた。俺自身は気にしたことはなかったが…ひょっとすると、ここでもそうなのか?だから俺を襲った?いや、前の世界でも相性は悪かったがフェンリルが竜を襲うなんてことはなかった。

いくら神獣と言われようと相手が竜では部が悪かったからだけど…

それに、もしそうだとしたら『こいつ』は俺の『本性』に気が付いたということか?


子フェンリルも、はっきり本性が判った訳ではなく、テンバッて噛み付いてしまったとはレイも気づかない……



「本来北のリーゼス山脈の人があまり入らない森の奥にいるはずなんですが、親とはぐれた所を捕まったんでしょうね…」


「フェンリルなんか捕まえてどうすんだ?」


「ペットや使役獣として高値で売れるんです。フェンリルを使役できれば相当の戦力アップになりますし、子供の頃から育てればなつきますからね。」そう言って、今はまたミオに抱かれて大人しくしている『やつ』を見る。

「それまでは隷属の首輪などの魔道具もありますから、それを付けられる前に上手く逃げたのでしょう。」


「じゃあこいつを探してる商人か何かがいるってこと?」


「いい金蔓ですから探してはいるでしょう。フェンリルは数が少ない上に強いので早々捕まるものではありません。まして子供は一人立ちするまで親が側から離れることはありませんからレアなケースでしょうからね。」


ってことは、俺達が連れてるのは不味いんじゃないか?と思いミオを見ると、フェンリルをギュッと抱き締めふるふると首を横にふる。

 


アルの目がどうするんだ?と聞いている。


「その「なんとか山脈」までってどのくらいかかるの?」


「ミオ…。リーゼス山脈ですよ。そうですねぇ。馬車で15日〜20日といったところですかね。途中にに大きな川があるのと、ほぼ国境ですから」


ミオがこちらを見る。

はいはい。送って行くんですね。わかりました。


ミオと俺のアイコンタクトを見ていたアルが、


「送って行っても親と会えるとは限りませんよ?というより、親に見つかった時点で敵認定されますよ。止めておきなさい。それはまだ子供ですが、大人のフェンリルはSランクですよ。下位ですがね。」


「え〜っ?大丈夫だよ。」


「ふぅ。何故大丈夫なんですか?根拠は?」


「う〜ん?なんとなく?」

俺を見るなミオ。いや、俺がいる時点で多分敵認定されるから。

ほら、アルまでこっち見てるよ。視線が痛い。


……………はぁ。

ミオは人を見る目はあるので、多分話しても大丈夫だと思ってるんだろうけど、俺はまだ自分の事を話す準備は出来ていない。


アルが俺から視線を外さない。


あ……………。


「わかりました。どうしても行くと言うなら私も付いて行きます。」


えっ?でもかなり遠いし、しかもアルは『下弦の月』があるし……


「心配しなくても、多分ガイスト達も付いて来ますよ。下手な依頼を受けるより楽しそうですしね」

……なんかこう、アルの微笑みが少し黒く見える…気のせいかな?気のせいってことにしておこう。うん。



 そうと決まればアルの行動は、早かった。

すぐにガイスト達と話し合い、ギルドに暫く街を離れると報告し、馬車の手配まで済ませ次の日の朝には街を出る手筈を整えた。


アルすげー。







     ※


噛み付いてしまった…

「あれ」だとおもったのににんげんだった。

でも、こいつには歯が立たない。おれは小さいけど、ほこりたかいフェンリルだ。にんげんにきずもつけられないなんてありえない!!

………怖い…にらまれてる…はなれたいけど…きばがひっかかってはなれられない……どうしよ……うっ?!


く、くるしい…


はなれられたとおもったら、なんかすこしいいにおいがするにんげんにぎゅーぎゅーされた。

しぬかとおもった。


なんかつれていかれるみたいだけど、まえのにんげんみたいにいやなにおいがしないからついていってみることにした。


あしがふるえてにげられなかったわけじゃないからな!!




     ※


「ほんと、厭きないよな」


肩震えてるよフィン…


「ほんま、やっかいなもんになつかれるたちやな」


ソラ…嬉しそうだな。


「あそこに行くのは久し振りね!」


エルさん楽しそうですね……


「リーゼスに行くならあれも手にはいるか…」


なんの皮算用ですかガイスト……


「皆、今晩中に荷物は纏めておいて下さいね。朝馬車を取りに行って、荷物を積んだら食料を仕入れてそのまま出発しますから、そのつもりで。」


アル……

いや、もう何も言うまい。




そうして、次の日の朝、俺達はイルマの街を出た。







     ※


なんかおとーさんとおかーさんのところにつれていってくれるらしい。

にんげんのことばはすこししかわからないけど、

ほんとかな?

いいにおいするにんげんはうそついてないみたいだけど…

あのにんげんのかたちだけど「あれ」のにおいがするやつもいっしょだからちょっと怖い…

でも、ちいさい「はこ」にいれられてないからいつでもにげられる。


だからもうちょっといっしょにいてみようとおもった。

いいにおいにだっこされ、ひさしぶりにあんしんしてねむれた。



     ※


読んで頂きありがとうございますm(__)m



ミオはレイに丸投げです(笑)


そして、フェンリル君は♂の子なのでレイは微妙……



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