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12、お兄様登場?

「そっち行ったよ!」

「りょーかいっと」


 ミオが魔術で追い込んで、レイが仕止めて素材を剥ぐ。

 魔物を狩る連携も上手くなり、狙った獲物を逃がさなくなった。

最初はレイが殺気を出しすぎて、魔物がとんでもないほうに逃げたりミオに向かってきたり、また網の範囲外の魔物までレイの方に追い込んでしまったりと、大変だったけどそういう失敗もしなくなり、狙った獲物を狙った数だけ(…)仕止められるようになった。


 現在二人がいるのは、イルマの街から北西に馬車で約1日。レイの足で約3時間の森。サリキス公爵領の北西の端に当たり、他の貴族領との境目でもある。少し深いこの森には強めの魔物がいるが、どういう訳か森からは出て来ない。

 中心に近くなるにつれ魔物は強くなり、ギルド推奨ランクは個人でB、パーティーでCである。

 森に30分も入り込めば、キリングベアなどのCランクの魔物が住まうような森で、未だFランクの二人が入れるような所ではないはずの所で、連携と力加減の練習を始めて約一週間。

 オーバーキルで素材が採れないなどという失敗もなくなり、なんとか他人前で戦闘になっても誤魔化せる手加減が身に付いた。


 あれから5日程は街近くの薬草採取などの依頼を重ねていたが、街から近いだけに力の加減を練習するのは無理があったので、それとなくアルに相談した所、条件付きでこの森を教えてくれた。

 「いい場所があるにはありますが、毎日ちゃんと帰って来ると約束してくれますか?」


「ん?それでいいのか?」


「ええ。かまいません。」


「わかった。約束する。」


それで教えて貰ったのはいいが、馬車で一日だ。

その距離を毎日通えって無理じゃね?と思ったら

「レイとミオなら通えるでしょ?」とにっこり微笑まれた。。。


アル、怖いよ………

まぁ、ガイスト達には力をあまり隠してないからなんだけど…

 約束は約束なので、毎日森まで通っている。朝、街を出て森に着いたら少し狩りをして休憩を取り、その後2時間程練習()をして、暗くなる頃に所用を済ませて宿に戻る。

そんなサイクルに慣れ始めた頃、ガイストから次期領主のニキタール様が一度レイとミオに会いたいと言っていると聞いた。

 なんでも妹君にあたるアメリア様が迷惑をかけたので謝罪代わりにお茶に招待したいということらしいが、微妙だな。


 正式な招待ではないので断っても問題ないらしいが、悪い人ではないので会っておいて損はない、とガイストは言う。

アルはどちらでも、二人の好きにすればいいと。


 綺麗事だけで政治は出来ないので、清廉潔白とは言えないが、そこらの貴族よりよっぽどましで、公爵と地位も高いので何かあった時に後ろ楯になってくれることもあるかもしれない。

まぁ、借を作ったら返さなきゃいけなくなるだろうが……


 ミオと話し合った結果、アルかガイストが付き合ってくれるなら、会ってみてもいいか、ということに…


二人共に快諾してくれ、3日後の午後、領主館に招かれる事になったのだが……


 貴族の屋敷にお邪魔できるような服を持ってない。向こうは低レベルの冒険者だと知っていて招待してるんだから気にする必要はない、と言うガイスト達と、ミオだけでもドレスとはいわないが、小綺麗なワンピースくらい着るべきだ!というエルさんとフィン。

 あー、うん。エルさんは分かるけどなんでフィンが? 

 商業ギルドにそこそこ素材を持ち込んでいたのでミオのワンピースを買うくらいの余裕はあるので、この機会に一枚買っておくことにした。無くて困ることはあっても、あって困るもんじゃないしね。


 久しぶりにギルドに顔を出したり、アルにヘギークリア国内の他の街や王都の話を聞いたりしながら3日目を向かえた。


 お茶会当日。早い目に昼食を取り、用意を整え食堂に下りる。

 公爵家の馬車が迎えに来て4人で乗り込み、公爵邸へ向かった。



公爵邸に着いて生執事さんに出迎えられ、生メイドさんまでみたミオはテンション上がりまくり(初めてじゃないくせになんで?)

「こちらでお待ち下さい」と、案内されたのは応接室のようだった。


前は勇者がらみだったので、城なんかの中にも入ったけど、やっぱり高級そうな所は落ち着かない。

そわそわしてるとアルに笑われた。そうしてると年相応にみえますね、だそうだ。


5分くらいたった頃、ノックの音がして、これぞ貴族!という出で立ちの青年が入ってきた。






貴族なんか面倒。


だけど…より面倒なことから逃げるため!


逃げられるのかはわかりませんが(笑)



読んで頂きありがとうございましたm(__)m

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