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パーティーの仲間に殺された僕はゴブリンに転生して、種付スキルでダンジョンを強くする。  作者: ぐまうす


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 自分のモンスター情報を見て確認してみたが。

(何も変わってませんね)

「あれだけの数とー格上を倒したんだから、スキルぐらい増えてそーなんだけどなぁ」

 ほとんど生まれたばかりのモンスターばかりだったから、一応現成長限界近くまで来てるっぽい僕には経験値が足らなかったんだろう。

 とりあえず暫くは穏やかに過ごそう。

 頼んだら狼が植物採ってきてくれないかなぁ、花とか愛でたい。


 あれから一ヶ月程経った。

 あの後、やっている事と言えば、メイズ様が送って来る魔法陣を調べる事ぐらいで、それが終わってしまえば、最近は花や木をいじっている。

「いたー」

 ご主人様が探していた様だ。

(用事があるなら念話で呼んでくれればいいのに)

「こうして動かないと体がこっちゃうからねー」

 ダンジョンコアが本体のご主人様だが、気分の問題なのだろう。

「それで用はいつものだよー」

(……メイズ様まだ決めきらないんですか)

 一ヶ月経ってもメイズ様はダンジョンボスのスキル決めに悩んでいた。

「流石にちょっとねー。このシナジーがーあのシナジーがーって悩んでいるんだよねー。いやースキルの組み合わせで大きな効果を発揮出来るのは分かるんだけど、どっかで妥協しないと一生終わらないやつだよねー」

(その内冒険者に入られても知りませんよ)

「一応出入り口は防いでいるとは言ってたけどねー」

 そういえばと、ふと思ったことがあったのを思い出した。

(イアールンヴィズの狼も牝って珍しいんですか)

「そんな事ないよー」

(そうなんです? 送られてくる魔法陣は雄のばかりだったんで、てっきり)

 一ヶ月でかなりの数の魔法陣が送られて来たが、両手で数えられる程しかなかった記憶がある。

 まぁ、護ってもらうとしたら雄の方が心強いか。

「スキルの検証をするには生まなきゃいけないからねー。その度に死闘なんか出来ないから飼う事になるけど、牝がいると繁殖しちゃうからさー」

(駄目なんですか?)

「駄目じゃないけど、魔法陣劣化のモンスターを養う程資源が潤沢に有るわけじゃないしねー」

(魔法陣劣化?)

「んー、前からもしかしてと思っていたけど植え付けた知識にダンジョン妖精が培ってきたセオリーは含まれてない様だねー」

 植え付ける知識は邪神様が初期に考えたのから改稿されて無いのということか。

 まあ、意見言えるかどうかといえば言えるわけないか。

「魔法陣劣化っていうのはね正確にいうと生物的割合が増えて魔法陣の機能が阻害されて劣化してしまう事なんだよ。他のダンジョンのモンスターの魔法陣を雌雄で貰って繁殖させると、四世代目ぐらいで産まれてくるモンスターに欠陥が出て来るんだー」

(欠陥ってどんな感じにですか?)

「体が虚弱になったり形が歪になったり、知能が低くなったりが主かなぁ。子供が産まれにくくなる様だっていう報告もあるねー」

(その原因が魔法陣の劣化だと)

「それしか理由が考えられないんだよねー。世代が増える毎に魔法生物は生物に変換されていくけど、それに伴って欠陥が多くなっていくからねー」

(という事は魔法陣の見た目的には変わってないんですか?)

「うん、そうだよー。四世代目の魔法陣を使ってモンスターを生み出しても同じ様な状態にはならないからねー」

 そういう結果が複数あるならそうなんだろうな。

 それにしてもそういうことが起こるのが分かりきっているなら、わざわざ繁殖させようとは思わないか。

「例外が無いわけじゃないんだけどねー」

(例外)

「スライムとか分裂や増殖していく種族とかねー。そしてー、驚くべき事にゴブリンも魔法陣劣化が起きないんだよー、何故か」

(何故かなんですか)

「そう、順当にいけばゴブリンも魔法陣劣化が起こる筈なんだけど、見たという報告が無いんだよね。理由としては人間の女に産ませてるからとか、実は劣化してるけど元々が劣化してる様な存在だから見分けがつかないとか」

 そんなのに転生かぁ、今更だけどちょっと泣いていいだろうか?

(とにかくそういう理由なんですね、分かりました)

「まー、貰った魔法陣でしか起こらない現象だから、特段注意する必要はないけどね」

 そういえば、同じ魔法陣を大量に用意すると警告が出る事があるけど、関係は……無いか。

(そうだ、もう一つ一応確認しておこうと思った事があるんですよ)

「何をー?」

(スキルの二つ目がいつの間にか増えてた事です。一言くらい聞かれるかなーと思ってたんですが、何も言及無かったので)

「そーいうー事は、ちゃんとすぐほーうーこーくーしろー!」

 怒られてしまった。

「あの時増えなかったなら、今日まで特別何も無かったんだから変化あるとは思わないよー」

 まぁ、それはそう。

(いやー僕も何気に見たら増えてたんでいつ増えたのか全く分からないんですよね)

「もー、それでどんなスキルが増えたの」

(緑の手です)

 静寂が訪れる。

(緑の手です)

「二度も言わなくても聞こえてるからー。緑の手ってあの植物をうまく育てられるっていうあの?」

(そのあのです)

「おおよそゴブリンが覚えるスキルじゃないねー……」

(そうですね。おそらくですが種付スキルの育種効果の関連スキルとして発現したみたいです。野菜の種とか手に入れられたら畑とか作りたいんですが)

「好きにすればいーよ」

(その時は専用の部屋を)

「うん、分かったよー」

(ついでに将来を見据えて今の内から森作りたいんですが)

「ついでの規模じゃないよね、それ!」

 はっはっはっはっはっ。

 ご主人様は明日の予定を話し合った後、部屋に戻って行った。

 さてと、本当は後一つ聞きたい事があったんだけど、今は暇で行き詰まるまで暇潰しに一人で検証してみようか。

 でも、魔法陣劣化の事もちょっと引っ掛かる気はする。

 が、今日は新しいスキルについてだ。

 緑の手スキル、効果は二つ。

 植物を元気良く育てる事と接木だ。

 接木は人間の頃にちょっと小耳に挟んだ事がある。

 二つ以上の植物を合わて病気とか虫に強くしたり品質を良くしたり出来るとかなんとか。

 試せるような木が二本無いんだよなぁ。

 しかし、このスキルはなんで発現したんだろう。

 一つ目のスキル効果だけなら最近花を愛でたから分かるけど、接木は関連する様な事をした記憶は無い。

 ツリーモンスターのキメラを作れという邪神様のお告げかと思ったりもしたが、ツリーモンスターが身近にいない、どうしろと。

 そして気になるのは、育種と接木の下に紐が結ばれた様な印が付いていることだ。

 この印を見たから種付スキルと関連したスキルだと説明した。

 そうなると、接木効果の見方が変わる。

 育種効果の様にスキルに関係した効果ではないかと。

 とりあえず使ってみようとすると 『台木と穂木を選択』 と出る。

 木を付けられる木と木に付ける木、現状だとスキルとスキルを繋げることだと考えられるけど、スキル紋を扱っていて分かったが少しでも弄ったら破綻する。

 一度、スキル紋の端の尖っていた部分をほんの少し動かしてみただけで、そのスキルは発現しなかった。

 縦と横の比率を変えても同様の結果になった。

 それ程シビアな物なのにスキルを使ったら手を加えられるとか、正直有り得ないと思う。噂に聞くエクストラスキルなら砂粒程度の可能性があるかもしれないが、接木は凡庸スキルの効果だ、絶対に有り得ない。

 なので、そのままの状態でスキルに影響を与える効果だと思うのだけど。

 穂木は間違いなくスキルならば台木は魔法陣?

 試しにスキルを穂木に選択するとスキル紋が光った。選択されたということだろう。

 次に台木だが魔法陣を選択してみると、反応が無い。

 うーん、武器とか?

 反応は無い。

 やっぱりスキルなのかと選択してみるが、やはり反応は無い。

 接木の認識自体が間違っているんだろうか。

 ある程度成長している木の枝を切って別の木の枝を接ぐというやり方と聞いたが、もしかして幾つか方法があって代表的なやり方だけを聞いたのかもしれない。

 じあ、正解に辿りつくのはかなり困難じゃ……。

 もし種からとか、いや流石に種同士を割って接ぐのは無いか?

 そもそも種からとかならスキルが選択されるとは思えない、ならある程度成っている状態で接木をしていると考えて……、スキルにとって成るとはどういうことだろう?

 魔法陣に描かれている状態がある程度成っている状態、なら成った状態とは?

 スキル紋がスキルとなった状態の事をいうのでは?

 魔法陣が違う事は確定している、だが何故違うのか?

 それはある程度成っている状態だから。

 なら魔法陣が成った状態というのは——!

 僕はそれを台木として選択し、穂木と接いだ。




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