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パーティーの仲間に殺された僕はゴブリンに転生して、種付スキルでダンジョンを強くする。  作者: ぐまうす


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 地形としては、何もない平原、高低差が激しい谷間、そして両方を兼ね備えた場所となっている。それに出てくる狼は新しく生んだ者を配置した。

 ただ上二層はイアールンヴィズの狼だけだが、八階層だけゴブリンが追加される。

 それもゴブリンと狼は冒険者が入った後の成長した状態のダンジョンで生み出し、前と後の変化がどれだけあるのか知る為の実験的な物だ。

 成果としてはまずまず。

 それなりに被害は与えられたと思うが、凌ぎ切られたといった感じだ。

 ただ、今回はモンスターのスキルは重ねていない、次からは重ねたモンスターを出すのでここまで来れる冒険者はしばらくは減るだろう。

 今回こうした理由としては、普通ならどの程度損害を与えられるか知っておきたかったのと、経験値増加があったからだ。

 あの二人が来るのを知っていたら最大限に重ねていたんだけど。

 九層目、暗い樹海と隠密ゴブリンの階層に辿り着かれた。

 やはりベテランといったところか上手く対処されている。

 似た様な発想のダンジョンはあるか、やっぱし。

 とはいえ、ここまで来るのに一週間は掛かっている。

 並の冒険者なら全滅、多少腕が良い冒険者でも半月以上は掛かる難易度になっているのではないだろうか。

 そして翌日にダンジョンボスがいる階層に辿り着かれた。


 緊張するー。

 広い部屋の扉の向こうには、高ランクの冒険者パーティーがいる。

 すぐ入って来ないのは、ちょっと揉めているからだ。

 このまま突破しよう組と一旦引き返して準備を整えよう組だ。

 話を聞いているとどちらの意見もわかるが、突破組に傾くかな。

 新発見ダンジョンの調査だけだったら引き返す意見に賛同は多かっただろうが、メインパーティーの温存はほぼ出来ている事と、何より一回しかチャンスのない鍵を使ってしまっているからだ。

 成長させてしまった上に、次来たら入り口が塞がっている可能性が高そうなのを考えると、攻略してしまおうとなるのはしょうがないことだ。

 話はマティルデが押し通した。

 マティルデが側近に命じて扉を開けさせると、堂々と優雅に入ってくる。

 そして辺りを見渡してから僕を見た。

 嘲笑される。

 今回の為に新調したフルアーマーなのだが、着てるのがゴブリンなので様にならない。

 下手に反応したら本当に弱く見えるので、無視しておく。

 ゾフィーが中に入るのを見て、ご主人様に扉を閉めてもらった。

 ここは小物らしく威嚇の叫び声でも上げた方がいいかな。

 冒険者達は武器を構える。

 準備完了か。

 まああの二人は見物にまわるらしいけど。

(スヴェルド、僕が叫んだら終わらせて)

(御意)

 すかさず状態異常を引き起こすスキルをのせて叫び声を上げた。

 状態異常という負荷が掛かった一瞬の身体の強張り、その隙をついてスキルを全使用したスヴェルドが横から突進した。

 反応出来なかった者は全員斬り飛ばされ、運が良ければ四肢のどれかが吹っ飛ぶだけだったが、運が悪ければ即死だった。

 レイの魂を取り込む事が出来た事で、強化系と補助系の魔法を覚える事が出来ている。

 スヴェルドはもうB級上位程度では勝てはしない。

 出来ればダンジョンの成長の恩恵を受けさせてあげたいんだけどなぁ。

(スヴェルド、上出来。すまないけど少しの間、あいつの相手は任せた)

(任された!)

 風魔法で飛んだゾフィーがスヴェルドに突撃した。

 それを華麗にかわし、激しい空中戦が始まった。

 横目に見つつ剣と盾を構える。

 結局、メインは全員生き残ったか。

 前衛の専属騎士リィター、魔法使いの女官フラウ、僧侶の専属侍女ツォフェ、そして中衛の指揮者マティルデ。

 本当はこのメンバーにゾフィーを入れたいんだろうな、マティルデは。その為に僕を親から買い取ったけど、上手くいかなくて僕は虐げられる事になった。

 さて、この人達は僕の剣技を覚えてるかな?

 良い方に見違えてるから分からないか。

 僕が先に動く壁盾を持ったリィターの素早さを上げる為にツォフェが強化の魔法をかけた。

 まず叩くは回復役のツォフェ。

 その為には、リィターの攻撃を利用する。

 重い壁盾とは逆に武器は軽い片手剣を使っている。上から振りおらされる剣を斜め前に跳んでかわすと、シールドチャージが来た。

 普通のゴブリンならこれで殴り殺されるところだが、ダンジョンボスであり体中にスキル紋を描いている僕にはゆっくり近付いてくる壁だ。それも平坦な壁ではなく突起物が出ている壁だ、登るのなんて造作も無い。

 壁盾の裏を足場にしてツォフェに向かって跳ぶ。

 盾に強烈な衝撃があって、吹き飛ばされる。

 着地をすると、炎の魔法で追い打ちを受けたが、バックステップで距離をとった。

 あの速度でどうやって鞭を的確に当てられるんだろう。

 鞭を持っているマティルデを見る。

 最初の狙いは阻まれたか、次もツォフェ狙いかフラウに変えるか。

 普段でいえばマティルデ達はあの場から動かない筈だ。

 特にゾフィーがいる今回の戦いではその戦法を取るだろう。

 だがマティルデはそうしない、何故ならそれは強敵との戦いで使うパターンだから、いくらダンジョンボスとはいえゴブリン相手に最強が来るまで受けの戦法を取るのはプライドが許さないだろう。

 地面を伝って斬撃が来た。

 上左右には逃げられない後ろも駄目だ、なら当然前に出る。

 同時にリィターが突進を仕掛けてきた。

 スキル、走破加速、気配遮断、蜃気楼。

 それを四人の視界から見えなくなった状態で発動。

 突進から逃れる為に横から抜けると、正確に鞭が飛んできた。

 しかしそれは幻だ。

 消えた幻の後ろから出た僕は剣を振るう。

 振るう事で発生させた風圧に斬撃付与をし、フラウを斬った。

 しかし浅い、だが咄嗟にツォフェは回復をしようとする。

 その隙をついて攻撃するには歩幅が狭い僕では、マティルデに迎撃たれてしまう。

 マティルデもそう考えた様だが、僕は土魔法で杭を作り出して射出した。

 横腹かー、まだ命中率は悪いなぁ。

 どうも怒った様でマティルデは甲高い雄叫びを上げる。

 令嬢としてどうなんだ。

 それに怒っているのはこっちなんだ、せっかく冷静に対処してやろうとしてるのに。

 それでもまだ鞭として使っている。そんなに余裕なら、まずこっちヤろう。

 リィターを真っ二つにしてやった。

 ゾフィーと戦うまで力は隠していたいんだけど、まあこの程度なら。

 フラウが叫び声を上げる。

 主従共々五月蝿い。

 リィターの剣を拾って投擲してやったら、貫通して向こうの壁に刺さった。

 流石、貴族でA級冒険者の持ってる剣は凄い。

 ん? なんか二人とも茫然としてるね。戦いの最中にそんな状態になったら死にますよ?

 土魔法でツォフェが立っている地面から棘を出して心臓を貫いた。

 フラウがいたら気付かれたかもしれないから使えなかったが、今はこの通り。

 悲鳴が上がった。

 マティルデに悲鳴は似合わないと思う、本人もそんな姿を晒すのは不本意だろう。

 やめて差し上げようと、心臓に向かって地面から円を書く様に複数の棘を伸ばした。

 全て斬り落とされた、マティルデに。

 手に持っているのは鞭ではなく剣。これは持ち替えたのではなく本来柄しかないマティルデの武器の魔術具、無形の刃が形を変えた姿だ。

 意思一つでどんな形の武器にもなり、先程までは鞭に変化させていた。マティルデが好んで使う武器形態だが、剣を使うのが本来のスタイルになる。

 刺突を中心とした剣術を扱う。

 目を貫く為の一線が迫ってくる。

 盾で弾くが切っ先が折れ曲がって伸びる。

 魔力さえ尽きなければいつまでもどこまでも追ってくる。だがこの程度は厄介ではあるが対処出来ないわけではない。

 避けているうちに一瞬目を離した時、刃の途中から新しい刃が生えてきて二股の剣になった。

 木の枝の様に幾つも枝分かれして貫こうと迫ってくる。

 まるで枯れ木だな。

 数秒毎に大樹に育っていく。

 ゴブリンの脚では加速系スキルを使っても逃げられない。

 スキル、筋力強化、分身、縮地、蜃気楼。

 分身で多方向から大樹の突きを交わす自分を用意してから、微妙な調節は出来ないが一瞬で移動出来る縮地を使い、更に蜃気楼で分身の後ろに隠れる。

 その中で僕は、上に跳んだ。

 マティルデは分身をしっかりと確認して全てに刃を伸ばして消し去った。

 その一手を隙としてマティルデに体当たりするぐらいのつもりで縮地で跳んだ。

 紙一重で躱された。

 なんで……⁉︎

 僅かな揺らぎがあったからって、あの速い一連の動きで分かるものなのか。

 才能の溢れてる奴はこれだから……!

 だが大樹様に展開している剣を持って反撃は出来ないだろ。

 そう思って剣を振り抜いたがマティルデは刃を根元から切断して一瞬で刃を伸ばして防いだ。

 もっと強い、スキルを使わなければ、もっと、もっと、もっと、もっともっともっともっと!

 有意に立っている筈なのに、追い詰める事が出来ない。

 ただ蹂躙したいだけなのに、ただ凌辱したいだけなのに、ただ絶望させたいだけなのに、ただ愉しみたいだけなのに、黒い欲望を、ただ、ただ、満たしたいだけなのに!




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