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【TRPG】怪談白物語用 フリーシナリオ集  作者: 牧田紗矢乃


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コックリさんの話

キーワード


①降霊術

②テスト

③勉強会

④十円玉

⑤質問

⑥問題

⑦メンバー

⑧スピード

⑨驚いた

⑩推し











 突然ですが、皆さんはキューピッドさまとかエンジェルさまとか、海外だとウィジャボードと呼ばれる遊びをご存知でしょうか?

 では、コックリさんは?

 どれも似たような【降霊術】です。

 小学生とか中学生の時に流行りましたよね。

 今宵はコックリさんにまつわるお話で百物語を締めくくらせていただこうと思います。


 あれは中学生の頃でした。

 【テスト】期間中で部活がなく、友達の家に集まって【勉強会】をしていた時のことです。

 全員が勉強に飽きて、そろそろ一休みしようかというタイミングでした。

「コックリさんやらない?」

 と一人が言い出したのです。

 コックリさんは紙と鉛筆と【十円玉】があればできてしまう、お手軽な【降霊術】です。

 【勉強会】の最中なので紙と鉛筆は全員が持っていましたし、【十円玉】も持っている子がいました。

 そうと決まれば準備はすぐです。

 手早く真っ白だった紙は五十音で埋められ、上部に空いていたスペースにはイエスとノー、そして鳥居が並びました。

 鳥居の上に【十円玉】を載せ、「コックリさん、コックリさん」と呼びかけます。

 しばらくして、ようやく【十円玉】が動き出しました。

 怖がりな子は悲鳴を上げましたが、私は半信半疑だったのでこの中の誰かが動かしているんだろうなぁという気持ちでした。

 そこからはお決まりの【質問】タイムでしたね。

 誰それが好きな人は誰ですか? といった類いの定番の【質問】から、明日の【テスト】はどんな【問題】が出ますか? なんて【質問】まで。

 とにかく何でもありでした。

 コックリさんはその都度答えてくれるのですが、一つだけ【問題】がありました。

 コックリさんの動きがあまりに遅いのです。

 一文字指すのに数十秒、下手をすると一分近くかかるのです。

 その【スピード】に、一緒にコックリさんをしていた【メンバー】の顔にも苛立ちが見え始めます。

 険悪なムードになり始めたのを察して、私は「コックリさんの望みはなんですか?」と尋ねてみました。

 怖い答えが返ってきたらいいなぁと思ったのです。

 【十円玉】は相変わらずゆっくりとした【スピード】で動き出し、五十音表の上をさまよいます。

 か、え、り、た、い。

 コックリさんの答えを聞いて、【驚いた】やら呆れたやら。

 帰ってくれとお願いしても帰ってくれないのがコックリさんなんじゃないんですか?

 拍子抜けですよ。

 そこから、【十円玉】は「か、え、る」という三文字をグルグルと回り始めました。

 それはそれで怖い光景でしたけどね。

 もっと怖かったのは、【メンバー】の一人が急に金切り声を上げたことです。

 その子は自称霊感がある子で、よくお化けが見えたと言って騒いでいるので、今回も同じようなことだろうと思いました。

 何を言っているのか耳を澄ましてみると「帰さない、帰さない、帰さない……」と繰り返していたんです。

 マンガとかアニメの表現でありますよね、目がグルグル渦巻きになって様子が急変するシーン。

 まさにあれです。

 彼女は【十円玉】から手を離してはいけないというルールを破っただけでなく、私たちの目の前でその【十円玉】を口に放り込むと飲み込んでしまったのです。

 しかし、【十円玉】は飲み込むには大きすぎたのか、彼女は口をパクパクさせながら目を白黒させて、その場に倒れ込んでしまいました。

 【驚いた】まま動けない私をよそに、一人は【十円玉】を吐き出させようとし、もう一人は救急へ電話を掛けました。

 友達の対応が素早かったおかげで、彼女は大事に至ることなく回復しました。


 【テスト】期間が終わり、生活が落ち着いたタイミングで改めてあの時なぜあんな行動をしたのか彼女に尋ねてみました。

 すると、彼女は「【推し】がいた」というのです。

 自称霊感がある彼女なので何かが見えたのかもしれないとは思っていましたが、想定外の返答でした。

 彼女の【推し】は黒い狐のキャラクターで、人間に化けた時にはイケメン、狐に戻るとモフモフの二面性が売りでした。

 そんな【推し】そっくりな黒い狐がコックリさん中に現れたため、彼女は必死になって捕まえたのだそうです。

 コックリさんの正体は動物などの低級霊だと言いますが、私たちが呼んでしまったのは一体何だったんでしょう。

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