表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホーリー☆ナイト! ー新人サンタクロースの奮闘記ー  作者: 走井 響記 (Hashii Hibiki)
偵察編
PR
98/98

音楽

 「汰駆郎君も手伝って」

クリスマスツリーの頂点は仕上げではなかったのか。


 「あそこに飾りあるから」

釣井が指した先には二つの段ボール箱があった。

それぞれ開けてみると、オーナメントがぎっしりと敷き詰められていた。

装飾は終盤に差し掛かっていたわけでもなかったらしい。

それから釣井監修の下、装飾を手伝う羽目になった。

サンタクロースや雪だるまの置物を、桟やデスクなど指定の場所に置いていく。


面倒だ。

別にどこに置いてもいいじゃないか。

デスクは自分の陣地じゃないか。

流石に準備が早過ぎるだろ。

その前にまずハロウィンだろ。

細かい指示に、嫌々従う。


 「あっ、ラジオ体操の時間だね」

スプレーと型紙を持ってウィンドウデコレーションを担当している参田の言葉で釣井は「あっ、そうだった」と思い出し、自分のパソコンに向かった。


 「はい、皆、作業中だーんっ! ラジオ体操はぁーじまぁーるよー」

その言葉で再生された、未だに慣れない気恥ずかしい時間が終わると、「じゃあ、全員揃ったし、ラジオ体操で体あっためたし、本格的に作業始めるよー!」と、現場監督モードを再開させた。

今までは本格的ではなかったらしい事に、度肝を抜かれた。


 「よし、かかれぇい!」

僕も含め、全員が作業を再開し始めている故、その台詞は単に言いたかっただけだろう。


 「BGM掛けっか。気分上がるっしょ」

 「うん、賛せーい」

釣井がそう返すと渡仲は、スマホをスピーカーに繋いだ。

それから、大音量で音楽が流れ始めた。


 「ちょっとちょっとっ! うるさいっ! 音おっき過ぎっ!」

 「BGM掛けんの賛成っつったろ」


 「そんな大音量は大反対だからっ!」

 「レゲエだけど」


 「いや、だったら何なの。レゲエだったらしょうがないってならないから。早く音下げて曲変えて。嫌なんだけど、その曲」

 「レゲエは大音量って決まってるだろ」


 「知らないから、そんなルール。てか、ないからそんなルール。早く音下げて曲変えて」

 「常識だろ。レゲエは大音量じゃねぇと意味ねぇだろ」


 「それはあんたの常識であって一般常識じゃないし。意味なくていいから早く音下げて曲変えて」

 「大音量じゃねぇレゲエなんて、カツのないカツカレーだろ」


 「じゃあ別にいいじゃん。カレーとして食べろよ。早く音下げて曲変えて」

 「レゲエはマックスで聴くって決まりなんだよ。授業で習ったろ」


 「何そのオワコン学校。一人の時にマックスで聴けばいいでしょうが。早く音下げて曲変えて」

痺れを切らした釣井はスピーカーの音量を適したそれに下げた。


 「音下げんなって」

 「別にしよ。アタシはレゲエ嫌いだし、あんたにとって大音量じゃないレゲエはレゲエじゃないんでしょ。だったら他の曲にしたら皆納得でしょ。てか、どっちにしろこれはうるさ過ぎ」

釣井は渡仲のスマホをスワイプして曲を変えていく。


 「はい駄目、これも駄目」

即不採用が続く。


 「もう全部レゲエじゃん。じゃあもう、アタシのプレイリストにしよ」

 「スズのスマホ、韓国ばっかだろ」

 

 「いいじゃん、韓国。韓国の何が問題なのさ」

 「我が国を愛せよ」


 「どの口が言ってんのさ。レゲエの方が日本感ないでしょ。韓国の方が近いし」

 「馬鹿野郎、めちゃくちゃ有名なレゲエの日本人、めちゃくちゃいるわ」


 「例えば?」

釣井に言われた渡仲は、知らない名前をどんどん列挙していく。


 「知らんわ。全部知らんわ」

それから自分のスマホでKーPOPを流し始めた釣井は、時折渡仲と衝突しながら現場監督モード全開で指示を出していく。

クリスマス仕様にするのはまだ早いだろ。

まずハロウィンだろ。

作業が進むにつれてそれ等の思いが強まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ