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ホーリー☆ナイト! ー新人サンタクロースの奮闘記ー  作者: 走井 響記 (Hashii Hibiki)
偵察編
89/91

警戒

台無しとは、探偵ごっこか、もしくは刑事ごっこの雰囲気が、という意味だろうか。

そんな事に巻き込まないでほしい。


 「尾行してんのバレない様にね。子供達がギフターに相応しいかを見極める、大事な仕事なんだから」

見極めるのにサングラスはいらないだろ。

外したい。外した過ぎる。


 「いい? 怪しまれるんじゃないよ?」

じゃあ外させろよ。

サングラスを掛けて小学生を尾行する大人など、どう見ても怪し過ぎる。

外したい。外した過ぎる。


 「あの、ギフターに相応しいかを見極める為の偵察なんですよね?」

 「うん、そうだよ? 言ってんじゃん」

一応確認したが、やはりサングラスはもう必要ないじゃないか。

いや、もしかするとこれは、他のギフターに遭遇しても分かる為だろうか。

膨大な数の子供にプレゼントする故、その可能性は高い。

とは言え、下校中の見知らぬ少女をサングラス越しに尾行するのは、やはり抵抗がある。


 「あっ、曲がったっ! 急いでっ!」

 「あっ、はい」

角を曲がった二人の少女を追う。


 「よし、オッケー」

再び見付けた二人の少女を追って間もなく、係長は言った。


 「二人共、いい子みたい。第一関門突破」

急に何を言い出すのだろう。

どういう基準でそんな判断をしたのだろう。

悪い事をしていないから〝いい子〟なのだろうか。

ただ歩いてただけじゃないか。

その様を見ていただけじゃないか。

数分間の尾行だけで人間性など分からないじゃないか。

〝第一関門〟という事は、〝第二関門〟があるのか。


 「ちょっと、ここで待っててくれる?」

係長はサングラスを外した。


 「防犯ブザー鳴らされるかもだからさ」

その感覚は持っているらしい。


 「いい? サングラスは外さないでよ?」

そう言った係長は、少女達の方へ走った。

自分は外すのかよ。

人には掛けろと何度も言っておいて、どういう事なのだろう。


 「ごめーん、ちょっといいかなぁ?」

二人の少女は足を止め、振り向いた。

一体、何をする気なのだろう。

係長が姉と見られる少女を少し奥へ誘導し、数分間何かを話し始める。

それから、片方の少女と数分間話すと、走って僕の方へ戻りながら、両腕で大きな丸を作った。


 「あの子達、合格っ!」

一体、どんな審査をしたのだろう。


 「えっ……」

係長が僕の傍に戻った時、訝しげな様子に見える少女達の後ろ姿を覆う赤色が、点滅し始めた。

故障でもしたのだろうか。


 「あっ、またびっくりした顔してる。さてはそっちも完了した感じ?」

完了とは一体、何の事だろうか。

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