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ホーリー☆ナイト! ー新人サンタクロースの奮闘記ー  作者: 走井 響記 (Hashii Hibiki)
偵察編
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105/116

連続

必死に逃げる後ろ姿をすぐに見付けた。

民家の建つ角に消えたそれを、再び追う。


 「誰にも言わないからっ! 親にも、店の人にも、学校の先生にも、絶対言わないからっ!」

少年はぴくっと足を止めたが、再び走り出す。


 「鉛筆が欲しいんだよね? 僕が買ってあげるからっ!」

思わず、少年の腕を掴んだ。


 「買いに行こう」

涙目のまま、こくんと頷いた少年は、「あっち……」と、コンビニを指差した。

僕が裏切って店員に言う可能性を危惧しているのだろうか。

本屋に戻ろうとしていた足を旋回させる。


コンビニに入ると少年は、さっきと同じメーカーらしい鉛筆が数本入ったケースを手に取った。

そのまま、消しゴムを眺める。


 「消しゴムも欲しいの?」

少年は、こくんと頷く。

ちゃっかりしてるな。


少年は鉛筆と消しゴムを持ったままその場を離れた。

後を追うと、お菓子コーナーで止まっていた。

こいつ、まさか……。


少年は、せんべいのパックを手に取った。

それを抱え、上目遣いで僕を見つめる。

こいつ……。

子供という立場を利用しやがって。

振り返った少年は、その棚を眺める。

まだ何か欲しいのか。

手に取ったチョコレート菓子を抱えたつぶらな瞳が僕を見る。


 「分かった。買ってあげる」

 「ありがと……」

お菓子まで買うとは言っていない。

歩き出した少年はレジでUターンした。

着いていくと、陳列されたパンの前でそれ等を眺めていた。

マジか……。

文房具とお菓子を入れたカゴに、少年が指を差したメロンパンを、仕方なく加える。


それから少年は、焼きそばパンを申し訳なさそうに指で摘まんだ。

マジか……。

カゴをレジに持っていく。

ちゃっかりお菓子とパンも買わせやがって。

ちゃっかり、それぞれ甘い系としょっぱい系を買わせやがって。


 「これ……」

少年は図々しさに釣り合わないか細い声を出しながら、ホットスナックのフランクフルトを指差して僕の方を見る。

またかよ……。仕方なく注文する。


 「ごめん、なさい……。これも、ごめんなさい……」

今度はアメリカンドッグを指差した。

申し訳なさそうにする割には積極的だ。

そして、レジの画面には二千円を超える金額が表示された。

鉛筆を買ってあげるつもりが、こんなにも支払う羽目になるとは。


 「くじ、どうぞー。三回引けまーす」

若い女の店員がレジの下から抽選箱を出し、置いた。

七百円お買い上げ毎にくじが出来るキャンペーンをやっているらしい。


 「引いてごらん」

少年は抽選箱に手を入れ、一枚の紙を取り出した。

それには、黒烏龍茶の文字と写真。

小学生には地味過ぎる景品だ。

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