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過去からの依頼人(その33)

 ミツオがタバコに火をつけた。

「ずいぶん、手の込んだ登場をするじゃないか」

「ひさしぶりだ」

「お前、生きていたのか」

 ミツオは煙と共に相棒に問いかけた。

「いや、死んだよ」

「じゃあ、誰なんだ」

「一本、もらってもいいか」

 ミツオは安藤カツオにタバコを差し出し、火を点けた。カツオは煙と共に口を開く。

「ゼロ課に配属された俺の特殊能力が何かは知らないだろう」

 ミツオが無言でうなずく。

「俺は人ではない。かといって地球のものでもない。何者でもない、小さな物体の集合体だ。ゼロ課が作り出した知能を閉じ込めるただの器。家族はただの作り物のお話だった。安藤カツオも安藤エミも安藤佳央里も実在しない」

「存在の葛藤があの連続殺人だったのか」

 ミツオが問いかける。

「そうだ。法では裁けない悪い奴を殺す。それが俺の存在意義だと思った」 

挿絵(By みてみん)

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