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過去からの依頼人 (おしまい)

「最後の犯行の意味は、自殺ということだな」

 安藤カツオは遠い目を窓の外にむける。

「そうだ」

「でも現在のお前の姿を見ると消滅できなかったということだ」

 安藤カツオがうなずく。

「時間が経つにつれ、エミと佳央里に自我が芽生えてしまった。俺も含めた三人は一つ。それ以上でもそれ以下でも無い。どうしようと考えているうちに時間は過ぎた」

「連続殺人の再捜査を依頼したのはエミと佳央里に真実を認めさせるためということか。これからどうする」

 安藤カツオが根元まで吸ったタバコをミツオに渡す。ミツオはいつも持ち歩いている携帯灰皿に吸い殻を押し込む。その仕草を見届けた元相棒が言う。

「佳央里の作ったタスカル。今や世界中にその端末が存在する。実は一つ一つの端末に蜘蛛を閉じ込める檻を設計してある。そこで俺は眠ることにした。このボタンを押して欲しい。それが最後の依頼だ」

 安藤カツオがトリガー型の携帯スイッチを差し出した。

 ミツオは無言でトリガーを引く。

 目の前の相棒は寂しげな笑みを浮かべて崩れ落ちていった。

 そしてミツオとエリーだけが立っている。


 おしまい

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