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過去からの依頼人(その28)
何年この部屋から出ていないのかはわからないのだが、以外と室内はかたづいている。機械工学、プログラムなどの専門書が書棚を占領していた。
「さっきはやってくれたね」
佳央里はミツオの言葉に返す言葉が見つからなかった。
「その沈黙はハイという意味でいいね」
佳央里は黙って頷く。
「お父さんが僕を憎んでいたと言っていたけれど、君は何を見たのか説明してくれないか。お父さんと僕はいいコンビだったと思っている」
ミツオは佳央里の目を見た。
「お父さんの部屋でこの日記を見つけた」
佳央里はミツオとエリーに父の日記を差し出した。発見の経緯も伝える。ミツオとエリーは顔をつきあわせて日記を読み進めた。ミツオという固有名詞こそ書かれてはいないが、文脈から察するにミツオへの憎しみが永遠とつづられていた。一通り目を通してミツオが感想を言おうとした瞬間、エリーが言った。
「ミツオさん、佳央里さん。二人に大事な話があります」




