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過去からの依頼人(その23)
「安藤刑事はお前に恨みがあったと言っている」
相手もミツオの問いかけを無視してもう一度同じ事を言う。仕方なくミツオは返答した。
「心当たりはない」
「いや、何度も安藤刑事の邪魔をしているはずだ」
ミツオは首をかしげる。
「君は何か勘違いをしているらしい。俺と相棒は何度も事件を未然に防いだ。それは、俺と相棒、両方の推理があって初めて防いだと理解している」
野太い声に動揺が走るのがミツオ達には分かった。
「じゃあ、どういうこと」
「こっちが聞きたい、お前はどうしたい。連続事件の犯人はまだ捕まっていない。俺への恨みの前に、犯人逮捕が先じゃないのか」
車内に沈黙が支配する。ミツオは続ける。
「第一の犯行現場では、当時存在しなかったテクノロジーで解析を行った。その結果があと数時間で出る。どうだ共有しないか」
「また連絡する」
どうしたらいいのか分からなくなった佳央里は一方的に通信を切った。父の日記には恨みが書き連ねられていた。誰の目にも触れないようにわざわざ隠してあったのだ。
それは父の本心と考えて間違いないはず。




