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過去からの依頼人(その18)
ミツオはタバコを深く吸った。煙と共にエリーに話しかける。
「おれはこのアパートの一室が犯行現場になると確信していた。住人を避難させ、封鎖もした。しかし、同じ作りの誰も住んでいない部屋を同時に爆破される事は分からなかった」
ミツオはうつむく。
「完璧なことなど世の中ありません。最善をつくしたではありませんか」 エリーがなぐさめの言葉をミツオに語る。
「しかも俺が予知夢で見た、軟禁されていた人物のシルエットが相棒だったなんて……」
「この事件の後、連続殺人は起こらず、犯人は闇の中に消えていったということですね」
「そうだ」
爆破事件のあと、この区画は整理された。ミツオ達の目の前でも、三台の無人作業車が地面を掘り起こし、平らにしていた。
「いこうか」
ミツオがタバコを自分の携帯灰皿に突っ込む。くるりと背を向けた瞬間、作業の音が一斉に停止した。辺りに静寂がおとずれる。
何事かと二人がもう一度振り返る。今まで動いていた作業者が停止していた。それぞれの車が青いライトを地面に照射しているが、赤色に変わる。
「なんだか、様子が変ですね」
エリートミツオはあとずさる。
先ほどまでの作業スピードとは違う素早さで、猛然と二人に襲いかかってきた。道を無視し、真っ直ぐミツオ達にキャタピラが回転する。
「逃げろ」




