表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

誰が来た?

おれとコウの視線が、ドアに集まる。

そして、誰かが入ってくる。

セーラー服? 女の子か?

「関くん、仲村くん、遅れてごめんなさい」

 ドアの向こうから現われたのは、黒髪の綺麗な小柄女の子だった。

――この子は、記憶にあるぞ。確か、アカリ……『平沢朱里』だ。

「えっ、どうして椅子が全部壊れてるの?」

 アカリは、部屋の中にないって来るやいなや、この部屋の荒れように驚きを隠せないようだった。

 おれはそんなアカリに背を向け、コウの首に腕をひっかけて、コウの頭をたぐり寄せた。

「なあ、コウ。つまりあれか、アカリが何か心配したら、心臓発作が起こるってわけなのか?」

「うーん、どうだろうね、その可能性は高いと思うよ。そうなると、このままではまずいよユウキ。この部屋の状況といい、君自身の状況といい、不審に思われる点が多すぎるよ」

 そうだよな、とおれの危機的状況を確認したところで、アカリが度重なる不自然な状況に、口を開く。

「ねえ、二人でなにをこそこそ話してるの? 私なにか変なことしたかな?おかしいかな? まさか、背中に半額シールが……」

「ない」

「それはないよ」

 同時に振りむいて、おれとコウは同じような事を発した。

 (おれとネタがかぶってやがる……)

 おれたちはアカリに背を向けている、これも不審に思われる要因のひとつではないのか。とにかくこの場をやり過ごすということを、おれとコウは確認した。

 よし、という合図とともに、おれはコウの首にかけていた腕を解き、さっと振りかえってアカリに言った。

「まっ、まあ、とりあえず座りなよ。って椅子がひとつもない! おいコウ、どういうことだ!」

 どうだ! おれのハイテンションノリツッコミは!?

「どういうこともなにも、君が全部壊したんだよ、ユウキ……」

 やれやれといった表情で答える。が、これは最悪の返しだ……。

「え……。これ、関くんがやったの?」

―― 「まずい!」 コウとおれの目があった。

「ねえ、ちょっと、ちゃんと説明して? これは関くんがやったの?」

 アカリがずんずんと近づいてくる。おれよりも頭ひとつ分くらい背の低いアカリが、おれの顔を見上げて聞いた。これはバッドエンドフラグだろうか。

 この展開、どうしてくれる! おれは目でコウに訴える。

「そ、そんなことある訳がないじゃない! このユウキがだよ!」

 コウが飛び出すような勢いで間に入ってきた。

「そ、そうだぞ。こんなおれがだな、椅子をこんなめちゃくちゃに……って、おいコウ!どういう意味だ!」

 この話からアカリの気を逸らすためにも、ハイテンションをつき通した。

 しかし、このハイテンションはアカリに通用しなかった。

「ねえ、本当の事を教えて。関くんはなにかいやなことでもあったの? これでこんなことしたの?」

 (ア、アカリ……おれの事、心配……した?)

 次の瞬間だった、胸が強く締め付けられるような痛みがおれを襲った。

 コウに言われた通りだった。『心配されたら心臓麻痺で死亡』

 おれは、生死の境目で、死の領域へ堕ちるんだな……。

―― ドクン

「う……あ……」

「おい、ユウキ、ユウキー!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ