26 適当な予言
ホワイトウッドの森が白く輝くとき、大陸に祝福が降り注ぐ
白い精霊達からの祝福が幼子を包むとき、世界が平和に満ちる
かの子は、白樹の精霊王と共に在る
かの子の深い眠りと共に世の全てが終焉に向かう
かの子を護れ
永世中立国マリンの第3王子アルが、父である王からこの予言を聞いた時、抽象的な予言だと思った。
予言の『かの子』である侯爵令嬢ルイを護るために婚約者に自分が宛てがわれたと聞いた時、こんな適当な予言に振り回された事に憤った。
初めてルイに会った時、そんな背景はどうでも良いと思う自分が居た。
何も知らずに天真爛漫に過ごす彼女を見て、愛おしさが会うたびに増す。
ただただ彼女の笑顔が好きで、護りたいと思う。
それで良かった。
この関係が続くと思っていた。
ルイが13歳のある日、一変。
彼女の父であるホワイトウッド侯爵が、婚約の解消を申し出た。
娘が王妃教育で体調不良になっていると言う。
アルは、王からルイの安寧を任されている。
王妃教育の中断と彼女の望む学園生活を保証する選択しかない。
婚約解消は回避。
そして今、ルイの眠りにより世界は終焉に向かうのだろうか。
眠りから1ヶ月、終焉の兆しはない。
だが、王は恐れている。
アル王子はルイの眠る学園へ馬を走らせる。




