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社畜転生令嬢は惰眠を貪りたい。王妃には興味ありません。  作者: MOKO773


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18/32

18 モテ期、到来

最近、よく求婚される。


あの迷惑な求婚後、連日、ル・リゼ校に留学中の各国の王子からプロポーズを受けている。

どの王子も面識はなく、突撃求婚的な切迫した雰囲気。


何かの罰ゲーム?


侯爵令嬢ルイは、今日も自室のテラス席でぼっち飯。かと思いきや、なぜか第3王子アルと王族専用個室でランチ中。


気まずい。非常に気まずい。元婚約者だし、王妃教育から脱走したし。

なんで、いまだにアル王子と接点があるのか不明である。

二人だけのランチなんてもってのほか。ありえない。


正しくは、婚約者のアル王子。

今日は久々にルイ嬢に会えてご機嫌。

アルも万能メイドのサラ同様、ルイ嬢が婚約解消したと勘違いしていることを訂正しない。


侯爵令嬢ルイの専属メイドのサラは、今日も絶妙な距離と位置で主人の背後に控える。

サラのメイド服のふんわりとしたスカートの中には短剣が忍ばせてある。

王族専用室入室時のボディチェックを、毎回なぜか潜り抜けている。


気配を消す無表情のサラとにこにこ顔のアルの側近、給仕数名に囲まれて、広い窓のある部屋の中央で、ランチとは気軽に言えないフルコースが進む。

大粒の稀少なキャビアもある。

メインはトリュフ付きの肉。


「お口に合いませんか」

優しく尋ねるアル王子。

「いえ、とても美味しいです。このラディッシュなど、みずみずしくて何個でも頂けます」

最後、余計なことを言ってしまった。でも、さすが王室御用達の野菜は美味しい。菜園の土も良質に違いない。

「お代わりしますか」

アル王子の側近が食いしん坊なルイ嬢に尋ねる。

「十分頂きました」

ルイ嬢は令嬢らしく控えめに返事をした。


「最近、よく求婚されているね」

アル王子は昨今の最大の懸念事項を、優雅なランチの話題にぶっ込んできた。

「ごふっ」

危うくティラミスをアル王子の顔面に飛ばすところだった。

ティラミスを飲み込んだ後、動揺を見せない仕草で紅茶をいただく。

ここも王妃教育&侯爵家の家庭教師のマナー特訓の見せどころ。

「そんなことございませんわ」

根拠もなくさらりと否定する。早く帰りたい。

でも、このティラミス、美味しい。ケーキは好きなだけ取れるように、トレイに並べてある。宝石箱のような箱には、小さな色とりどりの菓子もある。

「心配だな。私のレディは可愛いし、日々美しくなる」

よく真顔で言えるな、この王子。心の中での不敬は許して欲しい。自由である。

早く終わりたいランチともっと食べたいケーキを天秤にかけ、後者がルイの中で勝った。


まあ、たまにはモテ期もいいかと妥協する。美味しいケーキには敵わない。

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