17 めんどくさい求婚
「レディ・シャルロット・ルイ・マグノリア・マルグレス・ホワイトウッド」
「はい」
「僕と結婚してくれ」
今、目の前で片膝をついて求婚している輩、じゃない、殿方は…確か、確か、、、誰だ。
「先にお名前をお伺いしても宜しいでしょうか?とお嬢様が」
万能メイドのサラが、私のせいにして殿方に訊ねる。
「失礼しました。レディ」
ホワイトよりも背が高いような。ホワイトも長身でモテるが、このお方もモテそう。
なんせ爽やか王子アルに似た王子感がプンプンする。
両手には真っ赤なバラの束。何本あるのかな。100本?
などと観察していたら、周りに人だかりができている。
いたたまれない雰囲気で、逃げ出したい。
こういう時に、ホワイトがいれば、どんな相手でもあしらっただろうに。
「お嬢様、如何いたしますか」
聞かないで欲しい。
「レディ・シャルロット・ルイ・マグノリア・マルグレス・ホワイトウッド」
長い名前をリピートしないで欲しい。
ざわざわざわ。
野次馬さん、解散して欲しい。
「レディ、私の名は…っ!?」
侯爵令嬢ルイが心の中で叫ぶ声を聞いたかように、白猫が求婚殿方の顔面に降ってきた。
「にゃあ」
ばりっと殿方の顔面を引っ掻き、飛び降りる。そしてどこかに消えた。
ナイス、ホワイト。
じゃない、白ちゃん。
殿方は顔面を抑えて保健室へ彼の従者と共に去った。
で、誰だったんだろう。




