10 銀髪の美男子は誰?
侯爵令嬢ルイが編入して1ヶ月。
友達ができた頃に実施される必修のグループ課題。
2人以上なら、グループだ!と意気込んで、ぼっち令嬢ルイは教室に乗り込む。
精霊の白猫『白ちゃん』は猫の時は白ちゃん呼び、人間の姿の時は、『ホワイト』と呼ぶことにした。
まんまな名付けだが、仕方がない。熟考する時間が無かった。
階段状の講義室の最前列に、初めて見る銀髪の美青年が座っている。物静かに本を読んでいる。女子生徒がちらちらと彼に視線を送る。
「ホワイト?」
侯爵令嬢ルイの呼びかけに、青年は顔を上げる。目が、オッズアイ。白ちゃんの目だ。にやっと口元だけ笑い、無言で『どう?俺、どう?』とルイの脳内に聞いてくる。
『俺様、めちゃくちゃカッコよくない?注目の的って、気分がいいなあ。猫のときもなかなかの可愛さだが、この格好もいいだろう?惚れた?』
あまりのしつこさに「うるさい」と声を発した後、しまったと教室を見渡す。
同級生が咄嗟に目を逸らす。
友達作ろう計画が遠のく。
溜め息をつきながら、ルイはホワイトの隣に座る。
ホワイトは今日初めてこの教室に来た。しかし、誰もがそのことに疑問を抱かない。まるで入学当初から居た同級生として扱う。
担任の先生も、全く違和感を抱いていない。一人、生徒が増えたのに。
「それでは、事前に申請したグループで本日の課題を実施してください」
ルイは焦った。
グループメンバー探しに明け暮れ、課題自体を全く予習していなかった。
「ご主人…じゃない、ルイ嬢。今日の課題の茶葉を持参したから、お茶を淹れてくれる?」
さらさら銀髪美少年は、固まっているルイに上目遣いでお願いする。
背後で、きゃあっと黄色い声が上がった。




