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孤狼の転生~最速スキルでゼ 口から始める〜  作者: Ebi
(第一章:孤狼の覚醒と王の盾要塞 - Daiisshō: Korō no Kakusei to Ō no Tate Yōsai)
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第28話から第30話

第二十八話:紅蓮の流星と、断絶の鎖


リョウガが漆黒の壁の頂上から己の身体を投げ出したその瞬間、それを見上げたキングラッドは息を呑み、開いた口が塞がらないまま絶叫した。


「リョウガ! お前、一体何を考えているんだぁぁぁっ!?」


キングラッドの悲鳴に気づいたタリンもハッと空を見上げ、宙を舞うリョウガの姿を捉えた。リョウガは両手を大きく広げ、驚くほど冷徹で 冷静な な表情のまま、魔物の群れに向かって垂直に落下していく。


次の瞬間、空中でリョウガの肉体が爆発的な『紅蓮の炎』と『凍てつく蒼き炎』へと変貌した。衣服を引き裂くように、全身に黄金と漆黒の紋様(脈)が不気味に迸る。


ドォォォォォンッ!!!


まるで天から墜ちてきた巨大な「流星(隕石)」の如く、リョウガは魔物の群れのど真ん中へと激突した。凄まじい大爆発が巻き起こり、猛烈な土煙と爆炎が天を焦がす。魔物どもの肉片が飛び散り、断末魔の悲鳴が辺りに木霊した。



立ち込める砂埃がわずかに晴れた時、兵士たちの目に映ったのは、二色の焔を纏って狂暴に暴れ回るリョウガの姿だった。彼は神速の跳躍と目にも留まらぬ速度の拳撃を繰り出し、魔物どもを次々と粉砕し、周囲へと力任せに投げ飛ばしていく。


気づけば、巨大な「亀裂(ギャップ)」の周囲は、リョウガによって屠られた魔物の屍山血河で埋め尽くされていた。

壁の上の兵士たちは、その圧倒的な惨劇に恐怖し、同時に歓喜の咆哮を上げた。



「英雄だ……! 英雄がそこにいるぞ! 俺たちは助かったんだ!」

その時、後方支援と避難の誘導を終えたエナリルと、城内の増援部隊が前線へと到着した。彼女たちの前に広がっていたのは、焔を纏う一人の少年が魔物の大軍を一方的に蹂躙し、 断片化された(肉片)へと変えていく地獄絵図だった。エナリルは驚愕のあまり、言葉を失って立ち尽くす。


キングラッドは大斧を掲げて全力で叫んだ。


「騎士たちよ! 呆けている暇はない! 英雄が作ってくれた好機だ、残りの魔物を大斧と槍で掃討し、魔力ブロックで壁の شکاف を塞ぐんだ!」


タリンも己の大斧を構え、隣のエナリルに向かって叫んだ。


「お嬢ちゃん! 弓が使えるなら魔物どもを片っ端から射抜いてくれ! ただし、あの炎を纏って暴れてる奴だけは絶対に狙うなよ! あれは味方だ……リョウガなんだよ!」


エナリルは一瞬、耳を疑った。「え……っ!? あれが……リョウガ……!?」


驚きに目を見開きながらも、彼女は即座にヴァリックから与えられた魔導の弓を構えた。深く息を吸い、弦を引き絞る。


シュッ! シュッ! シュッ!


エナリルの放つ矢は、一切の狂いもなく的確に魔物の眉間へと吸い込まれていく。彼女はエルフの中でも最高峰の技術を持つ熟練の狩人(弓兵)だった。目にも留まらぬ速度で次々と矢を番え、寸分の狂いもなく敵を仕留めていく。


タリンが戦いながらその様子を横目で見て、感心したように声を上げた。


「ほう! お嬢ちゃん、ただの可愛いお姫様じゃねえな! 大した腕前だ!」


その時、一匹の魔物がタリンの背後から鋭い爪を振り下ろそうとした。だが、その前にエナリルの放った矢が魔物の頭部を貫いた。さらに彼女はタリンの周囲にいた魔物どもを神速の連射で全滅させていく。


あまりの猛攻に、タリンが武器を振り回しながら不満げに怒鳴った。


「おい、エナリル! もうやめてくれ! 俺の獲物が残ってねえ! 俺の分の魔物を残しておいてくれぇっ!」


近くで戦っていたキングラッドが、呆れたように鼻を鳴らす。


「大馬鹿野郎が! 魔物は酒じゃねえんだぞ、お前の分を残せなんて言っている場合か! 一匹でも多く敵を倒せ!」


「なんだと、また俺を大馬鹿野郎呼ばわりしやがって! ならば見せてやる、ドワーフの真の戦い方って奴をな!」


タリンは激昂し、愛用の大斧に全身の大地マナを限界まで注ぎ込んだ。


「――大地よ、砕けろ!!」


彼は咆哮とともに、全体重を乗せて大斧を地面へと三度激しく叩きつけた。


ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン!!!


凄まじい三連続の「衝撃波(地震)」が地面を走り、周囲の大地が激しく割断された。あまりの威力に、押し寄せていた魔物どもだけでなく、味方の兵士たちやキングラッドまでが巻き込まれて派手に転倒し、中には軽い軽傷を負う者まで出た。


キングラッドが泥まみれになりながら起き上がり、激怒して叫ぶ。


「やっぱり本当の大馬鹿野郎だ!!」


タリンは大斧を肩に担ぎ直し、鼻で笑いながら傲然と言い放った。「ガハハ! 大馬鹿野郎の戦い方は、こうやるんだよ!」


視線を前方に移すと、リョウガはすでに防壁の内側に侵入した全ての魔物を単騎で殲滅していた。兵士たちから「リョウガ、最高だ!」と歓声が上がる。


――だが、その瞬間。


グサッ!!!


リョウガの背後から、悍ましい魔力を帯びた「地獄の槍( やり投げ選手)」が突き立てられ、彼の左肩を深く貫いた。


激痛に顔を歪めながらリョウガが振り返ると、そこには異様な威圧感を放つ巨大な魔物が立っていた。頭部には禍々しい二本の巨角、下半身は屈強な牛の如き脚(ミノタウロス)、そして身体は焦げ茶色の強固な皮膚に覆われ、腕だけは不気味な人間の形状をしていた。その両眼は漆黒の闇と、血のような鮮紅の二色に染まっている。


「ガァァァァッ!」


魔物は即座に第二の槍を放ち、今度はリョウガの右脚を深く貫いた。


「くっ……!」


リョウガの膝が折れ、地面へと激しく崩れ落ちる。リョウガはその時、突き刺さった槍の末端が太い「鎖(鎖)」で魔物の両腕に繋がれ、固定されていることに気づいた。



魔物は咆哮を上げ、リョウガの肩と右脚に突き刺さった鎖を力任せに引きずり始めた。リョウガの身体は悲鳴を上げる地面を滑り、そのまま崩壊した壁の「 ギャップ(裂け目)」から、魔物の大軍がひしめく城壁の外へと連れ去られていく。


「リョウガ――ッ!!」

キングラッドとタリンが血相を変えて激流の如き敵群へ突っ込もうとしたが、無情にも押し寄せる新たな魔物の波に阻まれ、どうしても彼の手へ届かなかった。


守備隊長が悲痛な声を絞り出す。

「……だめだ、追ってはならん! あの少年が命を懸けて作ってくれた防衛線だ、無駄にするな! 直ちに ギャップ を塞ぐんだ!」


兵士たちは涙を流しながら、魔力ブロックを積んだ araba( 戦車)を一斉に亀裂の正面へと押し込み、崩壊した壁を完全に封鎖した。


その瞬間、壁の上の部隊が天高く魔導矢を放った。シュウゥゥゥッ……ドォン!


空が、壁の封鎖成功を示す『青色』に染まり、間髪入れず、市街地の安全が確保されたことを告げる『緑色』の光が眩しく弾けた。


外壁の内部は、確かに守られた。しかし、キングラッドもタリンも、精度エナリルも、防壁に向かって「リョウガ―――ッ!!」と声を枯らして叫び、涙を流し続けるしかなかった。虹色の指輪を持つ少年は、漆黒の壁の向こう側、本当の地獄(城外)へと消え去ったのだった。


第二十九話:絶望の果ての狂牙と、神速の崩天


南門の崩壊した「亀裂(ギャップ)」が魔力ブロックによって完全に封鎖されたその瞬間、最高指揮官の怒号が響き渡った。


「よくやった! 負傷者をただちに救護所へ搬送しろ! 残りは壁の上で防御陣形を維持せよ。岩石トロール(ストーン・トロール)は未だ健在だ、第二波の攻撃に備えろ!」


魔術師や弓兵たちが必死に防衛戦を続ける中、キングラッド、タリン、そしてエナリルの三人は、外壁の頂上へと駆け上がった。すべては戦況を支援するため、そして壁の外、つまり本当の地獄へと連れ去られたリョウガの安否を確認するためだった。


キングラッドは激しい怒りに拳を震わせ、その目元には薄っすらと涙が浮かんでいた。


「……俺は分かっている。あいつは生きている。あの男が、これしきのことで絶望し、屈するはずがない!」


タリンがキングラッドの肩に分厚い手を置き、力強く言った。


「ああ、同感だ。俺はドワーフの戦士としてリョウガの戦いぶりを見た。あいつがこの程度の雑魚どもに遅れをとるはずがねえ!」


そんな会話を交わす間にも、あの山の如き巨大な岩石トロールが再び大壁へと接近し、防壁を完全に粉砕せんと巨大な棍棒を振り上げていた。


「バリスタ部隊、再装填を急げ! 奴の動きを止めろ!」指揮官の悲痛な叫びが響く。


一方、大壁の外側。


リョウガは度重なる激戦によってマナ(魔力)のほとんどを使い果たし、左肩と右脚の貫通傷から大量の鮮血を流していた。眼前に迫り来るのは、あの二本の巨角を持つ【ミノタウロス(ミノタウロス)】。奴はリョウガを確実に屠るため、容赦なく歩み寄ってくる。


リョウガは身体を動かそうとしたが、あまりの激痛に肉体が拒絶反応を起こした。


(クソッ……またか。またこの لعنتی な身体が動かねえ。動け、動けよ、動いてくれよ! 俺は……もう二度と、あの時のように理不尽に踏みにじられ、絶望の底で終わるなんて真っ平御免だ!!)


彼は全ての怒りと怨念を両拳に込め、魂の底から絶叫した。


「動けぇぇぇぇぇっ!!! 立て、ハナシ・リョウガァァァッ!!!」


刹那、彼の体内で枯渇していたはずのマナが暴走を始めた。進化した【双焔魔導(レベル1)】が強制駆動し、身体から爆発的な『紅蓮の爆炎』と『凍てつく蒼き炎』が噴き出す!


しかし、突き刺さった地獄の槍は、その業火を以てしても即座には融解しなかった。リョウガは凄まじい激痛を堪え、自らの両手で肉体に突き刺さった槍の鎖を掴み取ると、驚異的な怪力で強引に引き剥がした!


グッ…! と鎖を引っ張られたミノタウロスは予期せぬ怪力に均衡を崩し、派手に地面へと転倒した。リョウガは肉を引き裂く痛みに耐えながら、肩と脚から二本の槍を力任せに引き抜いた。


激痛はそのまま、奴らへの狂暴な「 怒り(憎悪)」へと変換された。


その瞬間、彼の【影魔法(レベル5)】が本能的に暴走気味に同時発動した。


ドゴォォォォォン!!!


世界を揺るがすほどの、見たこともない規模の「大爆発」が戦場の中央で巻き起こった。その凄まじい衝撃波とマナの波動は、遥か高くにそびえる外壁の上の兵士たちの肌をも激しく突き刺した。


リョウガの身体は、すでに通常の魔力解放の域を遥かに超えていた。


壁の上の全員が目撃したのは、ただただ異常な光景だった。


漆黒の影と二色の業火が混ざり合い、視界を埋め尽くしていた数千、数万の魔物どもが、文字通り「一百分の一秒」の狭間で肉片となって宙へと吹き飛んでいく。


リョウガは【最速スキル】を限界を超えて解放し、戦場全体を神速の残像となって縦横無尽に駆け抜けていた。あまりの速度に、戦場には漆黒の砂塵が巨大な雨雲(暗雲)の如く立ち込め、彼が移動するたびに天を割るような巨大な「雷撃(雷と稲妻)」が轟音とともに大地を叩きつけた。



その時、南門の壁を破壊せんと棍棒を振り上げていたあの岩石トロールの巨躯すらも、リョウガの標的となった。


トロールが棍棒を振り下ろすよりも早く、わずか数秒の間に、リョウガはその巨体の周囲を数百回にわたって駆け抜け、斬撃を叩き込んだ。


ズババババババッ!!!


まるで巨大な山が内側から崩落( 秋)するかのように、頑強を誇ったトロールの巨躯は、一瞬にして数千の岩石の破片へと細切れに粉砕され、絶命した。


圧倒的な、まさに一国を滅ぼすほどの戦神の如き蹂躙。

わずか「十分間」の出来事だった。大壁の外を埋め尽くしていた魔物の軍勢は、その半数以上が跡形もなく消滅させられていた。

プォォォォォォォォ――ッ!!!


魔物の陣営から、恐怖に満ちた撤退の角笛(引き揚げのラッパ)の音が鳴り響いた。生き残った魔物どもは、目の前の「化け物」から逃れるように、一斉に【死者の地】へと向かって敗走を始めた。


誰もが信じられないといった面持ちで、その光景を呆然と見つめていた。


アラマンドン王国最強の軍事要塞『王の盾』は、一人の少年の狂暴なる神速によって、最悪の危機を完全に退けたのだった。

【ステータス更新/ 龍牙システム】


『ゴールド・Bランク「岩石トロール」および大量の魔物軍勢の討伐を完了しました』

『ハナシ・リョウガのレベルが限界を突破し、大幅に向上しました』


プレイヤーレベル (Level): 35 ➔ 42 (UP!)


固有魔法 (Magic):


【影魔法】 ➔ Level 6 (UP!)

【双焔魔導】 ➔ Level 3 (UP! - 炎の範囲と融解速度が大幅に向上)


保有魔眼 (Magic Eyes):

【第一の魔眼:分析の魔眼】 ➔ Level 5

【第二の魔眼:合成の魔眼】 ➔ Level 3


身体状態: (Physical Status):

筋力 (体力): +110


敏捷 (スピードと敏捷性): +180 (最速スキルの限界領域を更新)

称号 (有効なタイトル): 【戦場を統べる孤狼 /戦場を支配する一匹狼】



第三十話:勝利の緑光と、軍議の密謀


魔物たちの軍勢が敗走を始めたその瞬間、漆黒の外壁の上に立つ兵士たちから、天を突くような大歓声が沸き起こった。

「おおおおっ! 勝ったぞ! 我らの勝利だ!!」


最高指揮官――ドレイヴン・バルカン(Draven Vulcan)の厳格な命令により、魔導士団が再び天高く**『緑色の魔導矢』を二度**撃ち上げた。それは内側の安全だけでなく、外敵の完全なる退けと「戦争の勝利」を意味する絶対の号令だった。


遠く離れた城の天守閣からその光景を眺めていた領主ガレス様は、静かに胸を撫でおろした。


「神に感謝を。我が軍の兵士と騎士たちが命を賭してこの街を守り抜いてくれた。皆、真の勇者だ……」


しかしその頃、壁の上ではキングラッド、タリン、精度エナリルの三人が、焦燥感に駆られながら大割の裂け目を見下げていた。彼らは今すぐにでも壁の外へ出て、リョウガの元へと駆けつけたい衝動に駆られていた。


だが、指揮官ドレイヴンは南門の開放を断固として許可しなかった。


タリンが怒実に顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。


「ふざけるな、この野郎! リョウガこそが俺たち全員の命の恩人だぞ! なぜ外へ助けに行かせねえんだ!」


指揮官ドレイヴンは冷徹な視線を崩さず、毅然とした態度で言い放った。


「あの少年が我が軍に測り知れない貢献をしたことは認める。だが、私は最高指揮官として、数千の兵と民の命を危険に晒すわけにはいかん。外に魔物の伏兵が潜んでいないとも限らず、完全に撤退したという確証もないのだ。よって、追って命令があるまで、何人たりともこの門を出ることは許さん!」


彼はそう告げると、戦況報告のために領主の城へと向かって歩き去った。


元近衛隊長であるキングラッドは、この冷酷な決断が軍事戦略的に「正しい措置」であることを痛いほど理解していた。しかし、感情のままに動くドワーフのタリンにはそれが到底受け入れられなかった。


「これが命を救ってもらった英雄に対する仕打ちかよ! 酷すぎるじゃねえか! あいつは今も怪我をして、外で倒れてるかもしれないんだぞ!」


キングラッドはタリンの肩を掴み、静かに宥めた。


「落ち着け、タリン。リョウガはあの程度の窮地で死ぬような男じゃない。今は信じて待つしかないんだ」


壁の下は激しい砂塵と数多の魔物の屍骸に覆われており、上空からリョウガの姿を確認することは不可能だった。彼らにできるのは、ただ信じて待つことだけだった。三人は一度戦線を離れ、ヴァリックの邸宅へと戻って休息を取ることにした。街と軍は、未だ厳戒態勢を維持したままであった。


一方、城の軍事作戦室では、緊迫した会議が執り行われていた。


「今回の襲撃は、単なる第一波に過ぎん! ただちに王都へ向けて大規模な増援部隊の派遣を要請すべきだ!」一人の将軍が声を荒げる。


「いや、市内の冒険者ギルドや、戦える民間の成人男性をすべて徴兵すべきです!」


別の高官が机を激しく叩き、憤慨したように叫んだ。


「何としてでも他国や帝国からも戦力を引き出すべきだ! 我らがここで血を流している間、中央の連中は安穏と眠りぶっこいているのだぞ!」



重臣たちの議論を静かに聞いていた領主ガレス様が、顎に手を当てながら穏やかに口を開いた。


「待ちなさい。敵の次なる大侵攻が確実であるという証拠はまだない。今ここで過剰に救援を請えば、我がアラマンドン王国の軍実績威信が揺らぎかねん。周辺国に我が国の『防衛力の弱体化』を悟られれば、それこそ他国からの侵略を招く引き金になり得る」


彼は一度言葉を切り、鋭い眼光を最高指揮官へと向けた。


「指揮官ドレイヴン・バルカン。お前の報告によれば、今回の勝利をもたらしたのは、ヴァリックの連れてきた『ハナシ・リョウガ』という少年であり、彼は今も壁の外に留まっているとのことだな?」


ガレス様は静かに微笑み、応接室の全員を見渡した。


「……ならば、その少年の異次元の力を、さらに我が国の防衛のために利用しない手はないのではないか?」


その提案に、作戦室の全員が息を呑み、深い沈黙が部屋を支配した。彼らは、あの虹色の指輪を持つ怪物の少年をどう扱うべきか、それぞれの思惑を巡らせ始めるのだった。






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